より高火力!よりコンパクト!もちろん組み立て簡単!そしてフライパン標準装備!

 

最強の新作ソロ用焚火台「蒸し器んぐ・ネオ」

 

こんにちは!ソロキャンパーのやえやまとーるです。

 

以前は宣伝口調がかなり控えめでしたが、今やまったく遠慮する気がありません。

市販のソロ用焚火台やソロ用ウッドストーブ等と比較して、普通に「最強」と言える。

そんなソロ用焚火台をついに開発しました。

 

いきなりですが火力の差をお見せします。

左が「蒸し器んぐ・ネオ」、右が従来の「蒸し器んぐ」です。

※画像は必ずしも性能を保証するものではありません。環境や状況によって変化する事があります。

 

今回、他の市販品も交えて実力を比較するため、古民家タイプの貸し切りキャンプ場でたくさん焚火台を並べて撮影したのですが。

まるで何かの儀式みたいになってしまいましたが...

2次燃焼型、ロケットストーブ型、コンロ型のB6サイズ、様々な種類の物を用意しましたが、

開始早々から結果がはっきりしたので、僅か1時間程度で「蒸し器んぐ」を残してやめました。

 

誰も「蒸し器んぐ」や「蒸し器んぐ・ネオ」の持つ燃焼能力には勝てなかったからです。

 


 

「蒸し器んぐ」とは?

 

ということで新型「蒸し器んぐ・ネオ」について紹介と行きたいところですが...

はじめましての方々のため、

 

まずは旧型「蒸し器んぐ」がそもそも何者なのかについてをご紹介したいと思います。

あれからかなり検証が進んできておりますので、最新の見解を交えて行きたいと思います。

メカニズムなど一部に以前と異なる部分ありますので是非お読みください。

 

「蒸し器んぐ」の特徴

 

蒸し器んぐは、通常の焚火台とは異なり、外壁と内壁からなる2重壁の構造を持った2次燃焼型の焚火台です。

内壁は「ダイソー蒸し器」外壁は「セリアのケーキ型」です。外壁の存在によって風防効果と保温効果を持たせることができ、同時に燃焼空気の供給と上昇気流を発生するためのスリットを構成しています。

 

蒸し器単体で使用した場合よりも燃焼効率が高く、風などの気象条件に強い安定した燃焼が可能になるわけです。また、ケーキ型は、単体だと開いてしまう蒸し器を丁度良いサイズにとどめ、焼き網などを乗せられる五徳の役割も担っています。

また、クッカー用の五徳として百均の三角五徳を逆さに使用する事で、すべてを百均で揃える事ができるのも優秀です。炭火や熾火ならば、薪の追加を行う必要も無く、比較的扱いやすいと思います。

 

しかし、やはり弱点として、小さな薪の供給が忙しいという点はどうしても解消できませんでした。

結果、炉内に五徳を置くよりも、三脚やパネル式の風防を活用する方が便利な焚火台だという結論に至りました。

 

メカニズム

さて、新型を解説する今回の記事ですが、旧型もなかなか優秀です。

 

「蒸し器んぐ」シリーズの特徴は「炉内2次燃焼」「炉の上空に炎が集まって起きる3次燃焼」(追加の2次燃焼)です。

 

以下は、ダイソー蒸し器とセリアのケーキ型から作られる、ノーマルの「蒸し器んぐ」のメカニズムです。

※以前のものを少し修正してあります。

※図はイメージです。あくまでメカニズムを解説するためのものであり、実際の状況や構造をそのまま再現したものではありません。(追記:2022年5月)

 

2次燃焼とは、未燃焼のガスに引火させてより効率的な燃焼を行う事です。

通常の焚火では、もくもくと煙が発生しますが、2次燃焼ではそれを炎に変換してしまうので、煙が少なくなります

 

「蒸し器んぐ」の2次燃焼の特徴(短所?)としては、2次燃焼を視認する事がとても難しい事があげられます。

以下の画像をご覧ください。わざと薪を敷き詰めて上昇気流をシャットアウトし上空での3次燃焼を停止させて、酸欠気味の炉内で起きる1次燃焼と2次燃焼だけを観察した様子です。

 

これは「蒸し器んぐ」の2次燃焼を撮影した貴重な画像となりました。

 

「未燃焼の煙」を逃さず燃焼させる「2次燃焼方式」が、この画像からなんとなくご理解いただけると思います。普通なら、鎮火して煙だけが出る状況ですが、スリット内部で加熱された熱い空気と、2重構造による保温性のため、1次燃焼の炎が煙に引火して2次燃焼を起こすのです。

 

本来は燃焼せず放出されるはずだった煙を燃やすだけなので、火力が増大しても燃費はさほど変わりません。同じ薪に対して長時間炎を持続させるという意味では、むしろ燃費は良くなる可能性があります。

 

一般的な市販の2次燃焼焚火台では、以下の図で解説するように、2次燃焼専用の空気を別系統から供給するので、綺麗ないわゆる「2次燃焼」を見る事ができます。しかし一方で、新たな給気が炉の出口でしか行えないため、火力が安定しなかったり灰で床が閉塞すると1次燃焼に必要な空気の供給が絶たれて失火しやすいなどの短所に繋がっています。

 

蒸し器んぐのように、内壁を全面メッシュ構造にすれば酸欠になりにくい焚火台を作れるのですが、その代償として2次燃焼しているかどうかがぱっと見ではわかり辛くなってしまう、インパクトの無さが致命的な欠点となるわけです。

 

 

しかし、2次燃焼がメカニズムの核となって通常のソロ用焚火台では再現できない高火力と低燃費が実現している事は紛れもない事実で、その性能は大型の薪ストーブや暖炉に使われる木質ペレットを大量に敷き詰めても失火せず熱源として使える事からも伺えます。

 

 

長所と短所

 

蒸し器んぐの圧倒的な長所、それは「安価」な点です。

基本の道具は五徳を含めて総額500~600円程度(蒸し器・ケーキ型・三角五徳・ステン皿)、蒸し器とケーキ型だけなら最安350円(税抜)です。

 

短所は嵩張る事と、強度不足である事です。

軽量性と、焚火使用における耐久性に関しては優れているのですが、いかんせん嵩張りやすく、外壁のケーキ型が薄く凹みやすいという弱点を持っています。

 

蒸し器んぐ・ネオ

 

ということで本題。お待ちかねの新型「蒸し器んぐ・ネオ」をご紹介します。

 

旧型よりも明らかにコンパクトになっています。そのコンパクトさは「バウンドレスボヤージュ」のチタンフライパンにスタッキングできるほど、つまりこのサイズ感でクッカーまで標準装備できてしまうほどコンパクトという事です。

 

新旧共に、ダイソー蒸し器を核としている点は変わりませんが、外壁を「セリアのケーキ型」からキャプテンスタッグの安価な焚火台「イージーファイアベース」(釘とハンマーを使用し底に空気供給用の穴を開けて加工した物)に変更した事で、収納性を大幅に改善する事ができています。また、イージーファイアベースのおかげでダイソー蒸し器の脚は不要になり、ペンチで引っこ抜いてあります。

 

五徳は「ガオバブ」の十字五徳を採用しています。

これによって以前よりも薪を使いやすくなりました。

 

 

また、上記の撮影時点では、割ピンと呼ばれるクリップを使用して外壁の形を整えていましたが、これがかなりの曲者でした。

 

割ピンは細かなパーツで無くしやすく組み立てにも時間がかかってしまうという難点があり、「蒸し器んぐ・ネオ」をこれまで紹介できずにいましたが、今回これを大幅に改良する事に成功したわけです。

 

それが、以下のリングを用いた固定方法です。

圧倒的な改良でした。組み立てはリングをひとつ重ねた状態で、そのまま蒸し器とイージーファイアベースを同時に開くだけ

 

リングは「つっかえ棒(?)」の役割を果たします。

 

たったそれだけ、それだけで高性能な「蒸し器んぐ・ネオ」を簡単にセットアップできてしまいます。

 

リングパーツの正体は「ホースバンド」です。

 

ある日、蒸し器んぐに使えそうな金属材料はないかな~と思って、モノタロウの通販ページを眺めていたところ、

 

ホースバンドなる物の存在に気付き「これは使える!」とひらめきました。

 

アマゾンを検索してみたら、あるではありませんか。大きなホースバンドの4個入りが売っていましたので即購入。

 

重ねてみたらぎりぎりぴったりシンデレラ・フィット。

「収納を圧迫せず、組み立て簡単、ステンレス製で熱に強い」まさに最高の品です。

 

蒸し器単体を焚火台として使用する事自体はネット上でも定番で、キャンパーさんの中には「蒸し器使い」も多くいらっしゃると聞きますが、クリップや針金を加工して使用したりと、中にはワンタッチで開閉の調整ができるすごい物があったり。

 

でも皆さん、基本的に蒸し器焚火台のセットアップはかなり苦労している様子。

 

まさかホースバンドなんて簡単な方法があったとは...

 

 

「蒸し器んぐ・ネオ」の燃焼効率、特に最大火力は旧型よりも優れています。それはなぜか。

一見似たような見た目をしている新型「蒸し器んぐ・ネオ」と旧型「蒸し器んぐ」ですが、実はメカニズムが異なっています。

 

 

「旧型」は風を防ぎ、「新型」は風を使う

 

「旧型」は、次の図のようにケーキ型が風防構造をしており、外界の気象条件に左右されない優れた保温性能を発揮。

風を防ぐのが旧型の特徴です。

一方、新型「蒸し器んぐ・ネオ」は、イージーファイアベースを外壁に使用しています。外壁の基本構造は、内壁である蒸し器と同じく羽根を並べた構造です。旧型のケーキ型と違って隙間がある事が大きな違いになります。

実はこの隙間が、燃焼性能の飛躍に貢献しているのです。

この外壁「イージーファイアベース」の隙間は、上図のように風が360°どこから吹き付けようとも必ず隙間から炉内中央まで誘導してくれる「静翼」構造として活躍します。「静翼」とは、タービンエンジンなどで回転する「動翼」に供給する空気を整えるために用いられる物で、

「蒸し器んぐ・ネオ」においてはそもそも対になる「動翼」な存在しないため、外壁は厳密な「静翼」とは言えないのですが、かっこいいのと専門的っぽいことから便宜上炉内へ入る空気の流れ(風)を一定方向に整える「静翼」としての役割を果たしていると言えます。

 

引き込まれた空気は、蒸し器とイージーファイアベースが作り出すスリットの中を通り抜け、内壁である蒸し器の壁から炉内の熱が伝わり加熱されます。最後には蒸し器の羽根の隙間から炉内中央部へと引き込まれ、未燃焼ガスと混合しながら新たな燃焼が次々と発生、トルネード状の炎となって最後には炉の上空へと押し出され、それら炎が集まり、更に爆発的な燃焼を引き起こします。

 

新型は、風が吹けば吹くほど効率よく燃焼し、風が吹けば吹くほど火力を増す。

 

すなわち、「蒸し器んぐ・ネオ」は、風を防ぐのではなく

 

「風を利用する」

 

という、衝撃のメカニズムを持っている焚火台です。

 

言ってみれば、2次燃焼ウッドストーブの長所(優れた2次燃焼空気の供給)を、おきて破りな「オープン構造」で実現し、更にはロケットストーブが持つ長所(上昇気流を利用したクリーンバーン)を、煙突とは言えないような「低い構造」で実現する。まさに最強と言ってもお釣りがくる焚火台なわけです。

 

また、風が少ない時は外側に向かって拡散しようとする燃焼経路を経るという事も見出されています。状況に合わせて空気の流れを変える「蒸し器んぐ」の長所も当然完璧に引き継いでいます。

 

 

展開しても2次燃焼

なんと「蒸し器んぐ・ネオ」の汎用性は留まるところを知りません。

展開すればより大きな薪を使用する事ができます。

「蒸し器だけでも同じことできるじゃん」そう言われるかもしれませんが、なんと「蒸し器んぐ・ネオ」は展開した状態でも二重構造の給気によって、2次燃焼を発生させることが出来ます。

 

旧型と異なり底も二重になっている点が、上昇気流の増大に一役買っていそうな気もします。

 

次の図を見て下さい、ちょうど煙が2次燃焼を起こしている事が確認できます。

 

ここまでオープンな構造でも高効率な焚火を実現可能。

ただし、展開するとトルネード状の燃焼は起こらないので、大きな薪を使用する場合など、特別な理由がない限りは普通に使う事が望ましいとは思います。

 

おまけ、最後の方で薪がほぼ炭化して熾火の状態になった写真です。


熾火なのに炎が出て赤々と渦を巻いています。一緒にキャンプをしていた友人が「たたら製鉄か(笑)」と思わず爆笑していたほど衝撃的な見た目でした。普通の焚火台ならとっくの昔に熾火状態なはずの状況です。

 

 

蒸し器んぐシリーズの高い燃焼性能は、そのどれもが意図してデザインしたものではないという点が面白い焚火台です。

 

2次燃焼も上昇気流もすべて偶然の産物という事で愛着がわいてきます。

 

 

さて、焚火台としてはより優秀な性能と使い勝手を誇る「蒸し器んぐ・ネオ」ですが、旧型と比較して圧倒的な短所も存在します。

それが「価格」「重さ」

 

です。イージーファイアベースやホースバンドなど、製作にかかる費用は数千円。僅か数百円で作れる旧型と比べると割高感が否めません。しかし、それでも市販の有名メーカー品と比べて安価で、性能も圧倒的に高いです。

 

また、火力が高すぎて、フライパンなどを使わない直火調理、特に炭を使う場合などは、パネル風防や大きな五徳でかさ増ししてやる必要があるなど、調理用の焚火台として火力のコントロールがしにくいという点が旧型に劣っていると感じる事もあります。

 

焚火利用時の性能は紛れもなく最強ですが、特に炭を入れた時炎が激しく出るので、旧型で最も有力な用途だったひとり焼肉コンロとしては使いにくい代物になってしまったのは、けっこうなマイナスポイントです。

 

重量も短所のひとつです、頑丈なイージーファイアベースを使用した結果、旧型より重量感が増してしまっています。薄いのは良い事ですが、ひとまわり径が大きくなっている事も注意が必要です。ご紹介したように、フライパンにスタッキングしてメインのクッカーとして使用しないとあまりお得感が得られないかもしれません。

 

更に決定的な短所として、製作に若干の加工が必要になったという点です。

買って重ねるだけのDIY不要アイテムだった旧型よりも、敷居が高くなってしまっています。

実際はイージーファイアベースの底に釘とハンマーで穴をあける程度の事なのですが、その穴も凸凹で怪我の危険があったりと、旧型ほど雑には取り扱えない焚火台になっています。


しかし、それらを差し引いて長所が圧倒的だと感じます。

個人的には、組み立てギミックやスタッキング性能、旧型よりも見た目がかっこ良いという点で、ワクワク感を味わうことができる点を評価し、最高傑作・最強と呼んでいます。実際は、用途や料理内容によって使い分けしている感じです。

 

新旧、スタイルに合う方、好きな方を使うのが正解かなと思います。

 

ちなみに新旧2台持ち最強です。

 

 

 

「蒸し器んぐ・ネオ」構成パーツの紹介

興味のある方は是非作って見て下さい。焚火台本体は2,000円程度で作れます。

※一部加工が必要です(イージーファイアベースの底に給気の穴を釘とハンマーなどで開ける。ダイソー蒸し器の脚をペンチで取り去る等)

※2022年4月現在、見た目はちょっとダサくなりますが軽量化を実現した「NEW蒸し器んぐ・ネオ」が存在しますのでそちらの記事もご覧になることをお勧めします。

 

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ステンレス折りたたみ蒸し器 23cm | 【公式】DAISO(ダイソー)ネットストア (daisonet.com)
(※蒸し器は一例です、基本的にダイソーの物を推奨、次のような他メーカー品でもサイズが合えば使えます。

Amazon.co.jp : ヨシカワ 日本製 蒸し器 料理のいろは フリーサイズ蒸し器 YJ2794 シルバー 14~22.4×高さ7.8cm : ホーム&キッチン

等)

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※更なる進化版「NEW蒸し器んぐ・ネオ」はコチラ→【最終進化系】最強のソロ用焚火台「NEW蒸し器んぐ・ネオ」~軽量化!蒸し器は蒸し器で完結する~ | とーるくんの趣味ブログ (ameblo.jp)