7月28日（水）午前中、公立保育園の「廃園」方針に関して市に情報公開請求したものが出てきました。全部で6,620円。コピー代10円だから662ページにのぼるのですが、内容をみると半分以上は公開されている情報という…。
私が求めた資料は以下の通りです。
↓
『令和3年6月「保育業務の総合的な見直しに係る見直し検討結果報告」の「あらゆる可能性の整理・検討結果」に関して“あらゆる可能性”を検討した記録・会議の議事録・調査資料一式』
…しかし、ほとんどが①他自治体資料（東久留米と国立を視察したらしい）、②過去の児童福祉審議会答申、保育検討協議会意見、運営協議会まとめ１期−３期、保育計画策定委員会の抜粋議事録。…その他庁内での議事録的なものはなく、あくまで理事者協議資料が数枚ペラっとあるのみ。
◯開示資料の一覧
↓
…要するに、若干調査はしたけども「あらゆる可能性」を検討した記録はないことがよくわかりました。2019年に「あらゆる可能性を排除せず」と市長は答弁したよね。単に民営化の手法が段階的廃園に変わっただけですよ。
とりあえず、事実関係として分かったことを記しておきます。
◯R2年7月20日までの段階で、既に「廃園」の選択肢について検討をはじめていた
開示資料の中の「理事者※報告資料（R2年7月20日）」によると、「４ 〜令和2年7月」のところ、「以下、引き続き検討・整理を行っている」項目に「②新たな手法についての具体的な検討の着手」に「ア 段階的廃園方式」「イ 部分的委託」と書かれてあります。要するに、このR2年7月20日までに既にこれらの検討を行ってきたということですね。この検討の始まりはどこにあるのかは公開された資料ではわかりませんでした。
※理事者とは…特別職である、市長、副市長、教育長を指します。ただ市長は必須として、こういう協議は打ち合わせ的なニュアンスもあるため副市長、教育長が必ずしも同席している場でもなさそうです。
◯他市事例を参考にはしているものの、それをどのように咀嚼したか分からない
公開資料によると、東久留米市および国立市にはR2年1月23日に視察に行ったようです。それらも参考に他市事例を整理しているものの、簡素な内容でこれを元に小金井市としてどう咀嚼したのかの検討・協議の記録は見当たりません。ここで気になるのは、国立市の事業団方式。武蔵野市の財団方式と似た形式のようですが、これをどこまで具体的に検討・協議したのかは不明となります。
◯R3年4月28日、突如として方針案が庁内でほぼ固まる
「理事者協議資料（R3年4月28日）」によると、「保育業務の総合的な見直しに係る新たな見直し方針について」という資料をもとに理事者協議が行われたようです（しかし、この書面のタイトルの「見直しの見直し」ってどうにかならないのでしょうか…）。
この資料の「２ 主な理由・前提状況」のところに「！（ビックリマーク）」が多用されているのが、行政資料としても珍しいなぁと思います。よほど強調したかったのでしょうか。
上記、R3年4月28日の理事者協議でほぼ内容を固めたことがわかるのは、以下「理事者協議資料（R3年5月20日）」の中に、【R3.4.28確認済み】というのが幾つも記載されているからです。ここまで固めておいて、議会には「引き続き精査中で、しかるべき時にお示ししたい」と答弁を統一する徹底ぶり（詳細固まってない段階では仕方ないですが）。
◯R3年6月24日、理事者協議で最終確認
市議会6月定例会の最終日前日（6月24日）の理事者協議にて、最終的な内容が確認されています。しかし、この理事者協議って記録がないのでしょうか。結果的に7月7日の庁議で承認されたようです。
◯子どものことがどこにも書いていない
6月24日の理事者協議資料の「２ 新たな方針」の「方針転換のファクター」のところに「①子どもを中心にあらゆる可能性について検討した結果」と書いてありますが、この公開された資料のどこにも子どものことが書いてありません。「廃園は在園児の影響が少ない」という程度のことは書いてあるのみです。
これまで、公立保育園運営協議会の保護者の皆さんが指摘してきたことは以下の通りです。
「総合的な見直しが財政面からの検討が中心となっており、保育の内容（保育の質）に関する検討が一切されていない中で結論を導いていることへの重大な懸念」
「待機児童の解消や保育サービスの向上、施設の老朽化などへの対応のため、財政面での制約を理由に運営形態の見直しを主張する市の課題認識に対しては、あくまでそれぞれの課題の内容や重要性に応じて解決策を検討すべきであり、公立保育園の運営形態の見直しとは別問題」
「公立保育園の運営形態の見直しを検討するのであれば、第一に公立保育園の現状の評価（特に保育内容）や意義・役割が検討されるべきであり、その中で利用者の満足度や費用などを多面的に議論されるべきものである」
（引用）
小金井市公立保育園運営協議会 2019（令和元）年11月16日 保護者委員提出資料（資料235）より抜粋
https://www.city.koganei.lg.jp/shisei/seisakukeikaku/kosodate/kyogikai/30unkyo.files/51-s235.pdf
余談ですが、情報公開請求したらいつも連絡があって、どういう資料があるかないか含めて確認が入るんですが（これは都への請求でも同様）、今回は音沙汰なし。そして無駄な資料も含めてドカッと渡されるという…（あ、一応情報公開係から「要らないものは抜いて頂いて結構ですよ」と言われたものの、こちらも時間ないから精査する間もなかったということです）。しかし、担当課から連絡が一言もないというのははじめてですね。
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