屍人荘の殺人
2019年作品/日本/120分
監督 木村ひさし
出演 神木隆之介、浜辺美波、中村倫也
12月29日(日)、TOHOシネマズ府中のスクリーン4で、15時50分の回を鑑賞しました。
まだ、しぶとく映画を鑑賞しております。こちらも、いつも拝見しているブロガーさんのご紹介を見て、何とか鑑賞したいと考えていた作品です。ミステリーなので、既にご覧になったブロガーさんのレビューはシャットアウトしてました。これが、とんでもない代物(褒めてます)でして、びっくり仰天の作品でした。
こんなミステリーは見たことがないし、読んだこともない!
この映画に少しでも興味がある方でしたら、何も知らないで映画館に行ったほうがいいのは間違いないです。ただし、その結果が〝吉とでるか、凶とでるか〟は保証できない内容。しかし、絶対に驚かれることは間違い無いかと思いますですよ。ちなみに私が観た回は、けっこう沸いてました、というか笑ってました。
私もミステリーは好きで、気になる映画はできるだけ観ますし、小説も手にとってみるようにしています。しかし、たぶん本作のような〝仕掛け〟はミステリー史上初ではないかと思います。だからこそ〝このミステリーがすごい!〟を始めとするミステリー小説のランキングで、四冠という偉業を達成しえたのでしょう。
私は原作未読でしたので、映画鑑賞後に書店へ走り購入しました。帰宅後、さっそく読みはじめたわけですが(日曜日から休みなので幸い時間はたっぷりありまして)、三分の一を読んだところですが、映画は基本的に原作小説に忠実ではないかと感じています。もちらん最後まで読まないと確かなことは言えませんが。
▼迷探偵ホームズとワトソンのずっこけコンビです
エンタテインメントとしては悪くないのでは
映画は冬休みに観るエンタテインメントとして悪くないと思いました。もちろん、これならテレビで十分というご意見もあるかと思います。なので、もしも映画館へ行くならという前提ですよ。いま映画館へ行っても、「スカイウォーカーの夜明け」がスクリーンを占拠しており、他の作品を選べない状態ではあるのですが。
書いても差し障りがない範囲で言えば、私立探偵の剣崎比留子を演じる浜辺美波さんのコメディエンヌぶりが最高です。探偵助手の葉村護を演じる神木隆之介さんとのやりとりが笑えまして、大勢の観客の反応も良かったです。この映画の成功は、一重にこのふたりのキャスティングにあるものと感じている次第です。
そして、ミステリーですからもちろん謎解きの部分が最も大切なわけです。そこも、なるほどと思えるトリックでしたよ。そのトリックが、とある大きな〝仕掛け〟ときちんと融合しているという点が面白いのですよね。なお、トリック解説の場面の映像処理は、映画の形としては定番の描き方で新鮮味はあまりないのが残念。
▼浜辺美波さん、今年も大活躍でしたよねー
脚本の蒔田光治さんは「トリック劇場版」を担当してこられた方なのですね。会社の私の同僚て映画仲間のバリー(日本人です)が言っていたように、確かにそういうテイストが「屍人荘の殺人」にもありましたね。仲間由紀恵さんと阿部寛さんのコンビのオフビートなやり取りが、ここでも再現されていた感じです。
さて、原作小説はまだ途中までしか読んでないのですが、先ほどから触れている〝仕掛け〟に関していうと、映画のなかでは描かれていない情報があるのですよね。たぶん多くの観客のかたが、そこを気にされているのではないかと想像するのですが、実は原作小説では、その〝仕掛け〟の背景が入ってきています。
ただ映画でそこを描いていくと話が二本に分かれてしまい、尺も長くなり、スピード感も損なうので端折っているのかと思います。ただこの原作小説には「魔眼の匣の殺人」という続編があるので、もしも本作がヒットしたならば、こちらも映画化が期待でき、そこで明らかにされる可能性もあるのではないかと感じています。
▼誤解されがちですが、本格的な謎解き物なのです
なお、本作には明智恭介役で中村倫也さんが登場しています。この方の扱いについても、いい意味で驚きましたね。カート・ラッセル主演の「エグゼクティブ・デシジョン(96)」におけるスティーブン・セガール的と言えば分かる方には分かっていただけるかと思うのですが。だから、これもあっていいと思います。
とにかく浜辺美波さんを観られただけで点数もかなり上がっている、かも?
トシのオススメ度: 3
5 必見です!!
4 お薦めです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません
この項、終わり。