私の芸術週間の幕開けには、生まれ故郷のザルツブルクから、愛しの
モーツアルトがやって来ました。もちろん、残念なことにザルツブルクは、
私の生まれ故郷ではありません。
演奏会の詳細は以下の通りです。
1.日時 2012.10.28 14:00-16:10
2.場所 兵庫県立芸術文化センター 大ホール
3.プログラム モーツアルト 歌劇「フィガロの結婚」K492より序曲
モーツアルト ピアノ協奏曲第21番K467
(アンコール) ショパン 練習曲集op25-1
(休憩)
モーツアルト オーボエ協奏曲K314
モーツアルト 交響曲第40番K550
(アンコール) モーツアルト 交響曲第38番「プラハ」K504よりフィナーレ(第3楽章)
4.演奏 シェレンベルガー指揮 カメラータ・ザルツブルク
Pf.小菅優
Ob.シェレンベルガー
5.感想
*オールモーツアルトプログラムで、たっぷりと秋のザルツブルクに浸ること
ができました。至福の二時間です。
*演奏そのものには、若干散漫な部分がありました。その理由は、多分、
私が座った席と、オーケストラの配置によるものだと思います。
*オーケストラの配置は独特でした。向かって左から、まず第1ヴァイオリン、
それからチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの順です。大抵は横に並んで
いるヴァイオリンが向かい合うのは、面白い配置だと思いました。また、
コントラバスは後列の真ん中に陣取っていました。そして、ティンパニーは
向かって一番右端です。私は、そのティンパニーの正面最前列でした。
*多分私は、音響的には最悪の空間に陣取っていたのだと思います。その
ため、時折和音がずれて聴こえてしまいました。モーツアルトを聴くのなら、
座席には気を配るべきだと反省しました。
*ティンパニーは現代のものではなく、マレットも簡素なものでした。恐らく皮
を張っているためか、奏者が頻繁に音程調節をしていました。曲の途中で
も皮を締めているので、正面にいた私には、少し気になってしまいました。
*ピアノ協奏曲は、余裕たっぷりの演奏でした。アンコールのショパンもそう
だったのですが、小菅さんの演奏は、曲をどのようにも自由に操ることが
できるかのようでした。
*後半の二曲はティンパニーの出番がありません。さすがにシェレンベルガー
のオーボエは、元ベルリン・フィルのソロ・オーボエ奏者だけに、懐かしい
響きを惜しげもなく振舞ってくれました。ただ、私の錯覚かもしれませんが、
少し息が苦しそうに見えた場面がありました。音には全く影響はありません
でしたが。
*幸せなモーツアルトのおすそ分けです。(モーツアルト交響曲第40番K550
アーノンクール指揮、ヨーロッパ室内管弦楽団)
http://www.youtube.com/watch?v=2HbMzu1aQW8
*蛇足ですが、コンサートミストレスは、モナリザを想わせる風貌で、とても
チャーミングな方でした。彼女は、曲の要所要所で指揮者とアイコンタクト
を交わし、常に微笑みを浮かべていました。それは謎の微笑みではなく、
愛嬌のある人間らしさと、溢れんばかりの音楽への愛が込められている、
わかりやすい表情でした。