近所の公園に、それはみごとな、広大なコスモス畑があるんです。
そのコスモス畑で出会った、おじいさんから聞いた話です。
*私が死んだらそれでおしまいにするという約束で、公園の一角を借りて、このコスモスの畑をやっています
*毎年、5~6月から始めます。草刈りしたり、脇芽をつんだり、たけを調節したり。
それを一日に5~6時間やります。
無償です。15年間やっています
*コスモスは10月上旬ごろにかけて満開となり、見ごろを迎えます
*咲き終わったら、刈ります。刈ったものは捨てます。
そういう後片付けもします。
全部おわるのは毎年12月ごろ
*私は戦中生まれなんです。76歳です。
自分の健康と楽しみのためにやっています。
目標や生きがいをもっていられると、元気でいられますから。
特に定年後は、そうなんです
*10kgやせて体調もいいです。
だからほんとうに自分のためです
*ひっそりとやっているほうがいいんですよ。
役所の人たちは、公園の一角を花畑にしていること、黙認してくれてるんです。
話題になっちゃったら、なにかと手続きが必要になって、
役所の人もめんどうくさくなって、もうやめようよってなっちゃうかもしれないでしょ
*みんなが喜んでくれたらそれは満足です。
最近はわざわざ遠くから来てくれる人もいるみたいです
*この世の天国みたいだ、なんていってくれる人もいます。
涙が出るほどうれしい
*この花を見てくれた人の心が少しでも安らぐとしたら、
世の中が平和になっていくお手伝いになるかもしれない。
戦中生まれですから
*私が死ぬときは、このコスモス畑の中でって、決めてるんです。
そうでなければ、ビールのおけの中で死にたい(笑)
*言い忘れました。夫婦がともに健康でいることがたいせつなんです。
ここでの作業は私がやっていて、妻は自宅にいますが、
この作業服の洗濯は妻がやってくれています。
だから、二人でやってるんですね
*もし妻が病気になったら、このコスモス畑はおしまい。
私は妻を看病しなければいけませんから
この、おじいさん、
僕と夏実は勝手に「コスモスおじいさん」と呼んでます。
結構、びっくりするくらい広いんですよ、おじいさんのコスモス畑。
100メートルかける15メートルくらいあるかな。
よくおひとりで(おふたりで)毎年作ってくださっているなあと思うんです。
犬の散歩してるおばちゃんも
ジョギングしてるおじちゃんも
家族連れも、お花みたいな顔で、ほうっと、コスモスを見ています。
「あ、今年も咲いている」と、
コスモスおじいさんもコスモスおばあさんも元気なんだろうなあと、
ほっとしますし、
そういう思いさえもぜんぶ、一瞬どこかへいってしまうほど、
コスモスが金色の夕日に輝いて、風に揺れているのは、
ほんとうに天国を思い出すような光景なんです。
うわーあ!って、声が出てしまうくらい。
ほんとうに
あのとき、あのコスモス畑、きれいだったなあ、
お父さんもお母さんも、まだ若くて、幸せそうに笑ってたっけ、、、って、
40年後に、大人になってまた自分の家族をつくった
子どもが思い出しそうな、景色なんです。
役所の人が黙認してるっていうのもおもしろいですよね。
コスモスは、「宇宙は調和している」という意味もあるそうです。
今年も来年も再来年も、きんぴらごぼうのお弁当をもって、あの天国に行きたい。
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