議事録とは、もちろん、あの原発事故対応に関する議事録

のことです。マスコミが連日のように、日本に議事録がない

ことを報じていました。

 信じられないことです。重要な会議でなくとも、意思決定の

プロセスを記録することは、常識以前のことです。私のような、

なまくらな人間でさえ、サラリーマン時代には、多くの議事録

を書いた記憶があります。

 本当は、議事録があるけれど、あまりのお粗末さに公表が

できないという説もあります。けれどもそれでは、議事録への

冒涜は、もっと酷いものだと言わざるを得ません。


 先進国とは、もちろんアメリカのことです。アメリカの原子力

規制委員会は、事故当時、すぐにメルトダウンを予想し、避難

対応などの内部のやり取りを、詳細な議事録に記録していま

した。そして、一年も経たないうちに公表したのです。

 何ともスマートです。羨ましいお国柄です。これが、本当の

先進国というものでしょう。経済大国などと驕る前に、もっと

謙虚に我が身を振り返らなければならないと思うのです。


 径庭とは、「二つのものが大きくかけはなれていること。非常

な違い」(広辞苑)のことです。「径」とは狭い路のことで、「庭」

とは広場のことで、まるで違うものを並べた言葉のようです。

 言論統制や秘密主義は、昔から権力者の常套手段でした。

民主主義は、そのベールを剥したのです。それが、民主主義

の長所であり、それがゆえに、現在も一部の国では死にもの

狂いの闘いを続けているのです。

 日本の民主主義は、いつまで経っても、地に足が着かない

ものでしかないのです。二つの国の径庭は、千里の距離が

あるように思えて、私は哀しくなってしまうのです。


[ご参考] アメリカの議事録を報じるニュースの動画です。

http://news24.jp/nnn/movie/news89031173.html