恐怖の岬(prime video) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

恐怖の岬(prime video)

1962年作品/アメリカ/106分
監督 J・リー・トンプソン
出演 グレゴリー・ペック、ロバート・ミッチャム

2月22日(金)の午後、東京から新大阪への新幹線のなかで鑑賞しました。

ジョン・D・マクドナルドの原作を「法に叛く男」のジェームズ・R・ウェッブが脚色、「ナバロンの要塞」のJ・リー・トンプソンが演出したサスペンス映画。撮影は「栄光への脱出」のサム・リーヴィット、音楽はバーナード・ハーマンが担当。出演者は「ナバロンの要塞」のグレゴリー・ペック、「サンダウナーズ」のロバート・ミッチャムのほか、ポリー・バーゲン、ロリ・マーティン、マーティン・バルサムなど。サイ・バートレット製作(以上、映画.comより)、という作品です。

マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の「ケープ・フィアー(91)」というサスペンス映画があってご存知の方も多いかと思いますが、これがあまり面白かった印象がないのですよ。それで、そのオリジナル版である本作を以前から観てみたいと思っていたのです。

《粗筋です》

優秀で誠実そうな弁護士サム・ボーデンの運転する自動車に、白いスーツに白いパナマ帽を被ったがたいがいい男が近づいてきます。彼の名はマックス。8年前に性犯罪で入れられた刑務所から出所してきたのですが、その際の裁判で彼に不利な発言をしたサムに復讐しようとしているのです。


サムには妻ペギーと娘ナンシーがいて幸せに暮らしています。マックスはサムを苦しめるために、彼の妻と娘に執拗につきまとい陰湿な嫌がらせを行います。彼は刑期中、どうすれば罪に問われないで復讐を果たせるかを毎日考えていたのです。身の危険を感じたサムは友人の刑事に相談することに。


しかし、決定的な証拠がなく、まだ何も犯罪が起きていないなかで警察にできることには限界が。そんな中、マックスによる婦女暴行事件が起きるのですが、巻き込まれた女性は世間体から証言を拒否。そして、ペギーとナンシーにいよいよマックスの魔の手が忍び寄り、危険がすぐそこに。


サムは遂にマックスと金銭的な交渉をするのですが、これを断られてしまいます。報復を恐れたサムは、家族ととも岬の奥深くのボートハウスに姿を隠すことに。しかし、頭の切れるマックスは、サム一家の居場所をつきとめ、サムの裏をかいて遂にペギーとナンシーの前に姿を現わすのでした。


ここから先は、ぜひ映画をご覧ください。


《感想です》

リメイクの「ケープ・フィアー」は、なんだかマックス役のロバート・デ・ニーロの大げさな演技が今ひとつで、あまり怖くもなかったように記憶しています。ジュリエット・ルイス演じる娘がマックスにかどわかされるあたりも理解できなくて、あまりにも無防備すぎるように感じました。

でも、こちらのオリジナル盤は面白かったし、ほんと怖かったです。サイコ・スリラーとして、見応えがありました。ストーカーという言葉は当時は無かったと思いますが、事件が起きてないない中では警察は動きたくても動けないというあたりは、今にも十分に通じるテーマを感じました。

性犯罪者を演じたロバート・ミッチャムは、全身にタトゥーを入れて筋肉隆々のデ・ニーロよりもインパクトがあったかもしれません。この映画、弁護士役のグレゴリー・ペック(名作「アラバマ物語」も同じ年の作品)とロバート・ミッチャムというのが抜群のキャスティングですね。

クライマックス、マックスがボートハウスのなかでサムの妻の前に立ち塞がり、生卵を彼女の胸に塗りたくって迫るシーンがあるのですが、当時の規制からか直接的な性犯罪の場面は出てこないのですが、監督のJ・リー・トンプソンはここを〝行われた〟ものとして演出しているように感じました。

J・リー・トンプソンは前年には戦争映画の傑作「ナバロンの要塞(61)」を同じくグレゴリー・ペックと撮っていますし、その後もラストのスペクタクルシーンが有名な「マッケンナの黄金(69)」でまたまたグレゴリー・ペックと組んでます。当時はとにかく面白い映画を撮るハズレの無い監督として評判だったのではないでしょうか。




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