天外者(iTunes Store) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

天外者(iTunes Store)


2020年作品/日本/109分

監督 田中光敏

出演 三浦春馬、三浦翔平、西川貴教


2021年10月1日(金)の夜、自宅にて鑑賞しました。


江戸末期、ペリー来航に衝撃を受ける日本。新たな時代の到来を察知した青年武士・五代才助(後の友厚)は、攘夷か開国かの内輪揉めには目もくれず、世界に目を向けていた。そんな中、遊女はるとの出会いから「自由な夢を見たい」との思いに駆られた彼は、誰もが夢見ることのできる国をつくるため、坂本龍馬、岩崎弥太郎、伊藤博文らと志を共にする(以上、映画.comからの岩屋)、という物語です。


大河ドラマ「青天を衝け」でも登場する五代友厚の人生を追った作品。15年ほど前に仕事で大阪の北浜にある証券取引所へ行ったときに、入り口の銅像が目に留まりました。〝誰なの?〟と思いましたら、〝五代友厚〟の名前が。〝大阪に証券取引所を作った人なのかな〟程度に思い込んでおりましたが、その活躍ぶりはこの映画を見れば理由が分かります。ご興味があれば。




《感想です》


これは〝幕末青春グラフィティー〟的な作品でした。ご存じない方のほうが多いかもしれませんが、昔、武田鉄矢さんが坂本竜馬を演じた「幕末青春グラフィティ、Ronin 坂本竜馬(86)」なる映画がありまして、なんといいますか、歴史ものとしてはハチャメチャだけれども熱量の凄さに圧倒されるような作品だったですね。それと同じ臭いを感じながら観ておりました。


たぶん五代友厚の人生を追いかけた伝記物としては全く時間が足りてなくて、話を端折りすぎなんだろうと思います。若い頃から海外に目を向け、長崎にて航海術を学ぶ。薩摩藩から英国へ派遣され、倒幕運動に参加した後、明治政府役人として主に大阪で活躍。そして実業家に転身し、大阪の経済を立て直し、証券取引所や商工会議所を設立、という目まぐるしい活躍ぶり。


なので、どこもかしこも本来は見どころばかりなのですが、それが返って全てが中途半端になってしまった感じで、力の入れどころ、見どころが分かりにくかったです。一つ一つ説明していくと、これも理屈っぽくなってしまうこともあり、強引に引っ張っていくのですが、それでも、どこかに山場を持ってくるなどもう少し思いっきった工夫が欲しかったように感じました。


登場人物は思い切って整理されていて、坂本竜馬と岩崎弥太郎の二人をメインに持ってきて、五代友厚と三人の青春ドラマ仕立てに。これはフィクションなのでしょうけれども、全体を通してこういう軸を入れておかないとドラマが繋がらないのかと思いました。でも、役人の道を捨てて経済人としてのし上がっていく五代友厚の姿、心情をもう少ししっかり見たかったです。


五代友厚を演じたのが故人の三浦春馬さんで、これは良かったですね。端正な顔立ちでスタイルがよくて、若い頃の知的で爽やかで溌剌とした、まさに好青年という感じと、歳を取って落ち着きのなかにも情熱を見せ、エネルギーをほとばしらせて活動するところ、うまく演じ分けておられました。とにかく本作は三浦春馬さんを見るための映画としても記憶されるのでしょう。


「青天を衝け」を見て、五代友厚が気になりましたらこちらをご覧いただきたいと思います。




▼画像はお借りしました。今は大阪取引所なんですね



トシのオススメ度:3

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2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


天外者、の詳細はこちら: 映画.com


この項、終わり。