ブラックホーク・ダウン(amazon prime) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ブラックホーク・ダウン(amazon prime)

2022年8月7日(日)の夜、自宅で観賞しました。

2001年作品/アメリカ/145分
監督 リドリー・スコット
出演 ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー

1993年にソマリアの市街地で発生した米軍主導による軍事作戦の顛末を生々しい戦場描写とともに描き出す。1993年10月、内戦が続くソマリアの首都モガディシュに、米軍特殊部隊の兵士約100人が降り立った。彼らの任務は和平に反対する独裁者アイディード将軍の副官2名を捕らえることで、作戦は1時間足らずで終了するはずだった。ところが、作戦中に米軍の最新鋭ヘリ「ブラックホーク」が被弾し、市街地に墜落してしまう。部隊は敵地の真っただ中に取り残された仲間を救出しに向かうが(以上、映画.comからの引用)、という物語です。

引き続き自宅で映画観賞。amazon primeからリドリー・スコット監督の「ブラックホーク・ダウン」という戦争映画を選択。リドリー・スコットの監督作品はほぼスクリーンで観てきたのですが、これは未見の一本で気になっていたのでした。ソマリアの内戦に首を突っ込んだ米軍のヘリ〝ブラックホーク〟が、戦闘中に首都モガディシュに墜落したことに始まる戦争アクション。


《感想です》

  • 物語性なしのドキュメンタリータッチで戦場に放り込まれたかのようなゲーム感覚が続く
  • 米国の国旗を要所でさりげなく画面に折り込むあたりに嫌でも戦意高揚映画を感じてしまう
  • 作戦失敗でソマリア人1000名、アメリカ兵19名が死亡したという数字が語る意味とは

1993年10月、長らく内戦状態にある東アフリカのソマリアの首都モガディシュでおきたアメリカの極秘軍事作戦を描いたドラマ。事実に基づいた作品ということで、現実を踏まえて時間軸にそった2日間にわたる戦闘がドキュメンタリータッチで展開されていく模様が迫真。戦場の真っ只中に放り込まれたような気分にさせられます。ものすごいカット数と編集でどうやって撮影したかという感覚になります。

冒頭で、ソマリアでは民族紛争の果てに1992年に30万人が餓死したという惨状が点描され、原因となるアイディード将軍の高官拘束のためアメリカが特殊部隊を編成し投入したという断り書きのような描写があります。しかし、この時の作戦が失敗に終わった上に、ソマリアの多数の民間人を巻き添えにしたことが国連また米国内で非難され、国連軍はソマリアへの軍事介入を中止することになるのですね。

そういうネガティブな要素の多いこの作戦。空からの状況把握に基づき指示を出し、近代兵器では圧倒的に優位に立っているはずのアメリカが、ブラックホークを二機も撃ち落とされ、地上戦では後手後手に回って追い詰められていくところはベトナム戦争と全く同じ構図に見えました。何れにしても将来ある若い兵士たちが、他国の内戦のために投入され、次々と命を失っていく様を見るのは辛いです。

一方、アメリカ側が19人もの兵士が作戦中に亡くなっている痛ましさは理解しても、やはり彼らのことをヒーローのように描いていることは否めなかったです。加えて盛り上がる場面では必ず、さりげなく星条旗が映り、戦意高揚を感じさせてしまうのです。なのにソマリア側の1000人の命は十把一絡げのような扱い。ソマリアがいい悪いではなく描き方としてこれで良かったのかどうかとは思いました。

ちなみに20年前の映画ですがキャストが振り返ると豪華で、ユアン・マクレガー、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、トム・ハーディなんかが出てるのです。でもほぼ戦闘シーンなのでヘルメット被って顔は真っ黒で、ご尊顔をしっかり拝見するのはなかなかに困難ではあります。それから米軍の指揮官を演じたのがサム・シェパードで、この人はいつもガムを噛んでるんですね、、。

言ってみれば、ひとりの兵士の命を救うために1019人が犠牲になるというドラマなのですが、最後まで観てすごく虚しい感じが付き纏います。



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