大みそかに対戦すると発表のあった天心とメイウェザーは交渉内容に不同意( Exhibition と聞いている)があってメイウェザー側は試合に同意しないと自身のインスタグラムで表明している。

 

私は試合が決定したと一報が届いた時に私が某TV局のデレクターで新興格闘技のプロデュースするならどうするだろうかと考えた。RIZINというイベントが天心を売り出す為のイベントであれば、このメイウェザー戦というのは賭けに値するだろう。現にニュースは瞬く間に世界に発信されて少なくとも格闘界では大きな評判になっている。一方、持続可能なイベントとして考えるとするなら、まず中長期的なのか短期的なのかビジョンを見据えて、それにはターゲティングを見誤らないことが重要で、例えばボクシングは今は老人の保養としてチョイスするが=短期的、中長期的には厳しい可能性がある。一方の新興格闘技は老人の保養には難しい=団塊ジュニアを中心に若い人も育てていくイベント(親近感の面でボクシングと比べると新興格闘技はTV視聴率のカギを握る老人には馴染みにくいから今は視聴率が伸び悩むのは当然と考える)と私は想定するので将来の投資(コンテンツ)として中長期的に戦略を考えた場合、今のようにゴールデンタイムで消費させて視聴率が取れない=コンテンツとしての魅力がないというのは避けたいところなので深夜枠でコンテンツ力を養いながら中長期スパンで育てていきたいと考える。

 

どうして、そんなことを考えるのかというと、あの修斗(アマレス期待のということで小学生のころメディアに取り上げられていたので、その存在は随分前から知っていた。)での狂気じみた山本さんの出現はとても衝撃で格闘界の中では気にしていた存在でしたので、その後、K-1でフェザー級のトーナメント(訂正、村浜との試合のことでトーナメント覇者村浜との試合(MAXが正解)、HEROS、ダイナマイツ、レスリング、ドリーム、UFCと足跡を覗いてきたけど、彼自身は随分と活躍して、その名を遺したが、結局、桜庭さんや山本さんを使っても総合格闘技を日本から世界の興行として価値を上げて根付かせることは出来なかったというのが私の評価で、彼らは注目を浴びるという資質を持っていて「価値をあげる」可能性もあったので、どうしてそうなったのと天心の登場で再考する機会が訪れたからです。

 

それはバターン号の再来にも書きましたが世界の興行としてリデル、クートゥア、ティトオーティズ、ランページとリアリティ番組(ジ・アルティメット・ファイター)を上手に使い価値を上げて根付かせたUFCの存在があるからでメイウェザーはCNNだったかな?のインタビューでヌルマゴメドフとのボクシングマッチを問われたときにやぶさかではないボールは向こうにあると、自らはAサイドの人間だと強調、他方、RIZINと天心については極東のよく知らない存在だと話していて、これは山中さんがPFP( パウンド・フォー・パウンド )に選出された時にも誰やねんと述べていたように、井の中の蛙という言葉があるけど、実はAサイドの彼は井の中の蛙なのである。しかし、それは仕方がないことでやはりアメリカはエンターテイメントの中心地であり、別に知らなくても全く問題ないのである。これに文句があるなら日本発として著名になり知られたらいいだけのことで、マクレガーがジャッキーと天心をおちょくったように彼らは中国、とくにジャッキーのことはよく知っているのである。要するにAサイドの人間は対戦相手にAサイド=認知力を求めるわけでヌルマゴメドフとの対戦話もUFCという看板(ビックマネーに繋がる)があるからに他ならない。

 

ここで疑問も出てくる、日本人に向けられた興行なのだから日本で気に入られたら別に世界に名を轟かせなくてもいいじゃないのという疑問である。それは確かに、その通りでいくら世界基準のイベントだとしても日本で受け入れらていなければ日本で興行する意味がない。日本人の為の日本の興行で良いではないか、だからこその異種格闘技戦なのだろう。こういうことをガラパゴス化ともいうが、それでやっていけるのなら無難と考えることもできるが持続可能を考えると選手の価値と同時に種目の価値も上げていくことも考えないといけない。そうすれば価値の上がった選手がいずれ衰退して引退しても種目の価値は残るので持続していくことができる。それがAサイドの種目であればなお適当で世界基準の種目として世界から投資の対象になるかも知れない。

 

UFCは、ここが上手でターゲットセグメント(どういった層が顧客になるのか)の分析力が高いと思うのはリデル、クートゥア、ティトオーティズ、ランページとリアリティ番組(ジ・アルティメット・ファイター)で顧客(喧嘩好きというかなんというか)を獲得していったところで、さらに一昔前は功夫や空手、セガールの合気道で格闘するという映画があったけど最近ではグラウンドからの三角締めというのも珍しくなくUFCの選手が映画に出演し、その技術を披露したり、日本でもV6の岡田さんのSPで披露していたがUFCが有名になるとともに映画でグラウンド技術が取り入れられた。つまり媒体を巧妙に使い認知度を高めてAサイドの種目に成長させたということである。日本も桜庭、山本等々で爆発的な人気を得て総合格闘技の認知度を高めたがAサイドの種目として団体を引き継いでいくことは出来なかった、確かにヤクザ関係でTV局に切られたというのもあるだろうが、ここもかつてマフィアとボクシングの関係に疑惑の目を向けられたが国と結託してマフィアに責任をかぶせて追放でそれをさらりとかわしたアメリカボクシングのように上手にやる方法もあったはずだ、と上手にやれば団体の引継ぎ=Aサイドの種目として生き残ったのかもしれない。

 

こうしたことを前提に日本の総合格闘技もAサイドの種目になる可能性は十分(UFCがPRIDEを意識して買収した=価値があった)にあったが、もしも山本KIDさんが異種格闘技戦に参加せずに総合格闘技一本に注力していたら日本の総合格闘技がAサイドの種目として成長し認知されていただろうか?いやいや魔裟斗さんはキック一本に注力していたけど、結局、スター選手がいなくなると長く持たなかった。だからこそ種目の価値も上げるということになるのだが、それには注目を集める人材も必要という両輪が揃い尚且つタイミング(ファン層)が合うと(運ともいう)その可能性が出てくるということだが、日米の違いはケーブルテレビとペーパビューという文化が根付いている情報産業の差と、それから裏社会に責任をかぶせる、それ以上の悪党の不在?というのがあって、この違いを埋めるのは案外、難しいのではと個人的には思う。

 

 

随分と話がそれましたが、私の考えとしては日本の総合格闘技がTVコンテンツとして大衆向けに発信していくというのは天心という逸材を擁していてもタイミング(TV視聴率の中心は老人)に困難があるので特定のファンに向けて中長期的にコンテンツを作っていくのが今の時代には妥当であると思うから持続可能を考えるとメイウェザーとの対戦よりもまずは日本で地盤を作ることを優先する。今日本で、それを実行しているのがクラッシュを擁するk-1でコアコンピタンスとしてもキックボクシングはMMAと差別化できるのでグローリーと親密になって国際機構として価値を上げていくことができれば大きな成長の可能性もあるが、こういうのは矢張りタイミング、情報産業、敏腕プロモーターの存在というものがあるので一筋縄にはいかないのでしょうね。ということで天心さんはMMAファイターではないのだから、こちらの路線に乗っかかった方がと有りふれた話で締めときます。