WBCはネリのドーピングテスト陽性の嫌疑については意図的の確証が得られないから不問、再戦指令を出すことで落着させるようです。 

 

媒体の二枚舌を目にした見出しから照査していたけれども私も肝心のネリ陽性については気が回らず判然としていないのでメモ代わりに書いておきます。 

 

最初に、しつこいようですが大事なことなので何度も書きますが計量失敗は失格という基本的なことがおざなりにされたことから、のちの訂正が問題視されてライセンスの剥奪まで発展した「負けてもIBFの王者の件」のIBFの誤謬の訂正はルール規定上に準じており何等過誤はありませんでしたが問題があると騒ぎ選手のライセンス失効に手を貸した媒体等の方々が、これも何度も指摘しているけれども公正を問うている人たちが簡単に、その公正を踏みつけにしていくのをしばしば見受けると指摘しているように、昨今、ドーピングの分析能力向上により遡及して(特にロシア関係)処分を下しているオリンピックが顕著ですが反ドーピングに強い姿勢をみせていてアマチュア、プロ問わずスポーツの世界はドーピングに対して厳し目を向けるというのが潮流になっている。今回の件はまさにドーピングに関するもので公正性に対するボクシング組織の姿勢が問われているのですが競技の信頼に要用な公正についての裁定は五里霧中にもかかわらずさらりと受け入れるようです。WBCの裁定のおかげで媒体の皆さんは負けても王者と執拗に煽らないと自家撞着になるということは回避されたようですが報道している媒体も公正に対する姿勢(無節操)が照査されていることは変わりませんけれども分別の方針も我々が決定するということなのでしょうか。

 

さらりとは一体どういうことなのか、確かに「疑惑の」と付けることで一定の抵抗をしているように見せているが本当に、この裁定に抗議、抵抗しているなら、裁定に抗議して再戦の裁定など受容れられるものではないという姿勢を見せないといけないのではないのか、IBFの訂正のときにはルール規定に則った誤謬の訂正に問題だと貴方方は抵抗していたでしょ。いくら「疑惑の」と書いて取り繕ったところで再戦~と書いている時点で、この裁定を受け入れているということになる。裁定を受け入れたということは「陽性の嫌疑について確証が持てないから不問」「山中の負けでタイトルも失った」ということも理解して受け入れたということだから、いつまでも「疑惑」と頭に付けるのは卑怯で往生際が悪いというものです。

十八番の感動話に結ばせるイントロダクションというなら合点がいきますが、これはそういう話ではなくてドーピングに関するボクシング組織の姿勢が問われている。

 

ということになりますが私もこの件ついて判然としていないので少しリサーチしてみたが、あるところで行き詰まってしまった、もっとも肝要なところで。 ネリはジルパテロールが検出されたということですがジルパテロールは交感神経β―2受容体作動薬というもので脂肪蓄積の抑制 脂質代謝回転の亢進、グリコーゲン分解、たんぱく質合成(蛋白同化)による筋肉増大作用の効用があるらしい、一方、米のジルマックス騒動から見ると牛の疾患(下肢)という薬害のリスクの話も出ているようです。

 

牛一頭分食べないと、という記事やタレントの武井さんが騒いでいるという記事の記憶はありますが、何分、見出ししか見ていないので、そこまではっきりと見出しで強調しているからには、それなりの根拠があってのことと勝手に思っていたが、今回書くために改めて色々とたぐり寄せてみると牛一頭分という話はジム会長がVADAの関係者から聞いた話を記者に話した伝聞で、ん?数値はないのかと、ここで初めて数値が無いことに気が付きまして、おいおい、媒体は数値もわからないのに牛一頭分と断定しているのかよと、ニヤニヤしてしましたが、まあ、さすがにどこかにはあるでしょうと探してみましたが私の検索能力が低いのが悪いのか見つからなくて、WBCが10月31日にだした、この件の最終ステートメントを見ても陽性と検出されたのは汚染された食品を消費したことによると結論付けられるという記載があるのみで数値には触れていない、まさか日本であれこれ話の元になっている牛一頭分というソースは会長の伝聞だけではないのかと、それだけの判断材料一つで断定して、これだけ騒いでいるのか?それが事実とすれば一体なんなんだ、この人たちはと(慣れていますが)呆然とするばかりです。それともう一つ最終ステートメントにも記載があったがネリ側はBサンプルの解析を要求しなかった、ということが事実であれば9月26日付けのthe ringの「Bサンプルも陽性」という記事は誤謬なのではないのかと?Bサンプルはあくまで任意の自己申請でしょう。私の取り違えであれば申し訳ありませんが記事が誤謬ならthe ringは記事内容の訂正、それを基に記事を書いた日本のメディアも訂正をするというのが誠実な態度と言えるでしょう。

 

リサーチすると牛一頭のVADAのことで興味を覚えるものをみつけました。食肉の赤肉を増加させ成長促進とジルパテロールと類似性を持つクレンブテロールで陽性反応が出てひと悶着あったフランシスコ・バルガス陣営の話がsherdogに掲載されていて、バルガスの場合はアメリカでテストした時には陰性で、その後、メキシコの実家に帰り母親から出されたカルネアサダという肉料理をたべた後に検査したら陽性反応が出たけれども1.3ng(ナノグラム)と数量的には微量で陣営の人がビクターコンテに話を聞いたところでは1.3ナノグラムを検査するなんてナンセンスで殆どの研究所では2・0以下は調べない5・0をテストすると言っているということらしいのだが、ビクターコンテって、あのバルコスキャンダルの人でしょうと、とはいえ見方を変えればある意味では精通している人と言えなくはないけれども、世界アンチドーピング機関   wada ここの7の所に「クレンブテロールは禁止物質であり、この物質が禁止されていない閾値はない」とあり、これがWADAの基本的な見解でコンテの見解を一蹴しているようですが、同じくクレンブテロールで陽性反応が出た自転車競技のアルベルト・コンタドールの件を参考にするとコンタドールは50ピコグラムで陽性と判定されていて50ピコグラムをナノグラムに換算すると0.05ナノグラムとバルガスの1.3ナノグラム(1300ピコグラム)よりもさらに少量でWADAが検出して認定#1しているよりも40分の一(400分の一という一説もある)ということは1ミリリットルあたり2000ピコグラム( 2ナノグラム)を基準としていることになる、それが正しければコンテの言っていることもあながち出鱈目とは言えないかもしれません。(宜しければ、そちらでも確認して計算してください。)状況証拠からコンタドールは潔白と推論できたが3年の歳月をかけて争ったCAS(スポーツ仲裁裁判所)の裁定は陽性判定、スペインの牛が汚染されている可能性は低くクレンブテロールの体内への侵入経路を証明できなかったというのが、その理由のようです。確かにどういった過程で禁止物質が体内に入ったかを証明する機会がありコンテキストで判断すると上記にあるWADAの7の所にも記載があって、なるほどWADAはどれだけ微量で運動性能に#2影響を与えているという相関性がなくても侵入経路を証明できなければアウトということで、それがアンチドーピング組織としての立場なのでしょう。侵入経路の証明の例ではアメフトのDuane Brownはクレンブテロールで陽性反応がでたがメキシコで食べたステーキとハンバーグが原因と主張、食事の領収書が上告の証拠になったという記事がある。

 

2011年開催のconcacaf  gold copでメキシコの5選手からクレンブテロールの陽性反応が出て出場停止となりましたがBサンプルは陰性という報道があります。同じく2011年-17メキシコ 24チームのうち19チーム、208のサンプルのうち109から1~1556pg/ml(大方選手は50~300ピコグラムという数値ということです)のクレンブテロール陽性反応が出たが禁止物質が体内に入った証拠(滞在していたホテルの肉47サンプルのうち14から0.06~11㎍/kg濃度クレンブテロールが検出)が汚染したものを食したということを示していたということでfifaとwadaから追罰されていないようです。

 

格闘技を見ますとMMA選手のNing Guangyou(ニン・グァンユウ)がUFCの大会でクレンブテロールの
陽性反応が検出されましたがUSADA(米国のアンチドーピング)が尿サンプルから検出された濃度が少量のparts per billion (十億分率)ということと中国で食した等を検討して汚染食肉が原因と結論、処分を見送っている。2017年クレンブテロールの陽性反応が出たブランドン・モレノについてもUSADAは汚染食肉が原因と結論、処分を見送っている。ボクサーのフランシスコ・バルガスも、これに該当するが同じくボクサーの#3ルーカス・ブラウンは少量という話でしたがWBAはタイトル剥奪して6か月資格停止処分としチャガエフにタイトルを返還しているけど5月に出した処分を9月には数値が少量で故意の摂取は認められなかったという朝令暮改でランキングに復帰させている。古い例になりますとエリック・モラレスがガルシアとの2012年10月再戦の試合前にクレンブテロールの陽性判定が出ていたがニューヨークコミッション「(NYSAC)は試合を許可、しかし、試合後、AとBサンプルから陽性反応が出たとして2013年USADAはモラレスに2年間の出場停止処分を下している。これについて個人的に思うのはモラレスの場合は2011年のメキシコのサッカー選手よりもsmall traceという少量で陣営も汚染肉が原因と主張していることから後のクレンブテロールの裁定と照らし合わせると不慣れなゆえ場当たり的処分であった可能性は否定できません。最後にVADAの件でもう一つ、クレンブテロールではありませんがカーンとの再戦が予定されていたピーターソンにテストステロンの陽性反応(Aサンプル)が出ていたが個人情報の観点からピーターソンと弁護士に知らせたのみでBサンプルの結果が出てからVADAはNSACに知らせたとしてゴールデンプロモーションのリチャードシェーファーが透明性が欠如していると語っている。
ピーターソン3月19日採取 4月12日に発覚 5月3日Bサンプルも陽性と発覚 5月19日試合予定だったがキャンセル。ネリの採取は7月27日で試合は8月15日の22日に発覚

整理しますとwadaなど反ドーピング機構の方針はクレンブテロールはあくまで閾値のない禁止薬物、クレンブテロール、ジルパテロールと薬品に違いはありますが同じ 交感神経β―2受容体作動薬(ただし生物的半減期に違いはある)でジルパテロールもドーピングのリストに掲載されている閾値のない禁止薬物ということに他ならないだろう。しかし食肉混入の可能性もあるので検出された濃度が食肉に相当する値で侵入経路が明白で証明ができれば処分は見送るというもので陽性反応の出た選手側とは値と侵入経路が争点になっている。各種スポーツ団体で処分対応には違いはあるようですが値、侵入経路が争点ということは明確なのに調査の際にプロトコルとか言っていましたが牛一頭分との会長からの伝聞だけ?の値と侵入経路に関する整合性の説明も認定団体側からない状態でいったい何を争っているか皆目見当がつきません。大体、「わずかな形跡」というのが汚染食肉を示しているという理屈になっているのに牛一頭というのが正しければコンタドールの話に出てきたWADAの最低基準2000ピコグラム( 2ナノグラム)は優に超えているでしょう。確かに日本で採取した3つのサンプルについては陰性で、それは汚染牛からの侵入経路の拠所にはなるかもしれないが値の説明もなしに最終ステートメントの「陽性と検出されたのは汚染された食品を消費したことによると結論付けられる」という説明を聞いても疑問は晴れません。疑問が晴れていないのに再戦命令は荒唐と言わざるを得ないでしょう。WBCはクロロチアジド ヒドロクロロチアジドの陽性反応が出ているルイス・オルティスの件も抱えていますが、これならコカイン(ベンゾイルエクゴニン)陽性反応が出たタイソン・フューリーの話ではありませんが、みんなが使ったら公平という主張をしたほうが筋が通っているように思える。健康についても、そもそも危険この上なく健康なんてものではありませんから。


#1 

2014年クレンブテロールのmrpl最少量は 0.2ng/mlとある。 WADA資料


#2

物理的効果が表れるには少なくとも180倍の量が必要だとか「9000ピコグラム」


#3

ルーカス・ブラウンは2014年9月カヨデとの暫定ヘビー級戦でもナンドロロンが検出したことで試合は無効試合のネバダコミッションから8か月出場停止と罰金を宣告されている。