9月9日の厚生文教委員会にて、この1ヶ月と2週間小金井市を騒がせている「公立保育園3園の廃園方針（案）」そしてその準備行為としての「来年度2園0歳児募集停止」について、新たな展開がありました。
◯公立園2園の廃園完了時期「1年延伸」、来年度0歳児募集停止も撤回
この日は「利用者等との十分な協議・理解を得ないまま公立保育園の廃園への準備行為の中止を求める陳情書」が新たに提出され、陳情者から陳述がありました。この陳情書は追加署名398人で総署名数4,847人となっているそうです。陳述は非常に丁寧にわかりやすい内容でまとまっていて、心から共感できる内容でした。
この陳述の後に、質疑に入る前に市長から発言があり、公立園2園の廃園完了時期は「1年延伸」、来年度2園0歳児募集を停止しない（募集をする）ことが述べられています。
＜市長発言のポイント＞
①公立保育園3園の廃園方針（案）に示されている段階的縮小の完了時期を、R9年度末（R10年3月末）へ1年延伸する
②R4年4月のくりのみ保育園とさくら保育園の0歳児クラスの園児募集を行う
③保護者向けの説明会を10月に複数回開催する
④①〜③にあわせて、廃園方針（案）の内容を修正する（10月の説明会迄に）
⑤上記内容について、9月10日に保護者へ通知のお手紙を出す
さすがに乱暴すぎる進め方について指摘され、このままで進められないと感じたのでしょうか。市からは「議会や保護者からの意見、そして、説明会を開催できていない現状を踏まえ」というような答弁が出ています。
◯市はただ1年延伸しただけで、廃園方針（案）の考え方は変えていない
市は説明会が開催できてないことから、市民参加条例に抵触している可能性を否定できなくなったのではないか、と考えています（議会の質疑では決してそれを認めていませんが）。
で、1年延伸した訳ですが、ここで大切なことは、
その着手が1年遅れるだけである
ということです。
「議会や保護者、地域の皆さんから厳しい意見をもらった」とは言うものの、言ってしまえば考え方を変えた訳ではなく、ただ1年延伸しただけで、廃園方針（案）の考え方は変えていません。また、根本的な問題にはスルーで、改める腹づもりは全然ないようです。
基本的に、市長は考え方を改めていない
ということが、この日の質疑を聴いてもよくわかりました。本当に「子育て環境日本一」を掲げた人の考えることなのか全く理解できません。
※陳情書は22日（予備日）まで「保留」という扱いになりました。
◯その他分かったこと、説明会について
保護者向けの説明会については、10月に複数回開催するということでしたが、まだ会場押さえも確定しておらず、現段階では詳細が述べられませんでした。しかし、オンライン開催については「技術的な問題」としてできないことや、コロナの状況を踏まえて1家族1人を考えていること、事前予約制を取るが当日枠があれば受け付けるかなど運営手法については検討中とのこと。
また、保護者以外の説明会も検討しているが、まずは保護者向けを優先させたい（今日は何も述べられない）とのことでした。
◯「保護者の理解が必要である（でないと進められない）」という民営化方針時の対話の姿勢は、廃園方針になって豹変！？
これは私の一般質問でも聴いてみたことですが、市長の対話姿勢について坂井議員からも聴いていただきました。すると、あくまで「説明会にあたって、ご理解をいただけるように最大限努めていく」と述べるだけで、これまで丁寧な対話の姿勢が廃園方針になった途端になぜか豹変するという、意味不明な答弁が続いています。
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市 長 発 言 ※全文
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「新たな保育業務の総合的な見直し方針案」及び「公立保育園の園児募集に係る調整」に関し、冒頭、私の方から発言させていただきます。
現在お示ししております「新たな保育業務の総合的な見直し方針案」につきましては、7月7日に組織決定し、その後、7月28日、8月10日及び8月27日の厚生文教委員会において、行政報告させていただき、様々なご意見を賜りました。
また、保護者の皆様に対しましては、8月2日の文書及び方針案をお送りし、その後8月12日に訂正文書をお送りしたところでございます。これに対し、保護者の方々、また市民の方からも多くのご意見を頂戴しているところでございます。
しかしながら、この間、保護者の方々に対しましては、コロナ禍により、園の行事についても縮小して行わなければならないほどの状況下にございましたので、説明会が開催できていないという状況でございます。
この間、市議会においては、市からの説明に対し、厳しいご意見とともにご理解いただくご意見など、双方のご意見を頂戴しましたことは、私としましても十分認識しているところであります。
そのため、市議会及び保護者の皆さまからのご意見と説明会が開催できていない現状を踏まえ、段階的縮小の方針は堅持しつつ、くりのみ保育園とさくら保育園の段階的縮小完了時期について、令和9年度末（令和10年3月末）に1年延伸させていただくという考えに至りました。
次に「公立保育園の園児募集に係る調整」についてでございます。
市では、これまでも市内保育定員適正化の一環として「公立保育園の園児募集に係る調整」を実施してきたことについて、市議会においてもご理解をいただきたくご意見も頂戴したところでございます。
しかしながら、今回の0歳児クラスの募集しないという調整を行う件については、厳しいご意見とともにご理解いただくご意見など、双方のご意見を頂戴しましたことは、私としましても十分認識しているところであります。
これまでの市議会及び保護者の皆さまからのご意見と方針案にかかる説明会が開催できていない現状を踏まえ、令和4年4月のくりのみ保育園とさくら保育園の0歳児クラスの園児募集を行うこととさせていただきます。
市内保育定員の適正化の課題については、令和5年度以降の保育所整備等の状況なども含め、引き続き検討してまいります。
そして、この間、お時間をいただいております説明会の開催にあたりましては、10月に開催することとし、現在、準備を進めているところでございます。
なお、今回の変更に伴う方針案の修正につきましては、現在、作業中であり、10月の説明会を目途に、修正後の方針案をお示しする予定でございます。
最後に、本日の私の発言に係る保護者の皆さまへの周知についてでございます。
本日、私の方で発言させていただきました「くりのみ保育園とさくら保育園の段階的縮小時期の1年延伸」、「令和4年4月のくりのみ保育園とさくら保育園の0歳児クラスの園児募集を行うこと」及び「10月に保護者説明会を行うこと」については、明日を目途に、保護者の皆さまに対して、ご通知差し上げる予定でございます。
また、市ホームページの掲載内容につきましては、今後速やかに修正等をさせていただきます。
私からは以上です。
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