隠遁生活も終わりに近づくと、かつての活動期に戻った

ように、予定表を埋めることに生きがいを感じるようになる

ようです。一昨日の京都に続いて、昨日は大阪の天王寺

に行きました。用件は二つです。

 一つは、大阪市立美術館で行われている「草原の王朝

契丹」展を見に行くこと。もう一つは、駅近くの中華店での

同窓会に参加することです。


 三十数年に亘るサラリーマン生活の中で、東京にいた

六年間を除くと、私は三十年ほど大阪で働いていました。

それなのに天王寺周辺には土地勘がありません。私は

不安を抱えながら、地下鉄の駅を出たのです。

 幸いあちこちに付近の地図が掲示されており、美術館

も中華店もスムースに見つけることができました。不安

が解消すると、周りを観察する余裕ができます。

 少し遅めの昼下がり、天王寺は、まるで東京の上野が

寂れたような街でした。大都会に潤いを与えるオアシスと、

夜を待つ空間が同居しているのです。しかも、新しい高層

ビルも建設中で、街の懐の深さを感じさせてもくれました。


 契丹は、韓流時代劇を見ていて関心を持っていました。

詳しいことは別途記事に譲りますが、唐・宋時代の中国

や朝鮮に大きな影響を与えた契丹族の政治・文化には、

その広大な土地とともに尽きない興味を覚えます。


 さて、同窓会と言っても、学生時代の友人の集まりでは

ありません。サラリーマン時代に、異業種交流の勉強会

で知り合ったメンバーです。

 当時は、13人が毎週のように顔を合わせました。本音

で人生を振り返る場面もありました。初対面では硬かった

メンバーが、勉強会終了後の飲み会を楽しみに集まるよう

になるまで、そう時間はかからなかったのです。


 昨日は、その中の10人が集まったのです。前回は2月

でしたので、3か月振りの再会です。夫婦で参加した人が

2組あり、総勢12名が取り留めのない話に華を咲かせ、

あっという間の3時間でした。

 次回は7月、9月には九州での再会を約して、盛況裡に

同窓会は終わったのです。社会に出ると友人は作れない

と言われたことがありますが、決してそうではないと、私は

確信をもって主張することができるのです。