先月は女体山を越えて、3年半の間苦楽を共にした方々と四国88か所霊場の結願を迎えました。
とは言え、遍路行を『一つの環』とするため、結願の感動もそこそこに1番札所へと向かいます。
四国霊場第88番札所、結願所大窪寺を打ち終えた遍路は、幾つかある道から一つの道を選びます。
私の好きな道は、讃岐の白鳥を目指す白鳥道。
東かがわ市長野にて切幡寺への遍路道と別れ、八丁坂を越えて行きます。
距離も短く、比高も80m程度ですが、なかなかシビれる峠です。
五名トンネルの開通に伴い、この道を越えて行く遍路も少なくなり、少々道は荒れ気味・・・
しかし、明治期に設置された道標石が数多く残り、江戸期の実用一辺倒の道標石に比べ、
洒落た感もあり、意外に楽しむ事ができます。
『右 へんろ道 白鳥へ三里 三番へ七里 境目へ』
手印の浮き彫りのタッチが江戸期のものに比べ、ずいぶん軽めです。
こちらの道標石は手印と『大くぼじ』の文字。
『白鳥みち 百十丁 大くぼじ■十丁』
すみません・・・ 大窪寺までの里程を控えておりましたが、どこに記したやら(涙)
位置的に、七十もしくは八十丁だとは思いますが、九十かも・・・
手印は軽めに筋彫りですが、石の形が良いですねぇ!
個人的には三角おにぎりが食べたくなるこの道標石が好きです。
白鳥温泉を過ぎて、入野山の浄土真宗西本願寺派 三宝寺では、樹齢約180年の香川県指定
天然記念物のボダイジュが淡黄色の可憐な花を着けていました。
例年、花の盛りは6月中旬頃でしょうか?
ボダイジュと言えば、この樹の下でお釈迦様が悟りを開いたと伝わっていますが、
実は、悟りを開いた際の樹は『インドボダイジュ』でして、この樹とは全くの別物。
仏教はその後、中国、日本へと伝わって来ますが、インドボダイジュは寒さに弱い樹・・・
代替品?としてシナノキ科のこの樹をボダイジュとした様です。
沙羅双樹もそうですね!
ほのかに漂う甘い香りに別れを惜しんで遍路の群れは白鳥 與田寺へ・・・