あるべき保育の質と保護者の想いが交錯する時代〜こがおも勉強会・保育シリーズ第2弾を終えて | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

午前中はこがおも勉強会「保育シリーズ第2弾 保育の質とは 新制度の問題点」を開催しました。早朝から雨が降り、嫌な天気だと思っていたら開催前に雨はあがり、逆に効かないエアコンと格闘しながら窓際の席は日差しがとても暑く感じるいい陽気の中、こがおも事務所には私とスピーカーを除き18名もの方が集まり、またもや盛況なイベントとなりました。

 

 

おもしろいのは参加者です。小金井市の保育を利用しているママ、パパ、かつて小金井の公立保育所で働いていた方、そして学童関係の方、さらには小金井市外からも所沢市、杉並区、小平市、府中市、あきる野市からも保育関係者などが集い、多種多様な集まりとなりました。

 

▼近隣住民の理解を得ることに苦心した第2保育園開設

 

わらしこ保育園を問題意識のあったメンバーで無認可施設として立ち上げ、認可運動に必死の想いで取り組んだ経過や成り立ちなどもお話いただきました。第2保育園の開設の際は最近各地で問題となっている近隣の理解を得ることに苦しみ、様々な努力を積み重ねていることなど「子どもの騒音問題」が身近でどこにでも起こりうることだと実感しました。

 

よくよく考えれば、既に運営している保育所でもそういう課題とはずっと向き合ってきたのだろうということと、近年待機児童問題が首都圏を中心に取り沙汰され、その解消に向けて各自治体は土地・財源・運営先の確保に奔走していますが、思うように解消が進まないのはこの課題と直面しにっもさっちもいかない事態に陥ることも稀な話ではないことが推測できます。「子どもの騒音問題」はごく身近に当たり前のようにあるのです。

 

 

▼あるべき保育の質と保護者の想いの交錯

 

わらしこ保育園では、0歳時からでも子どもが自分でできることを見極め、自主的に食べる・遊ぶ・寝るを行えるような育ちを支援している、という点を強調されていたように思います。質の話でいえば、自然あそびや障害をもつ子どもの対応と配慮、さらには「保育の質」を語るには保護者の関わりが重要だと述べられていました。保育園に完全に任せてしまうのではなく、保護者も一緒になって保育をつくる、ということです。

 

ただし、これはわらしこ保育園ではなく保育を預かる現場からの意見として、どうも親御さん自身の保育というものへの考え方が少し変わってきたような話もされていました。TV、スマホ、早期教育、子どもへの習い事の押し付け、などがここのキーワードです。5歳くらいで習い事を1つもしていない子どもは少ないとのこと。なんと府中市には3歳から英語だけの保育所みたいなものが存在するらしいです。親は子どもの将来を思って早期から教育熱を燃やすようですが、大伴園長はそこに警鐘を鳴らしています。

 

「子どもたちは平日の保育でヘトヘトに疲れています。そこに、家庭でのプラスαの育ちの要求は、子どもたちにとってプレッシャーにもなります」

 

「就学するまでは、心と身体をしっかりつくることが大切なんです」

 

この習い事などについての話については、参加者交えて様々な質問・意見が飛び交いました。

 

  • 何をいつ頃からやらせたらいいのか?
  • 周りがやると親としても焦ってしまうのが正直な気持ち

 

何が正解かはわかりませんが、大伴園長がいう「心と身体をつくることが先決」ということは大切な言葉だと認識しています。ただ、私も2児の幼児を抱える立場としては周囲がアレコレやっていると焦ってしまう気持ちはわかります。あくまで参考程度に述べますが、今の仕事で脳科学を勉強していますが近年の脳研究で有名な学者の1人である東北大学の瀧教授が言うには「外国語は8歳くらいからでいい」と結論づけていたのが印象的でした。何よりも重要なのは「好奇心をめいっぱい育てること」だそうです。

 

 

▼新制度について

 

今の子ども・子育て支援新制度では、幼保一元化が最も大きなテーマだったのではないでしょうか。最終的な落とし所としては、認定こども園(4形態)、保育所、幼稚園という3つの形になりましが、この一元化がまだうまく設計できていない点が今後の課題だといえます。

 

また、6歳まで幼稚園や保育所で育った後は小学校へ入学することになりますが、小学校との連携がうまくできていないのではという声もあがりました。参加者からは「連携の話になると小学校が悪者になりがちだが、保育所や幼稚園側で、その先の小学校のカリキュラムをしっかり把握して連携対応を考えている園はないと思う」と指摘もありました。

 

 

▼さいごに

 

上記のほかにも、学童に関してや、認可保育所を望む親のニーズと審査の仕組みの構造的ミスマッチについて、私立保育所の情報が入ってこないことの不安など、様々な相談・質問があり時間をオーバーしてしまいました・・・。今回はタイトルに入れていた「新制度」については余り話す時間がなかったのですが、特に「保育の質」そのものの答えというより、「保育の質」の材料をたくさん投げかけていただき、気づきをもらったような気がします。個々の子どもによって育ちがそれぞれ異なる中、どんな子どもでもその個性を伸ばし育ちができる子育て環境をつくるため、私たちは何ができるでしょうか。ある参加者は「親が変わらないといけない」と述べておられました。そうかも知れません。

 

大伴園長、ありがとうございました。

 

 

※次回「保育シリーズ第3弾」は9月17日(土)15:00〜です。

 

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