しばしば図書館にいって毎回5冊づつ借りるのだが感動する本は年に2,3冊ぐらいだ。殆ど感動するようなら一生読書して暮らすようだろう。まあこんな程度でいいのかも知れません。今回借りた一冊がM.Kシャルマ氏の「喪失の国、日本」いらい約1年ぶりに感動しつつ目下1/5ほど読んだ「エリザベス.キューブラー.ロスの「人生は廻る輪のように」だ。彼女はスイスで1926年生まれの精神科医、ターミナルケア、サナトロジーのパイオニア的存在だ。この中に彼女のおばあちゃんの客間のベッドの上に掛けてあった詩が紹介されてあった。
もうだめだと
思ったときはいつでも
どこからともなく
小さな光がやってくる
その小さな光をみると
また勇気がわいてくる
そして、もう一歩前に進む
力がわいてくる
彼女は生まれついた強い正義感、愛、人間の連帯を持った稀なひとです。人生のすべての困難が全部人生を発展させ素晴らしい人との出会いをつくり彼女の人間への愛の行為を益々確信へと導く。三つ子の一人であった彼女は神に祝福され望まれてこの世に生を受けたとしかいいようがないほど死の危険から一命をとりとめ迷うことなく彼女の精神は磨きぬかれていく。マザー.テレサもそうですが神に祝福された稀有のひとがいるものだ。悪が大勢を占める時代がきても砂漠のオアシス、暗闇の一灯のように光り続け人々に希望を失わせない神の配剤なのだろう。世界は出版花盛り、しかしその90パーセントは取るに足らないものだがそんな中宝石のような本がときとしてひっそり発見されることをひたすら書架で静かに待っている。ときには刊行当時世界的ベストセラーの本もあるだろうが5年10年たつとこのスピード社会では忘れられるだろう。図書館というのは有難いものだ。こういった本がいつも書架にある。この不況で利用者が増えているように見える。不況というのは悪い面ばかりでなくこのように良い面も大いにあります。以前曲がったキュウりなど市場の競にかけられなかったのが生協その他で引き取るようになったり無駄が少なくなって大いに結構。豊かになって人間が傲慢になって無駄をし人間がばらばらになる。かつてミャンマーの高僧がいっていましたがちょっと貧しいくらいが人間にはいいのだと。急に涼しくなって読書には最適な季節になりました。これから内省の時にしたいものだ。私は暑さに超弱く毎年7,8月は開店休業状態です。涼しくなり焦りを感じます。本来怠け者で何か決意みたいなものが湧かないと日々ボヤーッと過ごしがちだ。しかし人生最後まで進化するのが目的なのでそれに向かっての生の意志は失っていないとという自負はある。しかしキューブラー.ロスは人間は生きているだけでいいのだといいます。数々のターミナルケアとサナトロジー(死の科学)の経験をとおして命そのものの大切さを実感しているのだろう。私など人間の究極に出遭ったことがないので人間の目的は内面の進化だなんていっていられるのかも知れません。ロスは期せずして仏教のアヒンサ(生きてるものを殺さない)の真の意味を理解しているのだろう。言葉によって世界が変る、己自身が変る。人間を正すには正しい言葉、愛語を発したいものだ。