昨夜テレビで島民3人が20年もかかって奄美大島に戦後ハブを駆除する目的で放ったマングースの駆除をやり遂げた。島で夫君と獣医をやっている婦人は近頃鳥やカエルの鳴き声がめっきり聞かなくなったことに気がつき野生動物保護協会に問い合わせたところ直接話したいから1度いらっしゃいというので協会を尋ねたらもう1人土地の新聞記者も同席して異口同音に野鳥やカエルなどの鳴き声が聞かれなくなったと訴えました。そして3人が一緒になってその原因をつきとめようと約束した。まずその原因がハブ駆除の目的で放たれたマングースではないかと3人の意見が一致し、夜間寝ているマングースを捉えるため夜に罠をしかけます。しかしハブは夜行性なので噛まれないように最大の注意が必要でした。マングースが面白いように掛かります。そこは仲間に獣医がいたことはこの上ないラッキーで捉えたマングースの胃を調べたら1匹のハブも見つかりませんでした。見つかったのは鳥やカエル、虫など、彼らはマングースがハブを捕食するという神話をくつがえしました。奄美大島はマングースにとってもハブにとっても食の量と種類が豊富なところで毎日マングースがハブと食うや食われるか命を賭けなくともふんだんに食糧があります。その上マングースは昼型、ハブは夜行性日常は出会わないそうです。調査の結果全島に10,000匹以上いると推定され公式にマングース駆除が許可され20年かかって生存ゼロを達成しました。そして本来の動物たちの数が戻りつつあるとのことです。彼ら3人が結束して駆除しなかったら奄美大島の生態系はまったく違って食糧がなくなったマングースがニワトリや家畜、人間にさえ襲い掛かるようになったかもしれません。八丈島の1孤島に置き去りにされた数頭のヤギが30年後に数百頭に増え全島の草木を食いつくし土壌の固まる力が無くなりその土が海に流れ生態系が変化し泥によって昆布類の繁茂ができなくなり良き漁場だったその孤島の周辺で魚がほとんど捕れなくなったそうです。自然というものは長い年月をかけて一つの豊饒なシステムをつくり上げます。しかし噴火や大きな隕石の落下や洪水などでその調和は一瞬にして破壊されることもありますがまた長い年月をかけて新しい豊饒な調和を生み出します。稀には回復不可能になるまでその土地が再生力を失うこともあります。秦の始皇帝の時代彼の墓所に何万という原寸大の兵士や馬のやきものを焼くために森林を伐採し丸裸にして2000年たった今日も黄色い土がむき出しになった山々の地方があります。

今日、科学者のなかに功を焦って本当に検証なしに判断をくだし世に発表することがあります。ハブを退治するのに天敵とおもわれていたマングースを放ったのもそのよい例です。このためにどれだけ生態系を乱し元に戻すのにどれだけの時間と労力を費やしたか。これからは人間の利益のために早急にことを行い過ぎないよう十分の注意が必要でしょう。奄美大島の動物はハブに襲われたときの逃げる方法をいろいろ、それぞれ知恵をしぼり長い年月をかけて編み出しました。自分がいる場所から垂直に飛び上がる動物など、そんな知恵をマングースはた易く踏みにじりました。弓矢で動物をとり彼らの必要以上の殺傷をしない部族に鉄砲をもちこみ、持ち込んだ者が象牙や犀の角やゴリラの足を要求したら彼ら部族の伝統と自然観も早晩崩壊してしまうだろう。文明が進んだと称する国家なり民族が少数民族、部族の伝統をこのようにして破壊してきました。世界の人間が同じ価値観と生活のシステムになってしまったときかえって地球に警鐘をならせる人間がいなくなってしまうかも知れません。福岡正信先生は90過ぎて根っ子と幹がわかっても枝葉がわからなかった、鳥や動物のほうがよほど人間より自然を知っているといいます。分析した知識としての自然と瞬間瞬間変化している体温と呼吸をしている自然を知るのとでは月とスッポンの違いがあるだろう。誰だったかある科学者がサルにマスターベーションを教えたら死ぬまでやるだろうと宣いました。人間より動物のほうがよほど知恵があります。そんな馬鹿は人間をおいていません。麻薬やアルコールを死ぬまでやるのは人間だけです。脳波を取るロボトロミーはかつてノーベル賞をもらいましたが今は用いられません。マングースを放ったように人間のお体様にはそれ以上の注意が必要です。人間には本来自然治癒能力が備わっています。それを助けるのが医学の根本で、ときとして薬漬けにして自然治癒力を台無しにしてしまうのも現代医学の医療行政からくる欠陥です。文明全体が、人間そのものが,病んでいるように私には見えます。若者にはこの文明のシステムを壊しはみ出すくらいの活力をのぞみたいです。とにかく金のみしか価値のないこの文明と人間観を大きく変えていかないと、ニーチェが19世紀に「神は死んだ」そして今「人間は死んだ」と宣言しなければならないだろう。