AIR/エア(Amazon prime / 日本語吹替版) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。


AIR/エア(Amazon prime/日本語吹替版)


2023年作品/アメリカ/112分

監督 ベン・アフレック

出演 マット・デイモン、ベン・アフレック


2023年5月27日(土)の夜、自宅で観賞しました。


1984年、人気がなく業績不振のナイキのバスケットボール・シューズ。ソニーは、CEOのフィルからバスケットボール部門の立て直しを命じられる。競合ブランドたちが圧倒的シェアを占める中で苦戦するソニーが目をつけたのは、後に世界的スターとなる選手マイケル・ジョーダン――当時はまだド新人でNBAの試合に出たこともなく、しかも他社ブランドのファンだった。そんな不利な状況にもかかわらず、ソニーは驚くべき情熱と独創性である秘策を持ちかける。負け犬だった男たちが、すべてを賭けて仕掛ける一発逆転の取引とは!?(以上、公式サイトからの抜粋)、という物語です。


こちら映画館で観ようかどうか迷っているうちにAmazonプライムで配信が始まったことを知りました。会社の同僚のバリーも高評価だったので気になっていたのです。ちなみに私が観たのは〝日本語吹替版〟なのです。英語オリジナル音声版を探したのですが、何故か見つからず。私の探し方が悪かったのかな。でも、これはいい作品でした。観ておいて良かったと思います。



《感想です》


  • 弱小部隊が巨大企業に対し、熱意と知恵と勇気を持って挑む様が面白い
  • ドラマで最も感度的なのはマイケル・ジョーダンの母親デロリスの存在
  • 日本の小説家、池井戸潤さんのビジネス小説「陸王」風でもあるのです


私は学生時代はソフトテニスに熱を上げていたのですが、中学の頃(1970年代後半)はシューズはアシックスを履いてました。高校でもやはりアシックスを使ってました。アシックスは国産だし安価だったのかもしれないですね。一方、通学にはアディダスの青のバックスキンや、コンバースの青のローカット、それにエンジのハイカットを履いてました。よく覚えてるな。


シューズ以外では、中高生時代は私はアディダスが中心でした。ジャージ、トレーナー、スポーツバッグなど三本線が流行りましたよね。今考えるとこんなブランド品は年齢に不相応だった気がします。母親がよく買ってくれたものだと思います。そして1980年代の大学生の頃になると、アディダスの真っ白なスタンスミスが大変な人気で、みんが普段から履いてましたよね。


大学生の頃は確かナイキも使っていたように思うのですが、なせが印象薄いです。昔はナイキと読めずに〝ニケ〟と言ったような、笑。いや、この映画はテニスは関係なく、ウォーキングシューズで売れ出したナイキが、バスケットシューズ〝エア・ジョーダン〟で一世風靡するまでのドラマを描くものなのです。日本だとやはりナイキというとバスケットシューズですよね。


ドラマは、ナイキ社のなかで不採算部門だったバスケットボールシューズ事業の責任者たちが、まだ新人ではありましたが将来有望なマイケル・ジョーダンとの契約をめぐり、ライバル企業であるアディダス社やコンバース社と争う様子を描きます。予算の組めない弱小部隊が巨大企業に対し、熱意と知恵と勇気を持って挑む様が面白く、そして感動的に展開されていきます。


この中で面白いのは、マイケル・ジョーダンの母親のデロリスの存在ですね。アディダスやコンバースとの契約を望んだマイケルを、ナイキ社との契約に結びつける重要な役割を担った人物として登場します。今では当たり前の、売上に応じて対価を得るレベニュー・シェアという考え方を契約に持ち込んだのも彼女が初だったことが描かれています。なかなかの強者ですね。


それと同時に息子ジョーダンの能力、可能性を心から信じていた愛情の深さを感じさせます。バスケットボールシューズの責任者のソニーを始めとし、商品開発部長、マーケティング部長らが社長CEOを巻き込みながら、この母親をキーパーソンと定め一発逆転を図ろうとするプロセスは、〝陸王〟などで有名な日本の作家、池井戸潤さんの経済小説風でもあるのですよね。


80年代の文化・スポーツ・社会の実際の映像は懐かしく、音楽も当時のヒット曲がガンガン流れ、色々と面白く見せてくれます。ただ、ソニーを中心としたビジネスチーム、デロリスを中心としたジョーダン家、そしてライバル企業たち、これらのドラマにおけるバランスや丁々発止がちょっと物足りないようなところも。群像劇なのでこんな感じでいいのかもしれないのですが。


本作は面白いです。どなたが観ても満足できるのではないかと思います。ラストの本人たちの登場などサービス映像もあり、手堅いエンタメ作品です。さて、ナイキというとやはり1990年代後半に発覚した〝児童労働問題〟を忘れてはならないのですが、これはまた別の話なのでいっさい出てこないです、当然ながら。




トシのオススメ度: 3

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4 オススメです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つです
1 私はお薦めしません


AIR/エア、の詳細はこちら: 公式サイト


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