DACOというのはタイで発行している日本語のフリー雑誌で、毎号様々な特集を掲載しています。
最近はその特集もなかなか面白く関心を惹きつけられるものが多かったのですが、356号の『マナオ白書』だけはただただあきれて物が言えない企画でした。マナオはタイ産のライムのことです。

この企画はタイの女子大生の実態をアンケートによってあぶりだそうというものですが、そのアンケート項目になんと「マスターベーションをしたことがありますか。それはいつからですか」とか、もうこの雑誌を捨ててしまってよく覚えていませんが、あとSEXに関する項目などえげつない質問もあったような気がします。その他の質問もかなりくだらないものが多かったのです。

思わずこれは『Gダイアリー(タイの日本語風俗雑誌)』かと目が点になってしまいました。

この企画は一体何をしたかったのでしょう。ただ単にタイ人女子大生の性や私生活をあぶり出し、日本人の男の淫びな好奇心をそそるだけの下卑で恥ずべき企画といわざるをえません。

また調査対象は大多数がチュラロンコン大学(タイの東大といわれる)の学生でかなり偏ったものでしたし、おこずかいが月1万バーツ(バンコクの平均月収が約3万バーツ)とこれまた違和感のある回答を平気でのせてきました。

こいつらタイで何千何万人もの日本人、或いは日本語が理解できるタイ人が読んでいる公共性が非常に大きい雑誌にこんなに恥ずべき日本人が関わっているのですと公表してしまったようなものです。

しかもマーケッティング能力もアンケートの分析能力も全く無いことが露呈されたのです。

よほどクレームを出そうかと思いましたが、こんなくだらない企画を通すDACOスタッフには何を言っても無意味だろうとタッチしないことにしました。


そんな私が何故ここでこの問題を取り上げたかというと、今月発行された358号のDACOに私と同じ意見を持つ読者の方が投稿してきてその回答に対して再び唖然としてしまったからです。

そこには、

・全ての質問項目に回答した学生を取り上げたから大学が偏った。 (つまりチュラ大は羞恥心のない学生の集まりか? 大体そんなアンケートの収集方法があるか)

・こずかい(1万バーツ)はアルバイト代も含む。 (そんなことはどこにも書いてなかった。一体なんのアルバイトをしてるのか。タイの初任給は大卒で今年度から名目1万5千バーツである。それまでは1万~1万2千バーツなのだ)

・このアンケートは読んだ人の判断にゆだねる。 (なんという無責任さであろうか)

・この企画は賛否両論がある。 (賛成はDACOスタッフと同じモラルの欠如した人間で反対はDACOに投稿した常識と良識のある人間だろう。こちらの方が当然多数と思えるのだが。)


さて、この企画と同じアンケートをタイ在住の日本人の若い女性に実施できるのだろうか。或いはDACOのタイ語版にこの同じ特集を掲載できるのだろうか。

日本人の顔に泥を塗った『マナオ白書』である。