13日、娘を見送ったあと、観てきました。

ダンナは家で、娘がいた部屋に引越しを敢行し、
テレビをつけたら「余命1ヶ月の花嫁」を放送していたからみたけど、
『今日のワイにはきつかった』と言ってました。

わたしは、例によって、一応ダンナを誘ったけど、振られたので、

ひとりで映画館へ。

ちょうど歯医者さんで抜糸の日だったので時間つぶし兼ねて。



ココから先、

映画の感想書きます。


まだ公開したてなので、

読みたくない方は先に進まないでくださいね。


今回はこと細かに書いてしまうかもです。

だってすごいよかったから。


心の体調が良くなくても観て大丈夫な戦争映画です。

残虐さや悲惨さを必要以上にクローズアップしてはいないので。


後味のとてもいい映画でした。


しかも半端なく深いです。

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玉木宏さんの倉本艦長がすごくよかったです。


はじめの方で、潜水艦に搭載した人間魚雷回天の乗員が、3度目の正直だから今度こそは出撃させてくれと挨拶に来たときの艦長の返事のしようが頭に残っています。

今後を暗示するようなあの返答・・・


敵艦を探知し、魚雷戦を開始するときのあの表情の一変する様子。



寡黙でありながら心情がありありと伝わってきました。



堂珍さんの有沢艦長の「イー81」が沈められて、モールスで最後の会話を交わした後、立ち直れないでいる倉本艦長に対する「イー77」の乗員の、特に機関長の態度が、

いかにも

年下の艦長に対する古参の機関長の、ありようを、すばらしくみごとに切り取っていて、そこに、倉本艦長への信頼も厳しさもあり、今に連綿と続く度量の大きな海軍軍人の姿に感動をおぼえました。


作り手が伝えたいと思っていることがきちんと伝わってくる映画でした。

まぁ、受け取り損ねているものも多いのかもしれませんが、

自分的にはガンガンつたわってきた感がありました。



そして、長く熱い戦いが始まるのですが、


米海軍駆逐艦パーシバルのスチュワート艦長と倉本艦長には、人命尊重という共通項があり、闘いを交えるほどに、お互いどんな相手と戦っているのかに気づいていくという、闘いながらの相互理解を、観客としてみている醍醐味ビックリマーク たまりませぬアップ



出撃したがる回天の特攻隊員に対する倉本艦長が、また感動的で、

言葉では『もったいない』になる、その思いが胸に響いて・・・


世にわかりにくい映画は多いけれど、やはりこういうわかりやすい映画がわたしのような単純な人間には小気味いいですね。


敬礼の所作も、艦長の呼び方も、きっとその他のあらゆる細かい部分も、

今までの戦争映画で、実際と違うじゃないかという指摘をされてきた教訓を生かして作られたようですね。

細かいところまでリアルなのがうれしいです。


これにもさらになにか指摘が出てくるのかどうか、そんなところにまで興味がわいてきます。



そして、


「真夏のオリオン」の楽譜に込められた意味。

・・・オリオンよ、愛する人を導け

   帰り道を見失わないように・・・


真夏のオリオンは吉兆だと・・・本編の最初から最後までをオリオンに導かせて進むストーリー。


深手を負った「イー77」は海底に沈み、満を持して最後の攻撃を仕掛けるその時には、

倉本艦長には、最後の魚雷を撃った後は丸裸で浮上するしかないことがわかっていて、


乗員の遺体と共に「真夏のオリオン」の楽譜を射出し、米軍に拾わせる。

敵のスチュワート艦長の人命尊重のポリシーをわかった上での行動。


拾った方も、相手が人命を尊重する艦長であるとわかっているから、

甘くはないが、暖かい対応をする。


「イー77」を沈める前に「離艦する時間をやれ」と。


泣かせますよね。

これなら自衛官と米軍人が一緒に見ても気まずくならないでしょう。


そしてなによりも、生きて帰ってほしいと願う人の心が胸を打ちます。


生きて帰りたい、生きて帰らせたいとの倉本艦長の意思を、1枚の楽譜を

通してスチュワート艦長は正しく汲み取り、行動する。


感動です。

こんな最後が待ってるなんて。


さわやかな風を感じました。