カラオケ行こ!
2024年作品/日本/107分
監督 山下敦弘
出演 綾野剛、齊藤潤
2024年1月13日(土)、アップリンク吉祥寺のスクリーン1で、9時25分の回を観賞しました。
合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が(以上、公式サイトからの引用)、という物語です。
これは、面白かった!あまり期待せずに観たのですが、よくできたコメディで拾い物でした。私は未読でしたが、原作コミックがあるということです。「BLUE GIANT」と同じように、音の使えないコミックで歌の世界を扱うのって難しいように思うのですがどんなふうに表現しているのでしょう。興味湧きますねー!
《短い感想です》
恐ろしいヤクザと中学の合唱部の生徒というミスマッチな取り合わせが面白いです。ヤクザの狂児に頼まれてカラオケ指南をする聡実なのですが、その過程を通じて二人の間にいつしか友情が芽生えます。そして誰にも相談できない問題を抱えていた聡実もまた救われ、成長していくという、青春映画なんですよね。
聡実を取り巻く人たちもユニーク。合唱部顧問のさばけた女性教師や彼に憧れている後輩の男子生徒、それにクラシック映画を見せながら的確なアドバイスをする映画研究会の友人の存在など、学校内の描写もいいんです。加えて、聡実のことを応援している優しい両親。多くのキャラがしっかり立っているのです。
少しベタではありますが、ヤクザたちのカラオケ大会と合唱部の最後の大会が重なっていくクライマックスの作り方など、本作の安定感は、過去に「罪の声(20)」「俺物語‼︎(15)」などでも小説やコミックの脚色を成功させてこられた脚本家の野木亜紀子さんの力に負うところが大きいのかもしれません。
最近、続編ものが多いなか、きちんと完結しているのも好感度高いです。あ、これ大阪が舞台(ロケ地は関東)なので大阪弁が使われてます。しかし綾野剛さんは上手いですね。新春に見るにいいオモシロさですよー。
トシのオススメ度: 3
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