1.日時      2012.5.17-6.14(毎週木曜日) 18:30-20:00

2.場所      京都大学人文科学研究所本館セミナー室1

3.主催      人文研アカデミー

4.プログラム

  (1)東アジアにおける人の移動・概観(水野直樹京都大学人文研教授)

  (2)日本から朝鮮へ-在朝日本人社会の形成と消滅(李昇燁佛教大学歴史学部准教授)

  (3)朝鮮から日本へ-在日朝鮮人社会の形成と変容(松田利彦国際日本文化C准教授)

  (4)中国から朝鮮へ-朝鮮在住華僑の歴史(李正煕成美大学経営情報学部教授)

  (5)朝鮮から中国東北へ-帝国日本と中国朝鮮族の歴史(水野直樹京都大学人文研教授)  

5.聴講メモ②


東アジアにおける人の移動・概観(水野直樹京都大学人文研教授)


*正直に言って、初回の講義は退屈でした。ほとんど数字の説明ばかりで、

 面白くなかったからです。けれども、それは私の理解力のなさからくるもの

 でした。全体を聴講した後(第四回は欠席しましたが)では、数字の把握

 が、とても重要であることがわかります。


*セミナーの趣旨は、「東アジアにおける人の移動を日本・朝鮮の双方から

 考える」というものです。人の移動が、どのようなタイミングで、どのように

 起こるものなのか、また、国家によるコントロールや問題点などを考えます。


*国別、年別(1904-1934の五年ごと、1936、1968、1969年)の在留日系人数

 出典は外務省資料。ただし、満州、朝鮮は過少。他資料あり。

  ex.1934年の満州国は26万人だが、別資料(拓務省資料)では110万人と

     なっている。なお、満州からの引揚者は100万人(引揚援護庁資料)と

     なっている。当時の資料は、前提を確認しなければならない。


*戦前日本は、公式には外国人労働者を受け入れていなかったが、朝鮮人は

 1910-1945年は帝国臣民であった。1930年の内地(ほぼ現日本)朝鮮人は

 約50万人強(内閣統計局)


*朝鮮半島からの人の移動先:日本、ロシア、中国東北地方、ハワイなど


*移住の形態:契約労働、出稼ぎ労働、農業移民、植民(農、工、商などの経営)、

 勤務、家族呼び寄せ、勉学など


*移民のインパクト

  失業問題、民族的軋轢 ex.アメリカの日本人移民排斥

  移住者・移民のコミュニティ:朝鮮人集住地区の形成、「同化」の困難


*戦後の逆流(引揚・帰還)

  在日朝鮮人:7割ほどが帰国

  中国朝鮮人:帰国者は半分以下

  朝鮮華僑(華僑の在朝鮮):大半が帰国または他国へ移住