辛辣な意見を書いてきたので私がボクシングのことを書く媒体をどのように見ているのかは存じ上げるとは思いますが、もう一つ俳優の香川さんの話を介して見ていきましょう。ネットメディア?かな「ボクシング世界戦で解説を担当した香川照之が不評だという。」というものが何処かのポータルサイトに置いてありました。周知されているように香川さんはボクシングマガジンに熱病的思考法という名のコラムを書いてボクシングファンから一目置かれているのですが前出の記事ではどうして一目置かれているのかよくわからないと私は思いましたので、私がどうして一目置いたのかをお話しします。前出の記事には井上のナルバエス戦での解説がマニアック過ぎてという話でしたが実際は畑中さんのデシマ戦とはアルゼンチンと一階級飛び越しての挑戦以外は背景も何も相関していないという、たまにしかボクシングを観ないライトユーザーにも伝わる内容を話したに過ぎません。インターネットの無益な記事を真に受ける詳しくない人にはマニアック云々になるのでしょうが、この程度なら私は一目置くことなどありません。一目置いていたのは海外情報が業界紙の一か月に一度で試合結果は静止画像(カラーと白黒)に試合展開が記されているだけの過去の著名試合すら動画で目にすることが難しい情報が伝播していない時代に海外の新進気鋭ボクサーの未来予想を展開したり他とは一線を画するマニアックなものだったからです。私も日本の情報なら差はあまりなかったと思うのですが海外ボクシングに重きを置いていたからその差に愕然としていた。コラムを見るたびに一方通行のライバル心を燃やすようになって、どうしてこの人はこんな情報を持っているのか、香川さんが何者か知らなかったのでどこだかの大手ジムの2代目だから特別な情報が入手できているのではないか?などと考えたりしたけど一向にわからない、でもこの人が手に入れることができるなら自分も手に入れることができるのではないだろうかと日本で購入できる業界紙、特別号を読み漁り対抗しようとしたがまるで歯が立たないというか知っている内容の質が違うので悔かったが白旗を上げるしか無かった。つまり私が香川さんを一目置いていたのは探究心があり海外の、それも日本のファンが持てない情報を所有していたからです。時を重ねるうちにWOWOWが始まりインターネットも出てきて気づいたら私も情報を入手できるようになって気にすることもなくなったのですが、のちに香川さんが海外のご学友とボクシングの情報交換をしていたというのを知って、付き合っていた彼女の家にパラボラアンテナが付いていてBS放送が見れたので頭を下げてハグラー特集を録画してもらい歓喜して何度も視聴していた私とは文化的環境の根本が違っていたのだと、なるほどこれでは敵わないと妙に納得した。日本で購入できる業界紙、特別号を読みふけっても香川さんには対抗できなかった、これ業界紙での話ですから、その他のスポーツ関連の程度が判るというものですがプロという点では購読者が理解不能(情報の差がありすぎて)のものを書いてどうするんだというのがあるのですがマニアという点では非常に触発された。
昔は情報が伝播しにくい時代だったので情報を持っているメディアさんはかなり有利な立場にいたということがわかる話にもなりますが逆に言えば情報だけが強みで情報が流通する情報過多の時代では探究心と(#1)オープンソースインテリジェンス的な能力が必要になってくるので情報を持っているだけでは一知半解に見えて以前にもましてメディアさんの記事内容が空虚に感じるようになった。これはボクシングの知識どうのこうのという話ではなくて、記者やジャーナリスト物書きとしての資質の問題で、私の考えでは情報が流通したということは条件は同じということだから(#2)ファンも最低でも「熱病的思考法」ここからの出発なのに情報所有で有利な立場にいたということから抜け切れていないのでしょうか?この醜態なのは残念に思う。確か香川さんがコラムを辞めた理由はクオリティを維持できないからだったと思いましたが一度もそのクオリティに達していないと思いますけど、いかがでしょうか?(それが良いとは限らないけど)
あの流れからいうと亀田否定の立ち位置にいた方が楽で多数派におもねるのも営業的には正しいでしょう、それは分かります。でもそれをするとせっかく情報が入ってきて「熱病的思考法」から出発できるのに、それを放棄することになる。私が否定の空気に与さず日和見をしなかったのも曲学阿世はオタクにとっては満足できない代物だからです。(情報(知識)だけではなく他と違う見方ができるのがオタクなのでしょう)この件だけではなく例えばメイウェザーのボクシングスタイルについて私は擁護していますが個人的には攻撃的かつスタイリッシュなスタイルが好みでウイテカのように特殊な防御能力を持つ選手の試合はパンチが当たる気配さえないから無味乾燥だと思っているけどボクシングオタクとしては個人的な奸悪よりも正答の方が重要なのです。
まるで歯が立たなかった香川さんも、こうしたライト層に向けたコメントや試合のゲスト出演での対応、例えば八重樫Xゴンザレスで八重樫が連打を出した時に飯田さんと香川さんは口を揃えて巧言していたが、最初、WOWOWの解説のまま空気を読まなかった西岡さんはガードされていますねと発言、そのあと空気感(民放)の違いに気づいたのか?発言が軟化しているように私には見えたが、そうしたものを見ていると(#3)お仕事だということは十分に理解しているのですが(日本の解説は基本応援団なので別に構わないと私は思います)私のような俗物の手に掛かれば香川さんも情報だけの人間で案外大したことないのではと過去の鬱積を晴らすかのように軽んじて(#4)扱ってしまうという俗物が幅を利かせる世知辛い時代、これは情報産業にパラダイムシフトが起きたことでの弊害かもしれませんが、起きてしまったものは仕方がないからメディアも適応していくしかありませんが、その適応が、このありようですから呆れかえるしかない。
2chのBOXINGは亀田が出てくる前から特に日本人ボクサーを侮るのを生きがいにしている(タイでポンサクレックに負けた内藤に「日本の恥」と罵っているのが、その典型でしょう。)俗物根性の集いでしたから亀田の登場は大物ルーキー(標的)の出現に過ぎなかったがインターネットの常時接続が開始されて活発しだしたネットニュースの面々にとっては煽り記事でPV(Page View)を稼げる貴重な材料になった。当然、小新聞の継承者であるワイドショーや週刊誌も同調、そうした中で情報過多になり情報だけでは求心力に限りを感じたのだろうか?こうなると普通なら上昇志向が強くなるものだが、どうしてかスポーツメディア業界の面々はスキャンダリズムの書く煽り記事に追いつけ追い越せと大手新聞まで参入してきた。
かつての業界誌、大手新聞の煽て上げと悪口といえば世界戦に勝てば煽て上げで負ければキャリアに厳しさが足りない、安易な挑戦だというものでしたが、これも見当違いもいいところで、大体が巡りあわせの話で単に力量の差で相手が強かったというだけのことであるからいくら万全なキャリアを積んだとしてもDNA、つまり生得的能力の差を埋めることはできないから負けているのです。それが安易な挑戦だと言えば、その通りだけど、それに文句があるなら構造を利用して隙間を狙うしかないのだけど、コミッションはこの見当違いの批判に押されるまま役に立たない世界戦についての内規案を制定しているように随分と影響力をもっているようで、これは今でも亀田の件や2つの認定団体を承認する件での報道内容とコミッションの動きを見ていると変わらないようですが見当違いの批判というのも変わらずで、昔は、これでも何か言っていることになっていたのかもしれませんが俗物が幅を利かせだし(オタクの知識に押され)風当たりが強くなったので非難する対象を絞って判り易い攻撃をすることで何か言っているつもりを維持しようとしているのでしょうか?。社会では情報過多後にリベラル派の矛盾があれこれ矢面に立たされているけれども俗物の集いのボクシングファンは「侮るのを生きがいにしている」が目的なので、そこにおもねる(願い通りだから)ことで今のところは成功しているのでしょう。
#1 例えばアメリカスポーツメディアのメイウェザーバッシング一つにしても、それの尻馬にのって日本で同じように非難してしたり顔しているなんて言うのは駄目な例でボブアラムの発言からメイウェザーVSパッキャオの実現ぐらいは読めないといけない。
#2 2~3か月間、海外ボクシング情報を観察していればネット上にいるボクシング通ぐらいはなれる。
#3 「購読者が理解不能のものを書いてどうするんだ」を理解したのだろう。
#4(メイウェザーXベルトでゲストとして招かれていた香川さんはジョーさんのメイウェザーのスタイルに対する意見に階級を上げていくことでの適応だからと異議、ジョーさんはマニアの先生みたいなものだからと持ち上げてからの発言だが、あの状況下で異議を言えるのは自分の考えを持っているということなので見直した。)