7日ごとの忌日法要で番号が付いているので、せっかくだから第一番から順に巡りたいところですが、『大和十三仏霊場』の公式サイトでも「特に順番にこだわる必要はありません」と詠っていて移動時間を思索したモデルコースも案内されていました。

 

公共交通機関では不可能なルートで自転車ならではの”地元走り”で巡りたいと思いますので、他県から輪行、トランポで奈良に来られ限られた時間で『大和十三仏霊場巡り』をしてみたいという方の参考になればと思います。

 

 

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”40代から始める終活”の一環で実施している《ミニベロで行く》大和十三仏霊場巡り

今回は、奈良盆地北西部に位置する第一番・宝山寺第九番・長弓寺第十番・霊山寺第二番・西大寺4寺院を巡りたいと思います。

まずは宝山寺に向かいます。

 

自宅より約20km離れた近鉄生駒駅南口、市営駐輪場の一時利用(1回70円)に停めました。

生駒駅に来てまずレンズを向けたのは、生駒駅前商店街「ぴっくり通り」

 

 

濁音っくり」ではなく、

半濁点っくり」なのです。

 

かつて『探偵!ナイトスクープ』桂小枝探偵ぴっくり通り商店街を紹介され、関西一円にその名を轟かせ一躍有名になりました。

 

 

 

ぴっくり通り商店街の一筋西側が宝山寺の参道となっています。

スナックや居酒屋が建ち並び夜はそれなりの飲み屋街のよう。

 

 

 

少し進むとアスファルト舗装路よりオーリングコンクリ道路に変わりました。

つまり勾配がきつくなるというサインです。

 

 

 

さらに進み「参拝本道」と刻まれた道標より参道石段が始まります。

ここより宝山寺までは約1.5km、ひたすら石段を歩くことになります。

資料によると、宝山寺入口まで700段、奥の院まで1,000段あるのだそう。

1歩1段としたら大した段数でもなさそうですね。

 

 

ブログタイトルに《ミニベロで行く》とあるように、石段を上らなくても舗装路で宝山寺近くまで自転車で行くことは可能なのですが、

『大和十三仏霊場巡り』メイン活動と考え参道から徒歩で巡ることにしました。

 

 

右手に比較的新しい「岡安慶介」と刻まれた常夜燈。

もしかすると奉納された方の人名でしょうか?

 

 

 

石段はまだまだ続きます。

もう背中は汗だく額にも汗が・・・(;^_^A

 

 

 

右手に朱色の鳥居が美しい熊鷹大明神

案内板等なく詳細は不明ですが、一対の稲荷狐さまが鎮座されていました。

 

 

 

右手に新しい七丁石。

1丁=約109mなので、7丁=約763m。恐らく石段上り始めてからの距離だと思われます。

 

 

 

寺院なのに鳥居?

 

 

神仏習合の寺院なのでなんらおかしくはありません。

石段上り始めて初めての鳥居なので、今では一の鳥居ということになるのでしょうけど、かつての二の鳥居となります。詳細はのちほど。

 

 

 

昭和レトロな「観光生駒」と書かれたゲート。

ここより三叉路に分岐されます。

左は参道でこれより「聖天通り」、真ん中は商業道、右に行くと生駒ケーブル・宝山寺駅

 

 

これより聖天通りと言われ旅館街が建ち並ぶ通りとなるのですが、実はここ奈良県に唯一現存する遊郭「生駒新地」なのです。

 

宝山寺に参拝した後の精進落としの場所として発展したのが由来だそうです。

伊勢外宮と内宮の中間にかつて存在した「古市」も精進落としの遊郭として有名ですね。

 

1957年(昭和32年)売防法施行、翌年赤線が廃止されしばらくは無許可で闇営業をされていた遊郭(奈良市木辻町、大和郡山市洞泉寺町・東岡町)いわゆる青線もあったけど 原則風営許可を取っていないと営業できないので、今はここのみとなっていると思います。

 

 

表向きは、「旅館」の看板が掲示されています。

 

 

 

なんとも情緒を感じる建屋が多くあり、廃業してしまっている店も多かったのですが、何ヶ所かは現在も営業中のようでした。

 

 

 

旅館なのに「十八才未満の方は入店お断り致します」の注意書き。

つまり、そういうことです。

 

 

 

小洒落たカフェなんかもあり、遊郭と融合しています。

 

 

 

ようやくゴールが見えてきました。

宝山寺まで残り0.2km、途中から上着を脱いだので標高が上がり少々寒くなってきた(^-^;

 

 

 

両脇にずらりと石灯籠が並ぶ先には、1982年(昭和57年)生駒駅前再開発に伴い移設された「大鳥居一の鳥居」、太い注連縄が飾られています。

この大鳥居は、かつて生駒ケーブル・鳥居前駅すぐ横に建立されていたのです。

ちなみに今も鳥居前駅という駅名なのに、今は鳥居はありませんので、差し詰め「元鳥居前駅」という方が正しいかと思います。

 

 

 

振り返ると遠景に若草山、奈良市一円、真ん中には矢田丘陵、手前は生駒市。

奈良盆地(大和平野)がわかる景色です。

 

 

生駒駅より歩いて1.5km 約20分で大鳥居に到着しました。

 

 

 

第一番 生駒山 

宝(寶)山寺(生駒市)

不動明王 -ふどうみょうおう-

 

 

生駒市門前町1-1 <Google MAP>

公式HP: https://www.hozanji.com


 

飛鳥時代655年(斉明天皇元年)、大聖無動寺(だいしょうむどうじ)という名の修行場だったことが発祥とされ、それから時代は流れ江戸初期1678年(延宝6年)真言律宗・湛海(たんかい)が開山したことが創業年となっています。

別名生駒聖天(いこましょうてん)の名で親しまれ、商売のゲン担ぎに大阪方面からも多くの参拝客が訪れられます。

 

 

 

「歓喜天根本霊場 生駒山 寶山寺」と刻まれた石標と惣門(そうもん)

 

 

 

和光殿

 

 

 

比較的新しい七福神の石像が鎮座されていました。

 

 

 

石段を右L字に曲がって上ると正面に鐘楼、今年の干支「甲辰」の大きな絵馬が飾ってありました。

 

 

 

少し急な石段の上には、中門

寺紋「竜胆(リンドウ)車」が手裏剣みたいでカッコいいですね。

 

 

 

手水舎で手を清め、石段を上ってきた息を落ち着かせることにします。

 

 

 

左に聖天堂拝殿、右が宝山寺本堂、奥の岩屋に弥勒菩薩の般若窟が見えます。

聖天堂には、鎮守神「歓喜天」を祀り、宝山寺本堂には本尊「不動明王」を祀っています。

左右で神仏習合というのが珍しいのではないでしょうか?

 

 

 

1900年(明治33年)建立の朝日宝塔

 

 

 

御立派な香炉からモクモクと線香の煙が充満していました。

 

 

 

宝山寺には今回で2度目?3度目の参拝なのですが、奥の院にはお詣りしたことがなかったので今回はお詣りすることにしました。

なんと奥の院には、現本尊の「不動明王」を祀っているのだとか。

つまり、本堂に「旧不動明王」、奥の院に「新不動明王」を祀っているということになります。

 

 

聖天堂横の石段を上っていくと、正面に文殊堂

学業成就、合格祈願の本尊「文殊菩薩騎獅像」を祀っています。

 

 

 

観音堂

本尊「十一面観音菩薩立像」を祀っています。

 

 

 

鳥取県東三朝町投入堂のような崖っぷちになんやら社殿が見えます。

参道は立入禁止となっていたので、災害復興されていないのかもしれません。

Web検索してみると、神仏習合の荒神・弁財天・稲荷明神を祀る社殿のようです。

 

 

 

撮影した石仏写真を全部掲載するわけにもいかないので割愛しますが、本当に石仏が多く、しかも材質、大きさもそれぞれ異なるのです。

 

 

 

1957年(昭和32年)建立の多宝塔

湛海作の「愛染明王坐像」が安置されているのだそう。

 

 

 

両サイドにお地蔵様が建ち並びマイナスイオン全開の参道をさらに上っていきます。

 

 

 

「新・不動明王」が鎮座されている奥の院本堂に到着。

 

 

 

御尊顔することは叶わなかったので、絵馬に描かれた「新不動明王」を撮影しました。

 

 

 

帰宅後Web検索していると、寶山寺公式HPに「新・不動明王」の写真がありましたので、拝借させていただきました。

※ 画像は、寶山寺公式HPより引用。

 

 

 

奥の院本堂左手前に、1769年(明和6年)建立の開山堂

宝山寺を開基した湛海律師像が祀られています。

 

 

 

そして、さらに奥の参道を上っていくと福徳大神

そうやら宝山寺とは関係のない神社のようでした。

 

 

 

往路来た参道をてくてくと下っていき、再び本堂近くの授与所で御朱印を授かりました。

授与所横には、「草餅屋」さんがありましたがどうやら今日は休業されているようでした。

 

 

 

惣門を出て左手に、金剛殿

交通安全の御祈祷所のようです。

 

 

 

無料授与の「大和十三佛守護屏風」を授かりました。

 

 

 

開封すると三つ折りになっていて、真ん中に十三佛さまの絵画、右から順に1~13番札所が書かれてあります。

 

 

 

第一番札所・宝山寺「不動明王」の御朱印を授かりました。

 

 

 

大和十三仏霊場巡り、第一番宝山寺の参拝を終え、次は第二番と続きたいところですが、ルート的に同じ生駒市にある第九番長弓寺に向かいます。

 

 

次回、

大和十三仏霊場巡り

第九番

長弓寺

に続く。