矢吹×寺地の試合中のバッティングが故意か否か、試合結果にも影響があったか否かが「インターネット上のとある蛸壺で」ざわついているようです。反則について必要があればHAERETICUで取り上げようと考えていたので調子に乗って便乗しておきます。取り上げようとしていた内容は、こちらで亀田さんを擁護しているが、彼らに不都合の反則行為について触れていないのは狡猾じゃないのに対してのもので、率直に言うとあえて触れないようにしていました。なぜならそこに触れると余計なことにも触れなければならなくなるからで、余計なこととは、日本で行われたここ十数年の世界戦の中で最悪ともいえる反則行為はどれなのかと問われれば私の記憶の中で山中×モレノ2の山中のラビットパンチだとジェラルドマクラレン×ベンの試合結果と、その後の顛末を記憶しているから即答でき、昔からダウンした相手に追撃するレジェンドやかなりの防衛戦の相手がバッティングによって流血していたetcと、反則を問題提起するならこうしたことも遡及し徹底的に追及しないといけないが反則を理由に人を責めるだけのものなので回避していました。そういうことで反則に断固とした姿勢をとっているなら遡及も結構なのですが、断固とした姿勢となればラビットパンチは重篤な怪我をする危険な反則なので一発アウトの反則負けというぐらい許せないとなるはずですが、あの展開で即反則負けになったら納得できるでしょうか?試合結果に影響があったについてもバッティングによる減点は公平かという議論は以前から存在していて意図があれ偶然であれバッティングによって損傷を負った側は大なり小なり被害はある。例えば長谷川×ルイスでのルイスの#1鼻骨折(鼻骨折はルイス談で鼻で呼吸できずに、自分の血も飲んだという。)に#2公正を求めて帳尻を合わせようとすると減点では釣り合わない。それで試合が終了する可能性もあるが長谷川が静止している状態でルイス渾身の右を長谷川の鼻に与えないと合わないぐらいのダメージ、当然、試合の勝敗に影響がないわけがない。もちろんモレノのホールディングの反則や#3頭を下げたこともにも原因があると山中陣営にも言い分があるかもしれないしサンスポーとオーソドックスの関係性から長谷川にも言い分はあるかもしれないが反転可能性の視点からみると遡及し該当する選手の評価も「反則野郎」に修正しなければならないかもしれないがしているのであろうか?確証バイアスやかってつんぼの批判ではお話になりません。
#1
正確さを欠いていたので訂正および追記しました。
WOWOWエキサイトボクシングのニュースに
「激闘を展開したものの鼻骨骨折のため棄権している(9回TKO負け)。とある。
#2映画チ ン ピ ラの「指に見合う金ってあるのかよ」みたいに負傷に見合う減点ってあるのかよということです。
#3
当たらなかったが頭を下げたモレノの後頭部目がけて強打を振り落としている。
原則では、当たってモレノが戦闘不能となれば反則負けです。
それでは反則したもの勝ちか?反則を肯定するのか?
それは違う(そうでもない)、対戦相手に打撃を与えるという、そもそも競技内容自体が反則のようなものですからルールを守るということは合理性として正しいけれども競技の性質上、反則と競技に密接不可分なところがあるのはロンドンプライズリングルールズ(1838年、1853年改訂)ローブロー、蹴り、頭突き、目をえぐる、石など硬い物質を握らないなどが禁止となりクィーンズベリールール(1867年)さば折などのレスリング行為が禁止されているということは禁止されるまでは(自然発生した)技術として有効だということが考えられ、180年たった今でも珍しい反則ではないということからも理解できるのではないだろうか。つまり闘争がルール化によって纏まりのある遊戯(スポーツ文化、競争)に変化していったわけであるが、今でも珍しくないように根源的な闘争の面も残っているので、ある程度キャリアのある人で一度も反則がない人を探す方が難しいかもしれないのは道路交通法と一緒で、こちらも守った方が良いと問われれば否定が難しいど正論なのだが、ある意味堂々と守れるのは黒塗りの高級車か警察車両などの特殊車両ぐらいで厳格に守っている人は少ないと考えられる。それでも円滑に交通が行われているのは信号機に関して違反しないなど最低限のルールは守れているからだろうというように円滑な競技の進行にもルールを守るのが合理的なのである。しかし厳格に道路交通法を施行すればイライラが発生したりあちらこちらで検挙されている人が絶えなくなり混乱が生じ円滑な交通の妨げになるかもしれないと、これをボクシングのレフェリングに当てはめるとどうだろう、過剰な干渉は競技進行にどういった影響を与えるだろうか?、ここが難しいところでレフリーは膠着状態にブレークをかけるなど試合を円滑に進めるのも役割の一つだろうから過度な干渉はかえって進行の妨げになるとするならば、とるに足らない反則なら目こぼしをするほうが円滑な進行には合目的となっているのではないだろうか。「そんなことはないルールはルールだ きりっ」のど正論だが、交通標識の速度を守り運転している人に理不尽にもノロノロ走るなという叱られが発生したり、ボクシングの方でもテリーノリスと対戦したサンタナがノリスの反則打で2度ストレッチャーに運ばれて退場したが、ノリスはウォーカー戦で追撃の反則負けを喫しているようにレナード、カリー戦でも同様に追撃しており傾向があったからサンタナ戦は不運ではなかったのだが反則打を食らったサンタナに悪評がついていた記憶がある。ルールの運用も場当たりなところがあってボウ×ゴロタの2連続ゴロタのローブロー負けはなぜか判定で有利なゴロタの方が犯した不思議なものだったが、やられたボウもマシスジュニア戦で片膝ついたマシスに追撃して本来なら反則負けであったが審判の裁量でno contestになっている。
何が言いたいのかというと円滑な試合を考えたり古くはジャックシャーキー×マックスシュメリング(デュラン×ケンブキャナンはローブローの疑いがあるが、こちらはやられた方がKO負け)はローブローによる反則で勝負が喫しているようにレフリーの判断次第では反則負けにもなるので反則はやらない方が良いが、闘争=反則と密接不可分なところがあるから難しいというもので、「ルールはルールだ」それも一定の理解はしているが、原則では反則打によって#3戦闘不能になると反則勝ちになるかもしれないので(運用が場当たりなので絶対ではない)、すこしでも反則されたら戦闘不能になるのが得策である、あるいは、顔面が出血しやすいから前半、攻めに攻めて負傷判定(テクニカル・デシジョン)を狙う、文 成吉(ムン・ソンギル)はそういことで批判の対象になったが、こういうのにも怒らないのなら言葉に重みがつく。
#3
バーナードホプキンス×チャドドーソン、ホプキンスは頭をドーソンの顔にもっていくなど初回から反則行為が見受けられたが、2R、ホプキンスが右ストレートを体ごと持ってきたところにドーソンがダッキングで避けてタックル状態になってホプキンスを前方に投げた。倒れたホプキンスは左肩を負傷し戦闘不能と主張、現場の判断ではドーソンのTKO勝利となったが、所属先のゴールデンがその後にWBCに抗議、WBCはホプキンスにベルトを戻し、カルフォルニアの体育委員会は無効試合にした。客のブーイングは状況からしてホプキンスの負傷は演技だと判断したのではないかと推測。
意図か偶然の動機の純粋性のお話
反則についての意思決定には結果よりも動機の純粋性が影響していることがうかがえる。
ボウがマシス戦で犯した反則の追撃やチャド・ドーソンがホプキス戦で犯したレスリング行為、これらは無効試合の裁定であったが、その判断は意図か偶然かをビデオ判定で確認、それから本人への質疑から導き出したのであろう。しかし意図か偶然かを導き出すのは難しいものでビデオ判定では意図に見えても本人の質疑で意図ではないと申告されれば意図だということを証明するのは難儀である、それは本人も戦闘中(本能)に起きた一瞬の出来事を記憶していない可能性があるからで、流れの中で密接不可分として出てしまった偶然ということも理屈としては考えられないわけではないから無効試合という玉虫色の結果で落着させたのだろうと推測できる。それから勝者サンタナがストレッチャーで2度退場したのやチャド戦でのホプキンスら反則を受けた側に疑念が生じるというのにも、あれは演技(演技かどうかはわからないのに)だからずるいという動機の純粋性が関わっている。動機の純粋性には注意が必要で、例えばホリフィールド×タイソン、タイソン応援団側から見ればホリフィールドのバッティングとホールディングにレフリーはおろそかだ、それに苛ついたタイソンが耳をかんだのは動機の純粋性としての目には目を理解できるということも可能なので判断基準には動機の純粋性だけではなく行為とその結果も大事なのではと考えるのは
過失致死傷罪 50万円以下の罰金
殺人未遂 死刑または無期、もしくは5年以上の懲役
(未遂が考慮されて大体~7年)
意図ではないが結果として人が死んだと、殺そうという意図はあったが結果的には人は死んでいない、動機の純粋性でこんなにも刑期が違うのは割り切れないがルールはルールと言われれば、やはり考え込んでしまう。このように難しい事柄なんだけど私はボクシングにおいては行為とその結果も重視し山中さんのラビットパンチは危険と判断して評価するなら最悪としているが試合の流れの一部と密接不可分ということも理解しているから余計なこと(難しいこと)に首を突っ込むのは回避していた。それでも今回、便乗したのは前に井岡さんのHAERETICUに「日刊ゲンダイにボクシングファンから一本の電話があった。」に対して幽霊ファンじゃないのと疑って馬鹿にしていたからですが、矢吹陣営に数十件罵詈雑言の電話があったと知って、本当にそんな人いるんだと、まあ亀田さんの判定に判定に何の関係のないTV局に6万件の抗議があったという話なので変わった人がいても不思議ではないのですが、罵詈雑言の電話をする人がいるということはボクシングファンがあんな記事にわざわざお礼の電話を編集にかけていても不思議ではなので、それについては疑って申し訳ありませんと素直に謝っておきます。簡単に意見を発信できる時代になって、ボクシングにおいても反転可能性や密接不可分なども考えずに確証バイアスやかってつんぼが世界に向け意見を発信する。気に入らなければ勝手にさっさとやめればいいのに「見るのやめます」「ファンをやめます」といちいち発信しないと気が済まない人もいる。こんなのがファンなのかという気持ちがわくが、これも井岡さんのHAERETICUの時に書いたけれども 「煙たくなった亀田に対する尖兵となり助力になっていたとするならお笑い集合知らに跋扈されたとしても、それは日本ボクシングの自爆でしかない。 」なので仕方がないのですが、素人が口を出すなということに関してはロンドンプライズリングルールズの中に賭博での警察の干渉や群衆の暴動の場合の対処も記載されているけど、私のも意見は言うけど大した考えはないので群衆の暴動扱いでよろしく。