エクソシスト ディレクターズ・カット(BD) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

エクソシスト 

ディレクターズ・カット版(BD)


製作2000年/アメリカ/131分

監督 ウィリアム・フリードキン

出演 エレン・バースティン、リンダ・ブレアー


2021年8月21日(土)の午後、自宅で鑑賞しました。


女優クリスの12歳の娘リーガンはある時から何かに憑かれたかのようにふるまうようになる。彼女の異変は顕著になるが、病院の科学的な検査でも原因は判明しない。やがて醜い顔に変貌したリーガンは緑色の汚物を吐き、神を冒涜するような卑猥な言葉を発するようになる。悪魔が彼女に乗り移ったのだ。その後、リーガンの前にふたりの神父メリンとカラスが訪れ、悪魔祓いを始める(以上、映画.comからの引用)、という物語です。


怖い映画は大の苦手なのですが、何故か購入してしまったDVD/BDが未開封のまま何枚か手元にありまして、こちらもその一本です。「エクソシスト」は私が小学生の低学年の時に公開された映画で、子供でもその存在を知っていて、親の前で〝観たい!〟と駄々を言ったことを覚えています。初見は中学か高校の頃のテレビ放映で、今回はそれ以来の鑑賞になるのかなー、と思います。かつ、これはディレクターズ・カット版ですね。





《感想です》


日本初公開は1974年7月なので、これは夏休み映画ですね。もうモノクロのポスターからして怖そうじゃないですか。このポスターとか、電柱の木枠の立て看板(すっかり見なくなりましたねー)が街の至るところにありまして、子供心に見たくて仕方がなかったんですよ。怖いもの見たさ、完全にお化け屋敷感覚ですよ。一人では許されないと、従兄弟の名前をあげて一緒に行くからとか訳の分からない理屈もこねてましたね、笑。


さて、本作を再見しての感想です。公開当時は、悪魔に取り憑かれた少女に起きる信じられないような出来事に劇場が騒然となったのでしょうが、そこはもう今観るとこんなものだったのかなー?という印象でした。やっぱり大仕掛けの〝見せ物〟としての映画になっているように思うんですよね。少女リーガンの身体が異常に跳ねたり、首が一回転したり、口から凄い勢いで嘔吐したり、最後には宙に浮いたりと、未体験ゾーンです。


でも、やっぱりこの映画はよく出来ているというか、凄いドラマだと感じました。まずこの世には科学では明らかに出来ない不思議が存在するのだということに説得力を持たせていること。そのためにリーガンへの当時最先端の医学検査を徹底的に描いています✳︎。まるでドキュメント映画を観ている感じなんですよ。ここがしっかりしているから、初公開時に本作を観た人たちの後半のショックが余計大きかったのではないかと。


✳︎検査シーンでリーガンの身体にチューブを入れる場面など、何故かこちらのほうが医学という名のもとに余程酷いことをしているように思えたりもします。


それから悪魔がやることなすことについて、ドラマの登場人物たちが精神的に受けるダメージの恐ろしさをしっかり描いていること。特に、年老いた母親へ図らずも自分が取ってしまった行為を後悔しているカラスの心の隙に付け入ってくるところですよね。数々の怪奇現象よりも、むしろ、そういうところの方が圧倒的に怖いです。この映画を観ていると、神も悪魔も自分のなかに存在していることが分かるような気がします。


だからクライマックスは感動的ですらあります。一度は聖職から離れることを考えたカラスが、メリン神父と出会いリーガンの部屋で一緒に悪魔と闘ううちに、もう一度神の力を信じ、自分の身を挺してリーガンを救おうとするところ。この幕切れは壮絶でありました。神への冒涜をこれだけ具体的に描くって、それだけでバチ当たりで、当時は物議を醸したであろうことが想像できます。でもこのラストがあるから救われました。


途中、一瞬挿入される悪魔の顔、初めて観た時はゾッとしましたが、これはサブリミナル効果を取り入れた映画の走りでしょうか。変死体の事件を追いかけている映画好きの刑事(リー・J・コップ)が何ともいい味を出しており、よもやこの人が映画の締めをさらっていくとは!






トシのオススメ度:4

5 必見です!!
4 お薦めです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


エクソシスト、の詳細はこちら: 映画.com


この項、終わり。