愛する魂の冒険者たちへ
ニュースを目にされた方も多いと思いますが、
登山家、栗城史多さんが亡くなりました。
哀悼の意をこめて、
2014年、取材させていただいたときにブログに書いた内容を
載せさせていただきます。
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「月明かりは、暖かい」
若き登山家、栗城史多さんと、
作家の本田健さんの対談を取材させていただきました。
栗城さんが淡々と語る、
詩的といってもいい言葉のなかに、
この世の極限の世界と、
人間の不思議さがありありと描き出されて、
まるで映画を見ているようでした。
標高数千メートルの地では、
月が出ているときと出ていないときで、
体の動きが違うのだそうです。
太陽の光は私たちの体を暖めてくれますが、
実は、「月の光にも暖かさがある」と。
体の奥から、畏怖に似た念と、感謝を感じたのでした。
なにげなく過ぎていく一瞬一瞬や風景に、
いったいどれだけの恩恵がひそんでいるのでしょうか。
栗城さんは、「私たちは皆、それぞれが、見えない山にチャレンジしている」と言います。
強さを目指さなくてもいい、
一歩をスッと踏み出すだけの小さな勇気があれば、と。
そして、下山の決断も、たいせつなことなのだと。
自分の弱さもありのままに認める栗城さんは、
よく光るまなざしも声もとてもチャーミングで、
おおいに刺激を受けたのでした。
美しい写真と言葉に満ちた栗城さんの著書「弱者の勇気」。
夢を追いかけている人にも、人生に疲れた人にも響く1冊だと思います。
なぜ栗城さんが、数千万もかかる、
登頂のインターネット生中継、「冒険の共有」にこだわるのかも書かれています。
本田先生、栗城さん、ありがとうございます(^^)
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見えない山を登っているすべての人を
力づけられたら、という思いで、
「冒険の共有」をしている…と、栗城さんは語っていました。
ありがとうございます。
心からご冥福をお祈りします。
今日も命にありがとうございます。
西田普