5,6にち休んでしまいました。実は久し振りにテレビでイタリアの巨匠ヴィスコンテの古い作品「若者のすべて」を観たあとで興にのってブログを2時間かけて書いたあと殆ど読み返し終わろうとするとき初めてハッカーというのか幅2㎝の鉤型の部分が白く抜けてそのあと1秒間ぐらいその空白にアラビヤ文字の文章がスーッと流れて消えました。文章は記録されていないということで駄目になりました。久し振りに面白く書いたあとだけに気がぬけました。それから連日暑いこともありまた高校野球も始まって書かずじまいになりました。そんなおり今芸大の音楽家の1年生の華恵という女性がヴィジターとなって世界のユネスコ遺産を時代順に訪ねる番組が一挙に放送されアフリカのセネガルが最初は金の貿易、下がって今度は奴隷貿易の基地として栄えその時のポルトガル、スペインの城がユネスコ遺産になっており、その他にも小さな村のなかに一見日本の蔵をおもわせるあまり大きくない何棟かの建物が遺産に指定されそのヴィジターもあまりの小ささと簡素なのにびっくりしました。中にはいると広場になっていてセネガル人にとっては神聖な場所なのです。そこには老婆の祈祷師というか占い師がいて華恵は自分の将来を占ってもらい通訳をとおして聞き涙を流しました。その内容は公表されませんでしたがそうとうインパクトがあったことは急に涙を流したことでもわかります。文明の先進国にも特に女性の占い師など過去世や未来を言い当てるひとが世界には何人もいますが一般に後進といわれる地域の呪術師はときとしてその地域の政を決定していることもあります。今はそのような地域も白人の法体制が中心になっておるが民衆は依然として占ってもらっていて往時の力はなくなったもののしかしまだ支持されています。人間には文化の差を越えて人類に共通の集合無意識があるとユングなどいっております。後進地域の占い師などはこの集合無意識をよく感知できるのではないか。そして人間の行動は理性によって形成される意識よりもより無意識によって影響され決定されるのであろう。これは高度な文明人も等しく生命と行動をささえる源が無意識層にあるのであろう。華恵という初めて訪ねたセネガルの老占い師との短い面接で彼女の人生の重要事に触れたことは今もセネガル伝統の占いの有効性を十分裏づけられたと思います。人間にも本来動物に優るとも劣らない予知能力があったのではないかそれが文明の進化とともに意識の領域で文化や文明が進歩していってる間に意識或いは理性人間に進化していった。しかし再びフロイド、ユングあたりから膨大な無意識層の存在がだんだん照明を当てられるようになり人間の行動を決定するものの正体が分ってきているのではないか。アランというフランスの哲学者はこういっています。「悲観主義は気分から生まれ、楽観主義は意志から生まれる。」唐突のようだが今は原発の収束が見えず人心がなんとなく浮遊しているのではないでしょうか。第二次世界大戦後もその直前までの価値観と目標が消え人々は精神的にとくに戦地から帰ってきた兵士などは精神喪失状態であったろう。しかし地球は破滅せずに復興し一時期世界のおおくの人々は繁栄に酔っていました。そして今また世界の人々は原発の恐怖に陥っています。わたしもこの文明が終焉を迎える気分にしばしば襲われます。しかしその度にアランの前述の言葉を噛みしめて希望の可能性を抱いています。世界遺産のなかには負としての人類の遺産もありますが人類は犠牲を払いつつしたたかに人類を存続させて今日にいたっています。こうした意識をもって私個人は今日も健在です。次の瞬間何が起こるかわからないのも生命体の宿命ですがこうしてこの瞬間まだ‶在る〝ということは希望ではないでしょうか。これからまだまだ西欧思想によって切り捨てられた思想、宗教、文化など新たに科学の進化により復権するものは無数にあるとおもいます。最近の宇宙生物学の成果ではこの宇宙には地球と同じ‶水の惑星〝は無数にあるということです。地球だけがこの無限の宇宙のなかで唯一の水の惑星なんてあり得ないことは簡単に想像できます。真理が神の権力によって拘束される時代はとっくのむかしに終りました。これからは地球がまず一つの村になること、村になったらまず人口をコントロールして餓死者や戦死者がでない工夫ができるでしょう。それから人類が宇宙に飛び出せばいいです。我々が子どものころ空想とおもっていた宇宙船など実現しました。ただ権力の亡者たちは成層圏で電磁波爆弾を爆発させ世界のコンピューターシステムを破壊してしまうようなものを考えているそうだがガンが宿主を死なせて自分まで破滅するようになるまで自己増殖するような馬鹿の真似をするだろうか。何としてでも人類は意志と希望によって楽観主義を貫かなくてはならないでしょう。 今は真に考え方と希望を再構築するルネサンスのときではないでしょうか。