江戸時代、徳川家光の旗本としてのちの剣豪として知られた「柳生十兵衛」の出生地である奈良市柳生は、大和国柳生藩より地名となりました。
柳生十兵衛の出生時の名前は柳生七郎、のちに柳生三厳(みつよし)と名乗り、通称柳生十兵衛といわれています。豊臣秀吉が日吉丸(低い身分の為苗字はない)→木下藤吉郎→木下秀吉→羽柴秀吉=豊臣秀吉(最終的には羽柴姓を名乗り豊臣は通称名らしい)と同じで、江戸時代では出世と共に名前が変貌していくものだったようです。
そんな全国の剣豪が柳生の剣を求めてやってきたと言われている柳生街道を京都府JR笠置駅よりJR奈良駅までトレイルランで走ってみたいと思います。
柳生観光協会のHPにコース図が詳しく紹介されていたので参考にさせていただきました。
柳生・笠置の道 難易度★ 移動距離 約11km(JR笠置駅~柳生バス停まで)
※周回コース11kmなので、縦断は5km程度
剣豪の道 難易度★★★ 移動距離 約9km(柳生バス停~円成寺まで)
滝坂の道 難易度★★ 移動距離 約12km(円成寺~近鉄奈良駅まで)
距離26km+JR奈良駅延長1km=総距離27km
60%くらいが舗装路で、40%くらいはトレイルコースでアップダウンなので、ブログ題名はクロスカントリーとしました。
先人の方々のレポを読んでいると、ウォーキングで7〜8時間、ランで4時間半〜5時間半のようなので、とりあえず5時間切りを目指すことにします。
観光兼ねたマラニックでもあるので、タイム優先にするわけではないですけどね。
近鉄てくてくまっぷ奈良-⑤ 柳生笠置周遊コース
https://www.kintetsu.co.jp/zigyou/teku2/pdf/nara05.pdf
近鉄てくてくまっぷ奈良-④ 柳生街道(剣豪の里)コース
https://www.kintetsu.co.jp/zigyou/teku2/pdf/nara04.pdf
近鉄てくてくまっぷ奈良-③ 柳生街道(滝坂の道)コース
https://www.kintetsu.co.jp/zigyou/teku2/pdf/nara03.pdf
上記の近鉄てくてくまっぷのモデルコースを合体させて、
全行程を地図ロイドアプリで作成しました。
計画としては、
【柳生・笠置の道 難易度★】
JR笠置駅 ⇒ 笠置山国営公園 ⇒ 笠置寺 ⇒ 阿対(あたや)の石仏 ⇒ 十兵衛杉 ⇒ 柳生バス停
【剣豪の道 難易度★★★】
旧柳生藩家老屋敷 ⇒ 八坂神社 ⇒ 柳生陣屋跡 ⇒ 芳徳寺(ほうとくじ) ⇒ 天石立(あまのいしだて)神社 ⇒ 一刀石 ⇒ ほうそう地蔵 ⇒ 南明寺(なんみょうじ) ⇒ 夜支布(やぎう)神社 ⇒ 円成寺
【滝坂の道 難易度★★】
地獄谷石窟仏 ⇒ 首切地蔵 ⇒ 朝日観音 ⇒ 夕日観音 ⇒ 春日大社 ⇒ 奈良公園 ⇒ 猿沢池 ⇒ JR奈良駅
という順路で進んでいきます。
標高図で見てみると、
起点:JR笠置駅 50m ⇒ 笠置寺 288m ⇒ 一刀石 325m ⇒ 阪原峠 354m ⇒ 奥山 488m がピーク地点となるので、さほど高低差はありません。
自宅からJR笠置駅までの約30kmは、愛車スーパーカブC50で向かいます。
紅葉シーズンは大渋滞する道路なんで、やはりバイクが便利です。
JR笠置駅の無料駐輪場に駐車します。
駅の右側に無料駐輪場があります。
1331年(元弘元年)に起きた「元弘の乱」における笠置山の戦いのモニュメントが展示されていました。雨ざらしの場所のわりには、綺麗な状態で展示されています。
笠置大橋に立ち寄り木津川を望みました。
この川は、三重県鈴鹿山脈が源流で京都府八幡市にて淀川と合流する全長89kmの一級河川となります。三重県伊賀市から京都府木津川市までは、JR関西本線(非電化区間)、国道163号線と並行し、木津川市以北から八幡市までは、JR奈良線、近鉄京都線、国道24号線と並行して流れています。
緊急事態宣言が明けて、オートキャンプ客が戻ってきているようです。
目の前に笠置山があります。
300m未満の低山ですが、まずは山頂の「笠置寺」を目指します。
「笠置山登山口」は、年季が入った門をくぐり入山します。
50mほど進むと、車道とハイキングコースの分岐に差し掛かります。
小石が転がっていますが、比較的歩きやすいと思います。
コンクリート舗装オーリングの登場。この区間は車道と併用です。
激坂というほどでもなく、ジョグできる程度でした。
オーリングを過ぎると、石段エリアにやってきました。
「笠置寺」 2km地点 スタートより15分経過
682年(白鳳11年) 開基は大海人皇子(天武天皇)、標高288mの笠置山山頂付近に位置する。月ヶ瀬街道と伊賀街道との追分に位置することより歴史の関りが深かったと考えられます。
無料エリアが少ないことと3年ほど前に来ているので足早に「笠置寺」を後にし、東海自然歩道を進んでいきます。
走りながら撮影したので、ブレてしまいました・・・
柔らかい土ではしりやすいです。
しばらく進むと、アスファルト舗装路・京都府道4号線笠置山添線に出てきます。
登り切ったところで、左トレイルコース?と思いきや、
「通行できません」の注意書きがあって助かりました。
地図で確認すると、ゴルフ場の整備道のようでした。
よって、まだ府道4号線を進みます。
深緑・黄・紅葉のコントラストが、秋のシーズンの芸術性ですね!
下り坂を快走します。
かさぎゴルフ倶楽部を左に見ながら、下っていきます。
しばらく下って行くと、「かさぎ橋」を越えて、京都府から奈良県に入ります。
下に流れるのは打滝川、木津川に流れ込んでいる支流です。
丁字路、右に行くとまた笠置町・国道163号方面、左は西名阪針IC、柳生方面。
丁字路より50mほど進むと、打滝川を越える橋がかかているので、こちらに進みます。
「阿対(あたや)の石仏」 4km地点 スタートより30分経過
高さ2メートルほどの阿弥陀如来像と、その脇に小さな地蔵菩薩像が刻まれています。
子供のない人が豆腐を供えると、思うままに授かるといわれ、子供が出来たときには、1000個のじゅずをつくり、お礼詣りをします。千羽鶴も備えられていました。
しばらく左岸の林道を進みます。
すぐに府道4号線が県境を越え、奈良県道4号線と交差しますが、打滝川の左岸の遊歩道を進みます。
草がふわふわしていて気持ちが良いです。
300mほど進むと、小さな橋があるので右折です。
このあたりから道標が、集落の裏庭のようなところを示しているので不安になりますが、間違っていないようです。
家屋はなるべく写真にアップしたくないですが、差し支えない程度に。
畑や庭?のようなところを通ります。
次に目指していたのが、「十兵衛杉」なのですが、道標が途絶えてしまいGoogleマップを起動。
確かにこのあたりにあるとなっているのですが・・・
ちょうど民家のおばあちゃんが、日向ぼっこされていたので、
私「こんにちは!十兵衛杉ってこのあたりですよね?」
婆「すぐ横の道を上がっていって中宮寺を左に行ったら、もう枯れてしまってるで」
村里の寺なんでしょうか。墓地が多くある登り坂を上がって行きます。
無数のお地蔵さんを右手に見ながら、
「十兵衛杉」 4.8km地点 スタートより45分経過
剣豪・柳生十兵衛三厳(みつよし)が剣術を磨くため、日本を巡る旅に出る際に植えられたといわれている杉です。昭和48年の落雷により立ち枯れてしまっていますが、ひと際大きな杉の木です。
その時代から、この場所が墓地だったとしたら、十兵衛はこの旅が自身の最期になるということを悟っていたのかもしれません。興味深い話です。
「柳生バス停」 5km地点
柳生郵便局が近くにありました。
【柳生・笠置の道 難易度★】
JR笠置駅 ⇒ 笠置山国営公園 ⇒ 笠置寺 ⇒ 阿対(あたや)の石仏 ⇒ 十兵衛杉 ⇒ 柳生バス停
柳生の里玄関口までの5kmを進んできました。
これからはいよいよ峠越え、行者道ともいえるアップダウンの剣豪の道に入っていきます。
【中編】に続く。。。