ある教育書に「自分で、できないことは言うな」ということが記されていた。それを読んで、なるほどと大変納得できたので「心がけて行こう」と誓った。

 同時に、何冊も執筆して様々な事を述べているので、この著者自身が、自分の言ったことが実行できているかが最も知りたかった。

 

 多くの大人が、自分ができもしないことを語っているのが現実だからだ。常々そのような語りを聞かされてジャマで仕方がなかった。

 

 話したことは全て自分に返って来る。このブログで記していることも全て筆者自身に返って来るのである。

「こうした方が良い、ああした方が良い」と言えば、あなたは「こうしているのでしょうね、ああしているのでしょうね」と返って来るのである。

 

 ところが、ホモサピエンスは説教が好きだから大変だ。あちこちで説教が始まってしまう。説教は必ず弱者に向けられるので、当然その対象が子どもや部下となってしまう。

 弱者は反論できないことを知っているにもかかわらず、反論させようともしない。そう言う中で反論すると「言い訳は言うな」「屁理屈は言うな」が常套句である。

 

 アホな大人ほど、注意・叱責、説教・説諭が大事であると勘違いしている。実は、代々注意・叱責、説教・説諭を繰り返されてきたホモサピエンスは、自然に大事であると思い込んでしまっているのだ。

 

 本当は、「注意・叱責、説教・説諭が諸悪の根源」であるということには全く気づいていない。それどころか、「繰り返し注意することが大事だ」と思い込んでいる。

 

一対一では体力的にネアンデルタール人に敵わなかったホモサピエンス。言葉による虚構で協調と連帯を手に入れ地球上を席巻したホモサピエンス。だが、虚構は諸刃の剣である。