ボクシングファンとしての使命があるとすれば
「昨今、日本でも挙がりましたがマンガかぶれの精神論が根強いようなので
打ち合い至上主義にKO至上主義が好まれておりアウトボクシングについては
臆病者だと1700年代レベルの考えがいろはを知らない一般だけではなく
一部のメディアから語られるという状況にある」
私はこうした傾向(意見)には反対だ
理由はこれまで書いてきたように技術の向上を損なうことに繋がるからということとも一つ
どちらかというとこちらが、この使命についての本旨となりますが
こうした事を主張する人がディヴィ・ムーア×シュガーラモスの時のようなリング禍が起きて
フィル・オクス「ディヴィ・ムーア」やボブ・ディラン「who killed Davey moore」などの
有名ミュージシャンが曲を作り、そして賛同していると思っていたいろはを知らない
一般の方が手のひらを返してボクシング廃止論が社会現象化しても逃げずに
「リスクを承知した上で行っているのだから、それは選手の自業自得だろう」という理念で
反発する空気に真っ向対立するなら、それはその人の信条なので尊重しますが
事が起きるとコミッション(勿論、コミッションら関係者には責任がある)や
レフリーに責任転換をするだけで、その責任から逃れようとするのなら
それは無責任この上ないと言うわざるを得ない。
ボクシング界は存続の為にこれまでラウンド数を減らしたり
ストップを早めにするなど様々な安全対策をして未然に事故を減らそうと目指してきたが
残念ながら事故は起こっていて2013年4月にイギリスで31歳のボクサーが死亡
10月19日にも26歳のメキシコ人ボクサーが8回KO負けした後に死んでいる。
私が井岡×八重樫でメディアやファンが大絶賛している際に
高水準の試合ではないとしたのも何も彼らを貶めようとして書いたのではない
ガードが低くても打ち合えば賞賛されるというのは間違ったアナウンスだと思っているからです。
経験の少ないボクサーに与える影響を考えてみてください。
一時的な人気の為にリスク承知でより攻撃的なアピール性の強いボクシングを
するのは個人の自由でありますが
すでに攻撃的なアピール性の強いボクシングをした方が人気を得られやすいという
インセンティブがあるボクシングの世界に理念を定かにしないメディアが
空気を作りだしてまで誘引するのは唾棄すべき行為です。
マニュエル・ベラスケスらの調べによると2011年までに
およそ1865人ものボクサーが試合が原因で死んだとされている。著明選手の死亡
常識的に考えれば命を失うまでにはいかなかったけども試合が原因で
ボクサー痴呆(Dementia pugilistica)などの疾患を負った選手の数はこの比ではないだろう。
私がこのことに強い思いがあるのも最もボクシングに傾倒していた時代のチャンピオン達の中に
目の光を失ったり呂律が回らないなどの言語障害を持つ人がいるからです。
彼等は卓越していた技術を持っていたスター選手でした
右も左もわからない新人が怪我を負っているのではないのです。
サイエンティフィック・リポーツによるとアメリカンフットボール引退後の選手の脳を調べると
脳活動に深刻な異常が見られるということが英ロンドン大学インペリアルカレッジ
から報告 されているという。これは攻防の為の激しいタックルが
影響していると思われるがボクシングは意図的に脳震盪を狙う競技である。
脳震盪については日本脳神経外科学会と日本脳神経外傷学会からも
スポーツによる脳損傷を予防するための提言 が出ています。
ジャーナリストを気取るならせめてボクシングは非情なスポーツだという
認識を持ち、そうしたリスクを提示した上でアウトボクシングは臆病者としてもらいたいものだ。
フィル・オクス「デミームアー」の歌詞の一節 にあるように
(as the hungry crowd must gather for the blood upon the ring)
我々がリングに血を求めている飢えた群衆だということは確かにその通りだが
相反しているけど大きな犠牲を望んでいるわけではありません。(少なくとも私は)
だから安全対策だけでは十分ではないから身を守る防御は大切にしなさいと
心から願わずにはいられない。ボクシングがとても危険な競技だということを
誰かが伝えなければならない、その使命はボクシングファンにあるのではないでしょうか。
利用する形になるので「敗戦後にIBFタイトルを保持」のところではあえて触れませんでしたが
昨年12月、デビュー戦後に意識不明となった21歳のボクサーが
2014年1月6日に死去しました。何に問題があるのか精査することも出来ないメディアは
「敗戦後にタイトルを保持」という訂正すれば問題というまでもないものについては
問題だと騒いでいながら4回TKO後に意識を失い急性硬膜下血腫で死去したことについては
死亡したと触れる程度で納めている。
2014年2月にもメキシコで23歳のボクサーが試合後に死去したが
試合(練習中でも)が原因で人が死ぬ事以上に大きな問題がボクシングにあるのでしょうか?
そして、このことについて誰か責任を取りましたか?
この責任も取らないでいくら清く正しくと繕っても清廉潔白とはならない。