こんにちは!みなさま、お久しぶりです。

 

岡山県中部の山間に位置する瀬戸町にある、山近醤油醸造場に見学に行ってきたので、ご報告しますね。

いきなりですが、もろみの音を、まずはお聴きください!

元気のいいピチピチという音、聴こえましたか?

無添加で昔ながらの木桶で手造りしている「鐵次郎」という名のお醤油の素になるもろみが発酵しているところですよ!

 

明治12年創業の初代の名が鐵次郎さん。

その後、戦後の近代化の流れでお醤油屋さんも機械化が進んで、今は自分で一から造るお醤油屋さんはほとんどないとのこと。

醤油を仕入れて、独自の味付けなど手を加えた物を売るようになっているのだと話してくれたのは、わたしたちの見学を受け入れてくれた4代目の山近延行さんです。

 

山近醤油さんの主力商品は、全国に先駆けてつくられた牡蠣醤油や評判のよいだし醤油ですが、それらも仕入れたお醤油に手を加えたものだそうです。

 

が、山近醤油さんには30年前まで使っていた木桶が残っていたのです。


 

延行さんは、「醤油屋を継いだからには 自分で造りたい。」と、

秋田県で天然醸造をしていた石孫本店に、飛び込みで修行に行くところから始めて、一度は途絶えた「仕込み」を復活させ、そのお醤油に初代の名を冠して「鐵次郎」と名付けたのです。

 

その「鐵次郎」の造り方も伺いました。

 

茹でた大豆と煎った小麦を木箱(もろ蓋)に入れて種菌を振りかけて、麹蔵(室)で発酵させます。

この扉の奥が麹蔵で、

扉の右手に積み上げてあるのがもろ蓋です。

麹蔵の中は

 

こんなふうになっています。

この棚にもろ蓋を並べて、細かい温度管理などしながら、一桶3000リットル分の大量の麹を造ります。

そして、麹が出来上がったら、

 

この階段を登って、

上のもろみ蔵の、

木桶に張った塩水に投入する作業を全て手作業で行い、

3日に一度かき混ぜて、

2年かけて、「鐵次郎」のもろみができあがります。

 

これは、木桶で熟成中の、そのもろみです。

このもろみを、1階に下ろして

ここで、この布で濾します。

 

 

絞っているとやがて油が浮いてくるそうで、その油を掬い取って製品にする方法もあるけれど、うちは、油が出てきたら絞るのを止めるので量がとれないんです、と言われています。

「鐵次郎」の品質へのこだわりや希少さがよくわかりますね。

そうして、絞ったお醤油はこの穴の中に溜めて

 

ここで蒸気で少しずつ火入れしてから


瓶詰めされます。

 

こんなに時間と労力をかけて昔ながらの方法で、大豆と小麦と塩だけというシンプルな材料で、思いを込めて造られたお醤油が鐵次郎です。

延行さんのお話を聞いて、思ってた以上にすごい貴重なお醤油なんだなと感激しました。

これからも山近醤油さんを応援していきたいです。

 

そうそう、奥さまの手作りの桃のゼリー寄せや鐵次郎のみたらし団子など美味しく頂きました!ありがとうございます。


なんだか幸せな、感動の見学体験となりました。