「安楽死の話は、「わたしが死ぬ権利」がいつの間にか「お前が死ぬ義務」にすり替えられるから気をつけて。」

 

「75歳以上は希望者に安楽死をご提供」という天国をご用意したところ、いつの間にかどころか速攻で「75歳以上なのになぜ安楽死希望しないの?」な地獄に変わり、健康で働ける後期高齢者が居場所を失う未来はすでに映画になってます。『PLAN 75』って言うんですけどどんなホラーより怖かったです。

 

というのがXに投稿されて、数万のいいねがついていた。

 

先に社会保障の話から、保険はリスクに備える制度だということを前提に、通院する機会が多い老人に対し病院の窓口負担を同じように3割負担してくださいという意見に、老人を殺す気かという反発がある。一方、車の保険で若者は事故を起こす傾向があるからという理由で高額な保険料が発生しているが車を運転するために強制の自賠責と任意の高額の民間保険に入っている若者には統計上仕方がないという理解が多い。民間の健康保険の20代の保険料は補償内容によるが一番安く、年々リスク上昇とともに金額が上がるというシステムで50代が一番高く、60代になると補償内容を見直したりして30代の金額に落ちつくようです。民間のリスク評価による試算ではリスクの高いほうが少額というあり方はありえないことから、保険と称してはいるが、これは現役世代からの所得移転の福祉政策に他ならない。2023年国の一般会計歳入114.4兆円の中、およそ140兆円の社会保障給付費、その内訳は年金60・1兆円、医療費41・6兆円、福祉32・5兆円、それを77・5兆円の保険料と53・2兆円の公費で賄っていて+医療従事者の献身で日本の医療等は成り立っている。そのことからこのバランスの悪さを指摘し、この持続不可能に見えるシステムを維持するにはソフトとハードの中間ぐらいから始めてみればの意見に対して世代間対立を煽っているという反発が出てくる。反発が出るのは仕方がないけど、反発の方々にはこれを維持していく秘策があるのだろうか?MMT論者が言うように財務省が出し渋っていて140兆円分国債の発行で問題なく賄えるのなら(税金なんか取らずにすべて国債の発行で賄えばいい)改善派は世代間対立を煽っているというのは正しい指摘になるだろう。私はそう思わないが。ちなみに官僚さんとかはずる賢いので、大きな声で3割負担みたいなことは言わないで、気づかれないように静かに現在総合病院の初診料が紹介料なしでは5千から7千円に値上げしているように仕組みを変えていて、静かに終焉に近づいていっているのでしょうか?。それもこれも政治家のかわいい、やさしいと思われたい(票田)為の尻拭いなのですが。

 

 

こうした話の延長線に出てくるのが尊厳死や安楽死で、何度も言うが、一応、安楽死は人権尊重からきていているものであるが、体裁のある政府があっさり死を認めてくれると考えるのは甘い見通しで、政治を見てもわかるように本邦の権力者は老人だから上記の医療にまつわる話が出てくるわけで間引き(子返し)は考えられても姥捨て山は政治的に難しい。現実も人権の観点から安楽死が認められるのは緩和ケアの方々が中心でオランダは安楽死が制度にあっても自殺者が増えているように自殺願望だけでは安楽死を認めてもらえていない。それはカナダでも緩和ケア経験者が70%で人権の観点からの制度で、それに適合しないと該当者にはならない。もちろん制度の悪用は考えられないことではないのだが、基本は正常な制度であるときは簡単に死を認めてくれない。「お前が死ぬ義務」を主張するような人が想起するのはおそらくホロコーストや文化大革命のようなものだと仮定すると、ホロコーストや文化大革命は計画的というより「上記に書いてあるような尻拭い」空気を読んで発生したものでホロドモールは5か年計画という稚拙な計画とその計画が上手くいかなかったことを騙くらかすことと独裁している人が自身の正当性を高めることによるものだとすると、むしろ怖いのは(税金なんか取らずにすべて国債の発行で賄えばいい)などの主張している通りにして国が立ち行かなくなったと仮定、老人に思いを寄せた人が、その制度に思いを寄せたのに壊れてあやかれなくなった時にでてくる反動、その反動が全体的に高まったときだと想像する。そうなってからでは遅いので持続できるような改善が求められるとしているが、上の社会保障の話で老人を殺す気かと反発する人は下の「お前が死ぬ義務」も主張する傾向があって、それからMMT論者との親和性も高いということが見受けられる。

 

安楽死を提案されたカナダのパラ五輪選手:きっかけは車いすリフトの要請

 

2022年ごろの記事の提案されたという部分だけを抜き出して色めき立っている人がいたので

 

 

カナダの退役軍人省大臣ローレンス・マッコーリーによれば、少なくとも4人の退役軍人に安楽死が提案されたという案件は一人の退役軍人省の職員によって行われていたようで組織的なものではないそうです。マッコーリーは「こうした問題に関わりをもつ退役軍人が本件について見聞きするようなことがあれば、申し訳なく思います。当事者がこのようなひどいやりとりに耐えなくてはならなかったのは残念です。我々は、このようなことが二度と起こらないよう、できる限りの対処を講じるつもりです」としている。また、提案された一人、ゴーティエさんがトルドー首相に手紙を書いたところ、トルドー首相は「絶対に容認できない」「カナダ退役軍人省は、国を守るために戦った人たちを支援するために存在するはずで、安楽死を提供する機関ではない」「私たちは追跡調査を行っており、誰の目にも明らかに必要と思われるプロトコル改定を行っています」という反応をしています。

 

 

 

体裁のある政府の基本は正常な制度であるときの対応といったところでしょうか?再度言っておきますけど、これは人権人権から・・・