芸術村の風景は空想の世界ですから、自由勝手な想像を
することができます。ですから、実際にはかなり難しいと思え
る図書館も、簡単に誘致できたこととして考えます。
ほとんどの箱物行政が失敗していますが、その原因は建設
そのものが目的化し、施設の機能や採算が充分検討されて
いないことにあるとされています。利用者のニーズに合うなら、
持続可能な箱物を運営することはできるはずです。
芸術や学問を愛する者にとって、膨大な芸術作品や資料を
調べることのできる図書館は、どうしても、近くにあってほしい
ものです。そのポイントは、必要な情報の迅速な検索と、閲覧
の心地良さだと思います。
年中無休で24時間営業ですが、閲覧室と仮眠室とは区別
されています。遠方からの来館者用として、宿泊施設、喫茶、
レストランも併設されているのです。
この図書館は、図書スペースよりも閲覧スペースが充実して
います。書籍の大半は、電子図書として収録されており、いつ
でも来館者が自由に検索できるようになっています。
芸術村の図書館らしく、美術書と楽譜などが充実しています。
また、コピーフリーのものが多く、実費で芸術関連資料を入手
することができるのです。著作者や出版社の厚意に支えられて
いるのです。
この図書館のもう一つの特徴は、パソコン付の閲覧席が多い
ことです。この席は有料ですが、24時間の利用が可能でネット
カフェより安い価格になっています。
一日中資料を読み込む人、論文などの作成に利用する人、
楽譜のコピーを持ち帰る人。利用の仕方は違っていても、この
図書館から、人の賑わいがなくなることはないのです。