前回「天空の旅人」は「天路の旅人」の間違いで検索しても見つからない訳です。著者の沢木耕太郎も初めて聞く名前でした。大体本を読まない私なので当然です。調べてもらった姪に¥2,600だけれど買うかと聞かれて今のところ買わないと答えました。「天路の旅人」のモデルは西川一三という人で敗戦のときスパイで25歳日本に引き揚げないで内モンゴルからチベット、ネパール、ブータン、インドなどを基本的に一人でラマ僧に扮して旅をしました。8年間そんな旅の末つかまって日本に送還され盛岡でささやかな化粧品店を経営し元旦以外の364日店を開け終わると居酒屋で2合の酒を飲んでの繰り返しで89歳の人生を淡々と送りました。作者沢木耕太は西川の直筆原稿を手に入れたところから彼と会い知り合った2年後から書き始めたとのことです。沢木が一番大切にしきた生き方は自由感の拡張です。少しづつ忍耐強く自由感を広げて仕事をしてきたそして今進行中の仕事以外を考えずにそれを最良に仕上げることだけいつも考えているといいます。そして若い人たちに「行動しなさい、注意しながら」と言います。若い人たちが冒険しなくなったことを心配しています。現在75歳外見は若く見えます。沢木は西川と一生淡々と溶接の仕事をやった教養人の父親と似ていると思います。その潔さに尊敬を抱きます。北極を探検した白瀬中佐は犠牲になった同士を思って晩年秋田に住んでも冬は一切暖房を取らなかったそうです。高齢の奥さんはさぞ大変だったでしょう。昔の日本人にはこういう人がいました。昭和の小野田少尉もそのDNAを受け継いでいます。人間力という点では昔のほうがすごいです。戦国時代はもっとすごかったでしょう。人間が何処に向かって進んでいるのか、東京直下型大地震が確実に来るというのに再開発のプロジェクトはすごいです。そうしないと東京は競争に遅れて脱落するそうです。熾烈な人間の競争と地球の劣化、どちらが早く文明を破壊するかもうそれほどの時間はなさそうです。