2,3日膀胱炎様になって寝ていて、いつまでも気力を失くしてもおれないと昨日から大作の銅版をロッカーでプレパレしようと始めました。何しろ1年ぶりのプレパレしかも具合が悪い中で初めて午後はまた参って床に臥せって本を読もうとしても目がかすみ読みにくくテレビを見てすごしました。今朝もこうしちゃいられないと5時に自転車で散歩にでかけました。ちょっと雨がぱらついて雨になるかと思ったがまあなんとかなると思ってでかけました。屋根に掛けていた長いハシゴが斜めにずれていて結構強い風だったとわかりました。寝る前に3階屋根裏に上がってみたら南側の窓が開いていて雨水が吹き込んでいて確かめに上がってよかったです。でなかったらテーブル一面雨水がかかって大変なことになっていたでしょう。以前窓を開けていてものすごい雨水が窓際に置いたパソコンを直撃し駄目になったことがありました。今も風の音がひゅーっと聞こえます。熱中症で具合が悪い間友人にもらった母校の大先輩、朝河貫一についての本を
なんとか読み終えました。彼は日本人で初めてアメリカの大学の教授になった人で歴史学者、とくに比較法制史の研究は世界的に評価されているそうです。彼は平和主義者で日本が日露戦争に勝ったあと世界の批判を無視して孤立しつつあった時期に「日本の禍機」という本を日本で出版し反省をうながしましたがやがて国際連盟を脱退し第二次世界大戦へと突入していきます。今回貰った本はこの「日本の禍機」を中心に書かれていてその警告は今こそ耳を傾けなければならないという使命感で書かれてごく最近出版された本です。というのは福島原発事故が3年たっても何ら解決のめども立っておらずなのに収束宣言をし、問題を東京オリンピックにそらしたり、原発の設備を輸出したり、アメリカの要請で外国に出兵が一段と現実化したりと1930年代に似ています。世界全体が行き詰まっていて何が起こるかわかりません。朝河貫一は日本人に数々美点はあるが一番の欠点は人間間の齟齬を嫌う国民性が本当の議論ができないこと、政府など上に立つ人に自分の意見が述べられないことなどを上げその悪い国民性を直すことが最重要であると警告しています。しかしそれから100年たっても当時の国民性とほとんど変わっていません。再びなしくずしのカタチで流されるおそれがあり、その危機感の上に急いで出版したようです。それに母校は今年創立130年にあたり世に知られるよい機会でしょう。そして今危険なのは、政治家が実際の戦争を知らないということです。そしてかつての政治家よりもレベルダウンしていることです。昨夜の瀬戸内寂聴の対談でも今の政治の動向をとても心配していました。私は政治に関して何も知りませんが日本人を見て日本という国をどう考えているのか何を目的に生きているのか、確固とした信念なく流されているのではと思えてなりません。どんどん便利なものが世の中に満ち満ちて再び購買が上がってきています。デカダン(退廃)が進んでいるのではと思います。これから自分の信念は何かまだまだ煮詰めていかなくてはなりません。60歳の時パリで13ケ月かけて制作した「キリスト磔刑三面作」が17年ぶりに手元に戻って毎日眺めています。当初は埃とカビで作品が終わりかとおもいましたがなんとか画面を復元しました。これを制作しただけで生まれて作家になった意義があると反復して確信しています。人が何と言おうと自分には確信できます。あの時でなかったらやはりできなかったでしょう。その後10年後に「被爆の聖母子」をつくりましたが神秘の深さが違います。一生かかっても一人のアーチストの本質的進化はないようです。本当に大切なものは生まれた時からもっているもののようです。いまいやっというほどそれを感じます。フランクルは自分が人生に期待するのではなく、人生が自分に期待するのだといいます。本当の本当の意味はまだわかっていませんが「キリスト磔刑三面作」をようくつくらせてくれたと天に感謝します。この作品が今年私の目の前に現れ、駄目になる寸前で復元できたのも何か大きな力が働いたのではと思えてなりません。熱中症と膀胱炎様で気力がダウンしていますが早く気力を取り戻したいと思います。