昨日の京都散策の記録です。


 龍谷ミュージアムでは、「仏教の来た道」--シルクロード

探検の旅という展覧会を観ました。これについては、別記事

で報告します。ここへ行くのに、私は四条烏丸駅から、とても

懐かしい道を通りました。

 学生時代、私は当時習っていたヴァイオリン教室の発表会

の練習に行くため、烏丸通りを烏丸五条まで歩いたのです。

小さなヴァイオリンを抱えた子供たちと一緒でした。

 そのときの、愉しかった気分が蘇ってきたのです。ピアノと

のアンサンブルは、ヴァイオリンを弾く者にとっては、すごく

憧れるものなのです。


 西本願寺の大伽藍に、つい、吸い寄せられそうになるのを

振り切って、龍谷ミュージアムを後にした私は、烏丸通りを

北上しました。そして、烏丸御池の交差点で立ち止まったの

です。信号待ちでした。

 すぐ近くには、昔、通い慣れた碁会所がありました。懐かし

さの余り、私はその前を通りました。もう看板もなく、どのよう

な使われ方をしているかもわかりません。私は、今にも古びた

玄関から、懐かしい碁敵が出てくる錯覚に襲われたのです。


 そのまま北上を続けると、御所の南側に着きます。そこから

私は、御所の中に入り、東北に向いて砂利道を歩きました。

よく通った空間です。烏丸通りのずっと北には、二年も通った

予備校がありました。

 御所ほどの広い砂利道と緑の空間を持つ京都人は、とても

幸運だと思います。それなのに平日であることもあって、散策

したり、ベンチで読書や居眠りをしている人は、まばらでした。

 本当にもったいない空間です。そのようなときに、一陣の風

と共に花粉の薫りが漂いました。花粉症に悩まされる現代人

は、自然から見放されつつあるかと思わずにはおれません。


 御所に来ると、私は、廬山寺の前を通らずにはおれません。

そこでとても残念なことに気づきました。廬山時は、紫式部が

源氏物語を執筆した名跡だけあって、源氏物語の屏風展を

していたのです。

 午後四時までなので、私が通った時には、もう門は閉じられ

ていました。縁がないとは、このようなことです。

[ご参考] 5月20日までの屏風展の案内です。

 http://www7a.biglobe.ne.jp/rozanji/pdf/201204haru_tokubetuten.pdf


 そのショックもあってか、そこから百万遍までに辿り着くのに、

私の感傷は、もう肉体的疲労の後ろに追いやられていました。

これも別途記事にしますが、人文研アカデミーの「20世紀前半

東アジアにおける人の移動」セミナーに、私はこのような悲惨

な状態で参加したのです。