【原因】

・非淋菌性尿道炎の約半数がクラミジアによる感染で、世界的に流行している。

・クラミジアは、女性の子宮頸部の上皮細胞に親和性を持ち、性行為により感染する。

・女性では、子宮内膜炎、卵管炎を引き起こし、不妊症、子宮外妊娠の原因となることがある。

・妊婦では、胎児への垂直感染を誘発し、新生児の結膜炎、肺炎の原因となることがあるので、妊娠中には必ず検査を行う。

【症状】

・約2週間の潜伏期間の後、男性では症状の軽い尿道炎症状(頻尿、尿道違和感、漿液性分泌物)があり、女性では軽い膀胱炎、帯下を伴う子宮頸管炎を引き起こす。

・しかし、自覚症状を欠くことも多い。

・ときに骨盤腹膜炎症状を起こす。

【検査】

・本症の診断には、クラミジアの存在を証明する必要があるが、現在施行されている方法は、初尿またはスワブ検体で、抗原検査法として細胞培養、酵素免疫法、蛍光抗体法、遺伝子診断法(DNAプローブ法、PCR)が、血清学的検査として抗体測定法(血清中の抗クラミジアIgA抗体、抗クラミジアIgG抗体を測定する方法)がある。

【治療】

●テトラサイクリン系、マクロライド系の抗菌薬を、クラミジアに関しては、ニューキノロン系抗菌薬も使用する。

●約2週間投与する。

●淋菌による細菌感染症である。

1980年代半ば以降臨床の現場に登場したニューキノロン系抗菌薬は、淋菌に強い抗菌力を示したが、近年では、日本をはじめとする東アジア諸国を中心に、ニューキノロン耐性淋菌が急増し、大きな問題になっている。

・ペニシリン耐性菌は、19951996年に一時減少したが、その後は、ペニシリン耐性菌が増加傾向にある。

【原因】

・本症は、淋菌感染者との接触による淋菌の接触感染で、性行為(口腔性交を含む)による男性の淋菌性尿道炎としての感染頻度が高い。

・女性では、子宮頸管炎を誘発するが、症状は、帯下の増加であることが多く、自覚症状に乏しい。


【症状】

・潜伏期間は約27日で、主な症状は頻尿、尿道不快感、外尿道口からの膿分泌、排尿痛の尿道炎症状と外尿道口からの膿分泌、排尿痛の尿道炎症状と外尿道口の圧痛を伴う発赤腫脹である。


【検査】

・本症の診断は、尿道分泌液中からグラム陰性双球菌である淋菌を確認する。

・これには鏡検、蛍光抗体法、酵素抗体法、DNAプローブ法、PCR法が施行される。


【治療】

●ペニシリン系、テトラサイクリン系、マクロライド系の抗菌薬を57日間投与する。




【原因】

・性行為を介しての梅毒トレポネーマの感染による慢性の全身性の性感染症である。

・その病状の進展により第1期~第4期に分けられる。

・早期治療により治療可能であるが、治療時期が遅延すると完全な治癒が困難になる。

【症状】

●第1(感染~3ヶ月)

・感染3週間後に外陰部の硬結(初期硬結)と鼡径部および下腿部リンパ節の無痛性腫脹が出現。

・梅毒血清反応は6週以降で陽性。

●第2(1期の後の3年間)

・散在性の皮疹(バラ疹)が出現。12週で丘疹、15週で膿疱が出現し、それらの出現が繰り返される。

●第3(2期の後)

・発疹の瘢痕化。

・大型の結節やゴム腫の形成。

●第4(感染後1015)

・脊髄癆や進行性麻痺などの神経梅毒の出現。

・心・血管系への変性病変の出現。予後不良。

【検査】

●梅毒トレポネーマ・パリダムの証明と梅毒血清反応により本症の診断を行う。

(梅毒トレポネーマの検出)

・硬結や丘疹部の組織液、滲出液を蛍光抗体法、染色法(パーカー・インク法)にて検出する。

(梅毒血清反応)

・脂質抗原試験(ガラス板法、RPRテスト)に、TPHA(トレポネーマ抗原法)を組み合わせて検査する。

・梅毒に罹患していればSTSTPHAがともに陽性になる。

STSが陽性であってもTPHAが陰性であれば非梅毒と考えてよく、これを生物学的疑陽性反応という。

【治療】

・ペニシリン系抗菌薬が著効を奏する。

・有効血中濃度が維持されれば2週間程度の投薬で治癒するが、安全を見越して4週間投与を目安とする。

・治癒判定に際しては、梅毒血清反応の推移を参考にする。

・ただし、治癒後も陰転化しないことも多い。

・ペニシリンアレルギーで使えない場合はマクロライド系抗菌薬などが用いられる。