こんにちは、とーるです。

今日は新型のオーダーメイドホルスターの紹介です。今回のホルスターは以前の10倍は高性能ですよ。

【JTGSさんについて】
JTGSさんには以前からオーダーメイドホルスターの製作でお世話になっております。
スピードシューティングで使用するため実用的な機能を追求しながらも、革製ホルスターというロマンにこだわった前例のないデザインです。

JTGSさんについての具体的な紹介は過去の記事にて ご覧いただけます。


さて、以前に作っていただいたレースホルスターの出来は当然素晴らしかったのですが、本格的な競技でハードに使っていく中でタイムを追求するための改善点が見つかったので、新しく作り直して貰うことに決めました。

【要求スペック】
1、クラウンM586専用設計であること
2、革製であること
3、光学サイトが使えること
4、ドロウの速度を阻害しないこと
5、銃をしっかり保持すること

特に4と5の特徴は、一見矛盾しているかのようですが、それを叶えてくれたのがJTGSさんです。
綿密な打ち合わせを行い、そして完成したのがコチラです。今日送られてきたばかりです!
左が旧型、右側が新型。

同じように見えますが触ってみると違いは明らかで、これまでの知見が生かされ大幅に進化しています。

【新しい要素】
まず今回一番の違いはJTGSさんのオーダーメイドホルスターの中でも一番高級なグレードである【S.C.M】製作であるという点です。


・S.C.Mホルスターとは?
大きな特徴としては、2枚の革を重ねて厚みを増した素材を使用している事でしょう。これにより、光学サイトを搭載可能な構造でも強度がアップしているため非常に保持力が安定するようになります。


【旧型と新型の比較】
・保持力
・ドロウ性能

以下の動画で保持力の高さと、ドロウ性能の向上をご覧いただきたいと思います。
↑旧型ホルスター
逆さにするとズルズルと落ちてきます。しかも抜け落ちる寸前に若干ひっかかりがあり、 素早いドロウには限界がありました。

↑新型ホルスター
逆さにしてもビクともしません。 この素晴らしい保持力にも関わらず、銃が抜ける瞬間はスパッ!っと綺麗に抵抗がありません。

最初、保持力が高いとその分抜けにくくなるのでは?と疑問を感じました。しかし、実際に装着してドロウ練習を始めるとすぐに衝撃が!

「これ、ズルくね?」

思っていた10倍くらいストレスフリーな素早いドロウができてしまいました。自分こんな早かったっけか!?

もはや樹脂製のレースホルスターと遜色ないドロウ性能です。

・ハンマーストッパーの違い
もう一つ大きな違いは、ハンマーストッパーの留め位置です。ハンマーストッパーを使わずとも保持力は充分高いのですが、やはり持ち運びや保管時は必要です。

以前の物は製作の後半で急遽取り付けて貰った経緯もあり若干銃と干渉しそうな時があったのですが。
新型ホルスターはこの位置でボタンを留めますので、ホルスタードロウに全く干渉しなくなりました。これは格段に機能的です。

・指のひっかかり
旧型のホルスターで大きな特徴は、ドロウの際にベルトループに中指がひっかかりにくく、非常に抜きやすい構造を持つ事でした。
今回はそれを更に改良して貰い、指がひっかかりにくいどころか「一切ひっかからない構造」へと進化しました。
赤い線を引いて比較。ベルトループの干渉が以前にも増して気にならなくなっています。

・銃を斜めに保持
ベルトループ自体の構造が一新されました。より銃を抜きやすい斜めに保持される形となりました。

これによりドロウ時の握りが更に安定しやすくなったのでターゲットに対するサイティングもスムーズになりました。
左が新型ホルスターのベルトループ。
指にベルトループが干渉しない構造を作るために新型ホルスターはベルトループ自体が別パーツで製作されています。 これにより形の自由度が上がりました。

ただでさえスムーズなドロウ効率の高さに加えて、ベルトとベルトループの接触面積が増えた事で摩擦力がベルトに伝わりやすくなり、より一層ホルスターがずれにくくなりました。


・ドロウ効率の違い
 以上を踏まえて、最後に実際にドロウした場合の違いを比較してみましょう。
↑旧型ホルスター
新型ホルスターを手にするまではこれでも充分 使いやすいと思っていたのですが…

↑新型ホルスター
どうでしょうか。逆さにしても落ちない保持力があるにも関わらず銃に手をかけて抜き始めると一切抵抗が無く、まるで銃が自らホルスターから離れていくようです。

「 ズルくね?」って言葉を思わず口にした理由がよくわかるかと思います。まるでマジシャンのような手さばき。

・格段に使いやすくなった固定紐
実は以前までのホルスターにも、太ももに固定するための紐が付属していたのですが、結ぶのが面倒で使わない事が多かったので若干申し訳ないと思っていた矢先。

なんと今回はJTGSさんが紐に留め具をつけてくれました。ワンタッチでしめたり緩めたりできます。
従来の手結び方式では、太ももの紐がキツくしまっていると椅子に座った時にホルスターが歪んでしまったり、銃口が前を向いてルール違反になる恐れがあったのですが、これならば競技中以外は緩めておけるのでストレス無しです。

正直ここまで気持ち良いくらいの仕上がりになるとホルスタードロウが楽しくなります。

本当はもっと紹介したい細かな改良点があるのですが、とりあえずこのくらいに…
 


S.C.Mホルスターが通常のオーダーメイドと比べてここまで別物とは思いませんでした。

なにより私が一番強く感じた衝撃が、職人のこだわりです。

一般的な革製レースホルスターは金属芯やプラスチックのインサートで補強して、樹脂製レースホルスターと同じ構造を無理やり再現して高いドロウ性能を引き出すのですが、JTGSさんはそういう邪道な、悪く言えば見てくれだけの革製ホルスターは作らないという事です。

純粋に革素材だけ、しかも柔らかいヌメ革を使用してこれだけの安定性とドロウ性能を引き出せるホルスターは、 おそらく世の中を広く見渡してもこれ1つではないかと思います。私も自称クラウンモデル専門リボルバースミスとしてJTGSさんの職人としてのこだわりに敬意を払いたいです。
(画像はJTGSホームページより)

「あなたが感動するホルスター作ります」この謳い文句は本物でした。

いつもホルスター製作でお世話になっておりますJTGSのカワハラさん。このブログでのレビューが微力ながら宣伝になればと思います。

ありがとうございました。