ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(Netflix) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(Netflix)


2022年作品/アメリカ/116分

監督 ギレルモ・デル・トロ/マーク・グスタフソン

声の出演 ユアン・マグレガー


2022年12月29日(木)の午後、自宅で観賞しました。


アカデミー賞®受賞監督ギレルモ・デル・トロと、数々の賞を受賞したストップモーションアニメの巨匠マーク・グスタフソンが、カルロ・コッローディ著の名作童話を蘇らせます。木でできた不思議な人形の男の子ピノッキオが世界をつなぐ魔法の冒険を繰り広げ、苦難を乗り越えていく、命をも与えられる愛の力を描く(以上、公式サイトからの抜粋)、という物語です


2022年の見納めになるかと思います。12月は映画館に足を運ぶ時間がなく、ほぼレンタルか配信で映画観賞。今年の初めから夏にかけて見逃してしまったものを中心に観賞してました。こちらはNetflixの配信ですが11月に映画館でも公開されていたようです。これCGじゃなくてストップモーションアニメなんです!凄い!



《感想です》


  • ストップモーションアニメ独特の味ある動きを堪能できました
  • ギレルモ・デル・トロ的な、怖くて不気味なデザインのキャラ
  • 無理にいい子にするのではなく、ありのままを受け入れるのが今風


本作でストップモーションアニメを監督されたマーク・グスタフソンさんは、ウェス・アンダーソン監督の「ファンタスティックMr. Fox」を担当された方なのですね。人形を一コマごとに少しずつ動かして撮影していく、気の遠くなるようか作業。まずは、これがCGアニメで出せない独特の味わいがあっていいんですね。


ギルレモ・デル・トロ的な、怖くて不気味なデザインのキャラクターたちがその技術で命を吹き込まれて生きているかのように動きだします。ディズニーの「ピノキオ」のような可愛らしいピノキオじゃないし、ジミニー・クリケットもゴキブリみたいでグロテスク。ブルーフェアリーも〝木の精霊〟で魔神のようです。


見た目だけじゃなくお話も難しいんですね。舞台は第一次世界大戦後のイタリアになっています。ピノッキオは亡くなった子供の代わりとしてゼペットに作られます。学校に行かずにサーカスに連れて行かれるところは同じですか、その後、ファシズムの嵐が吹き荒れるなかで少年兵の訓練所に連れて行かれるという展開


そのなかで、未熟なピノッキオがどう成長していくかが見どころですが、ゼペットの〝いい子になって欲しい〟という願いが、最後に〝お前は、お前でいてくれ〟という思いに変わるのですよね。無理に変えようとしたことを悔いるというところ、ここが異形のものを愛するギレルモ・デル・トロのやりたかったことなのかと。


あと、ピノッキオは木の人形のまま命を与えられ、ゼペットやクリケットが亡くなったあとも生き続けるんですね。スピルバーグの「A.I.」も同じような展開でしたが、そこに〝生と死〟について考えさせられるものがありました。でも永遠に生きるいうものは無いというような語りが入って、ラストは物悲しい感じなんです。


ピノキオはディズニーが有名ですが、色んなバリエーションが作られているんですね。私は他は未見です。本作については声の出演も豪華キャスティングで、大人向けの見応えのある〝ピノッキオ〟でした。





トシのオススメ度: 4

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3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


ギレルモ・デル・トロのピノッキオ、の詳細はこちら: 公式サイト


この項、終わり、