午前中で大阪の仕事を終え、奈良への帰路は国道25号を走行しているのですが、午後よりスキマ時間が出来てしまったので、柏原市国分より国道165号を走行し香芝市方面に向かいました。

 

 

目的地は、

 

奇勝・屯鶴峯(どんつるぼう)

 

 

景色が優れているところを「景勝」とか「名勝」と副詞修飾しますが、屯鶴峯”奇勝”と修飾されます。

由縁は、真っ白い奇岩群が山肌に広がり、まるで異世界のような景観だから。

 

 

 

県道703号香芝太子線で大阪方面左手、

どんづる峯専用駐車場、もちろん無料駐車場です。

 

 

 

 

 

 

 

駐車場より県道を横断し、西に50mほど進むと入口があります。

 

 

 

関西人には馴染み深いダイヤモンドトレイルの起点碑は、入口右下に隠れるように設置されています。

 

 

 

ダイヤモンドトレイル(略称ダイトレ)とは、金剛葛城山系の稜線を縦走する長距離自然歩道のことで、二上山、大和葛城山、金剛山、岩湧山、大阪府和泉市槇尾山を結ぶ全長45km、関西屈指のロング縦走コースのことです。

 

 

全長45kmのトレイルは距離的には上級者コースですが、おおむね整備されているようで、私は去年秋に完踏しようと計画を立てていたのですが、心筋梗塞を患い人生の目標からも除外せざるをえなくなってしまいました( ノД`)・・・

 

 

 

梅雨時期とあって石段両脇まで雑草が生い茂っています。

 

 

 

150mほど上っていくと、右手に簡易案内図。

正直あまり役に立ちません。

 

 

 

これより未舗装の斜面を登っていきます。

一応景勝地であるので、山道はそれなりに踏み固まっています。

 

 

 

ほんの100mほど進むと、真っ白な凝灰岩が目の前に飛び込んできます。

 

 

 

見上げると稜線はゴツゴツとした辺り一面奇岩群となります。

 

 

 

新緑と白い岩稜のコラボはなかなか見ごたえあります。

 

 

1500~2000万年前の南隣の二上山(にじょうざん)の噴火によって火山岩屑が沈積し、それから年月を経て風化、侵食して奇岩群になったのだそう。

 

 

「屯鶴峯(どんづるぼう)」という名は、

灰白色の奇岩群が鶴群れに見え、たむろ(屯)しているようであることから名付けられたとのこと。

 

 

 

低山ではありますが、周りに遮るものがなく、白い岩の照り返しが凄いので、プールやスキー場のように「下から日焼けする」という状態。蒸し風呂のような暑さです。

日傘愛用されている方でも下からの「照り返し」には効果がないでしょう。

 

 

 

さて、次の目的地に向けさらに奥に進んで行きます。

ある程度ルートを予習してきていますがわかりにくいので、ピンクリボンと歩き固まった山道と時折ある道標を頼りに行こうと思います。

 

 

 

昼間の低山ハイキングとはいえ、ソロなのでスマホの電波状況を確認すると問題なく受信できていました。

藪掻きしながらアップダウン山道を奥に奥に突き進んで行きます。

 

 

 

手作りラミネートされた「西峰山頂」という案内。

ここが山頂?

 

 

山頂からの景色はこんな感じ。

正面には住宅街が見えています。

 

 

 

左に行きます。

 

 

 

事前情報では、この送電線鉄塔が山頂154mとあったのですが、先ほどの「西峰山頂」という場所だったのかよくわかりません。

 

 

実は目的地は、鉄塔ではなくさらにここから谷へ下っていきます。

 

途中写真など撮っていられないほど、難攻不落の急勾配となり、運転用のスリッポンで来たことをかなり後悔しました。

 

それでも分かれ道では、道標を設置してくださっているので、なんとか最終目的地に到着しました。

 

 

 

旧日本陸軍地下壕

 

 

 

前日のゲリラ雷雨の影響か、ぬかるみが凄く近づけるところまで近づきフラッシュ撮影をしました。どうやらまだ奥には入っていけそうでしたが、ドロドロすぎてこれ以上進むことは危険と判断し、散策はここまでとしました。

 

 

 

山道のぬかるみが激しくなるももう少し左奥に進んで行くと、2穴連なった地下壕入口を発見しました。

足場が悪すぎて、こちらはかなり手前で断念。

奈良県心霊スポット 屯鶴峯防空壕 | コジツケ君がゆく

 

 

これらの地下壕は、1945年(昭和20年)8月15日の終戦日も堀削工事をしていたそうで、奥行きは枝分かれをしていてなんと全長2kmにも及ぶのだそう。

工事は300人体制(内約100人は朝鮮人労働者)、24時間 2、3交代で約2ヶ月間行われたが、未完のまま「昭和の遺構」として残っています。

 

 

航空総軍の戦闘司令所は、この屯鶴峯地下壕と長野県松本市・松代大本営地下壕の2ヶ所しかありません。

 

 

 

毎日新聞Webに地下壕内部の見取り図が掲載されていましたので、画像拝借させていただきます。

かなり複雑な基地のようになっているようです。

戦後76年:未来へ継ぐのは我ら40代 屯鶴峯、地下壕調査団結成 地上部分の建物跡発見 香芝 /奈良 | 毎日新聞

 

 

 

屯鶴峯地下壕は奈良県の心霊スポットとしても有名な場所で、一人では決して行くなと言われています。流石に今回、中に入って探検しようとは思ってはいませんでしたが、トンネル特有の冷気(もしかすると霊気!?)で、汗も一気に引きました。

 

あまり長居するのもよくないでしょうから、来たルートを引き返すように帰ることにします。

 

 

 

スタート地点に戻ると、近鉄観光特急青の交響曲(シンフォニー)が吉野方面に向かって走ってきたので、慌ててシャッターを切りました。

 

 

 

大阪阿部野橋~奈良吉野間を一日2往復(水曜は運休)している青のシンフォニー

青の交響曲(シンフォニー) とは|青の交響曲(シンフォニー) |近畿日本鉄道

 

 

車内はこんな豪華設備でいつかは乗車したいと思っています。

青の交響曲(シンフォニー) Blue Symphony|近畿日本鉄道

※ 画像2枚は、近鉄電車公式HPより引用。

 

 

今回は仕事中スキマ時間に立ち寄った『奇勝・屯鶴峯』、そして『旧日本陸軍地下壕』をご紹介させていただきましたが、真っ白な奇岩群だけを一目見る程度であれば、登山口より3分程度の距離です。

但し、『旧日本陸軍地下壕』を見るには、凝灰岩が自然に削られ砂利のようになった場所を通らないといけないので、トレッキングシューズのような靴底のシューズを推奨します。

フラット底のスニーカーだと滑落してしまう可能性もあるので、あくまで自己責任でお願いします。