1.日時      2012.6.30 9:00-18:25

2.場所      京都大学人文科学研究所本館1F 共通1講義室

3.主催      京都大学人文科学研究所

4.プログラム

 第ⅠSession「『感情の病』再考:日本のうつ病論争」北中淳子(慶應大学文学部准教授)

 第ⅡSession「ひきこもり-日仏のパースペクティブ」

    「日本における『ひきこもり』」堀口佐知子(テンプル大学日本校准教授)

     「フランスにおけるひきこもりの精神病理」古橋忠晃(名古屋大学学生相談総合C助教)

    「ひきこもりから学ぶ」ニコラ・タジャン京都大学人文科学研究所 研究生

 第ⅢSession「異種混在説-PTSDへの新しい視座」アラン・ヤング(マッギル大学教授)

 第ⅣSession「自閉症-症状なき社会の症状」マリー=ジャン・ソレ(トゥールーズ第2大学教授) 

5.聴講メモ③ 第ⅡSession


*「日本における『ひきこもり』」堀口佐知子(テンプル大学日本校准教授)

 ・1998年斉藤環「社会的ひきこもり」から所謂「ひきこもり業界」、ニートまで。

 ・日本型家族から生まれやすい。

 ・社会復帰の困難性を指摘する人がいる。

 ・厚労省の定義「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、

  6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」

 ・厚労省の施策 http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2010/02/02.html

 ・親の団体と当事者の団体は同じ思いでない。

 ・他者とつながりたい想いがある。

 ・働かなければならないことはわかっているが、働けない。

 ・ひきこもりの高齢化、国際化。


* 「フランスにおけるひきこもりの精神病理」古橋忠晃(名古屋大学学生相談総合C助教)

 ・日本以外でも、韓国、台湾、オマーン、イタリア、スペインで見られた。

 ・フランスでも2008年から出現したと言われている。

 ・フランスにおける定義:自宅で大半過ごし社会活動しない、3か月以上続く状況。

 ・フランスの定義が3か月となったのは、症例を集めるために広げたことによる。

 ・薬物、アルコール、インターネットへの依存が見られることがある。

 ・鬱、不安を持つ症例の紹介。


*「ひきこもりから学ぶ」ニコラ・タジャン京都大学人文科学研究所 研究生

 ・文化依存症候群の一面がある。[文化依存症候群のWikipedia]http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

 ・一部に統合失調者患者がいる。

 ・三つの言説(アカデミズム、社会運動体[両親]、本人たち)のどれを選ぶのかが大切。

 ・精神障害を患っているのか、既存の精神障害を患っているのか、一部的に患っているのか、

  一部は新規の精神障害を患っているのか、実存的ポジションをはっきりさせる。

 ・その上で、実存の組み換えが必要。