TITANE チタン(iTunes Store) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。


TITANE チタン(iTunes Store)


2021年作品/フランス・ベルギー/108分

監督 ジュリア・デュクルノー

出演 アガト・ルセル、バンサン・ランドン


2022年12月28日(水)の午後、自宅で観賞しました。


幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。彼女はそれ以来<>に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた(以上、公式サイトからの抜粋)、という物語です。


2021年の第74回のカンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールに輝いた作品だそうで、4月公開だったのを見逃していました。本作が「RAW/少女のめざめ(18)」に続く長編映画二作目というジュリア・デュクノー監督の作品ですが、私は「RAW」は未見です。こちら、〝痛い〟のが苦手な方はキツイかもしれません。



《感想です》


  • お話だけでなく、映像や音楽もとても刺激的な作品でした
  • 過激さグロさに翻弄されますが、基本的には父親と娘のお話
  • 性行為なしで生まれてくる子供は何なのか、神話の始まりか


父親が運転する車の後部座席に座る少女。彼女は、音楽を聴いている父親を苛立たせるためなのか、バイクのエンジン音のような唸り声を立て邪魔します。父親の言うことを聞かず少女がシートベルトを外した直後、ハンドル操作を誤った自動車はスリップ。この結果、少女は頭蓋骨に大怪我をし金属を埋め込まれることに。


その際、彼女が車に対して異常な愛情を有したことが示されるのてすが、場面が一転すると少女=アレクシアは成長し、モーターショーか何かのエキジビジョンで車のボンネットで男を挑発するような卑猥なダンスを踊る女性へと成長しています。そして多くの男性からサインを求められるなか、彼女に執拗に迫る男がひとり。


ここから先、どういうふうにお話が進んでいくのかはご覧になってぜひ驚いていただきたいのですが、見た目の過激さ、グロさに翻弄されて分かりにくいのですが、これは基本的には父親と娘のお話ですね。アレクシアは産婦人科医の父とその父に従順な母のもとで育ったようですが、愛情というものを知らずにいたようです。


その彼女が、見るのも悍ましいバイオレントな残虐行為とその後の逃避行の末に、あるがまま全てを受け入れてくれる消防士のヴァンサンと出会い、無償の愛を知る。ややこしいのは、彼女が男性との性行為がないにも関わらず、訳のわからない何か変なものを身ごもってしまうというお話が入ってくるところでしょうか。


これが生理的に嫌なんです。「ザ・フライ2/二世誕生(89)」みたいで。車の子供を宿したように見えますが、性行為なしで生まれてくる子供となると、マリアから生まれたキリストと被らせようとしているのか、「スター・ウォーズ」のアナキン・スカイウォーカーのような神話の始まりか。私の理解は追いつきません。


いや、そこは理解する必要はないのかもしれませんね。1時間50分、お話だけでなく、映像・音楽もとても刺激的な作品でした。もし嗜好が合いそうならご覧になってはどうかと思います。




トシのオススメ度: 3

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4 お薦めです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


TITANEチタン、の詳細はこちら: 公式サイト


この項、終わり。