日本は法治国家ではなく納得治国家で、罰しなければ国民が
納得しないほど目に余るものは罰する法律を探してでも罰するが、
罰しなくとも国民が納得するものは
違法であっても大目に見て何もしない。 山本七平
亀田大毅選手のIBFスーパーフライ級タイトル保持について、
コミッションが亀田ジムを処分する方向だという事を小耳にはさみましたけれども
一体、何を裁いているのか?そして、それは穏当なのか?
敗戦者がチャンピオンでいることについての個人的な見解は持っていますが
釈然としないところがあるので私情を挟まず書いてみます。
「色づけされたものではなく公表もとのリリースに近い物をみたいので途中から
大手新聞社のみを閲覧していてスポーツ紙系などは見ていないから
余談は抜け落ちているかもしれません。
それから大手新聞社だけに切り替えたので煩く(うるさく)は無くなったけど
精査し正しく解釈するという内容ではなかったのは誠に残念、
ただただ常識的な内容の記事を読みたいだけなんですけどね」
大まかにポイントをまとめるとこの2つ
情報を提供しているメディアの情報に不備があるのでは
そして、これは果たして亀田側だけの問題なのか?
当初は私も間違えたので偉そうに人のことは言えないけれども
処分するについてはこの件が起きてスポーツメディアがどのように取り上げるのかを
経過観察していたが問題といわれるものを精査し正しく解釈するという
メディアの基本姿勢が見られないどころか悪いのは亀田側「負けたのにタイトル所持
(JBCは試合前のIBFの見解を肝要としていたが)→知っていたのに伝えなかった等」
という論調で画一的に報道されていたので推定したとおりの結果になった。
問題があるのなら是々非々で対応するのは当然ですが
しかし、問題といわれるものを精査して正しく解釈すると腑に落ちないところが垣間見えてくる。
負けたのにタイトル所持が当初に争点として取り上げられていましたが
いつの間にか知っていたのか否かの問題に変質していて
今回の処分の理由も知っていたのにを問題視しているそうです。
この件で「敗戦者がタイトル所持」以上の大きな争点があるとは思えませんが
最初の争点で肝心の敗戦者がタイトル所持はどこかに行ってしまったようです。
それを伝えるのがお仕事のメディアは、ここぞとばかりに空位となるという
当初の発言を翻したという部分を繰り返しピックアップしているけれども
空位というIBFの見解は誤謬なので翻したというよりも「訂正したと」したほうがこの場合は
正しい言葉の使い方だと思います。これだけでもかなり印象が違って見えてくる。
誤謬については、ここでも説明したが解説
先月の1月25日にもIBFライトウエルター級チャンピオンのピーターソンが
ジーン相手に防衛戦をして防衛に成功しているが、ピーターソンは前戦で
前WBC暫定ライトウエルター級チャンピオンのルーカス・マティセとの
同級のチャンピオン同士の一戦に3回TKO負けしている。
というのもチャンピオン同士の対戦でしたが141ポンド(ウエルター級)の
キャッチウエイトでの試合だったのでノンタイトル戦として行われたからである。
141ポンドといえばライトウエルター級との誤差は1ポンド(453グラム)で
僅か1ポンドでも体重超過すればタイトルマッチとして*1成立していない。
つまり体重超過の場合は基本的にタイトル戦としては成立しない。
(チャンピオンが体重超過で剥奪された場合は挑戦者が計量を守っていれば
救済処置としてチャンピオン側に上限体重を設けてタイトル戦として行われる。)
先ずもってこれらを理解していないと、この問題を正しく解釈することはできません。
ソリスの場合は一度目の計量で1.4キロオーバー、2度目1キロオーバーで計量放棄で失格
この時点でWBAタイトルを剥奪されて(当日の+2.4キロも守らず)
IBFタイトルに関しても挑戦権はないのでソリスから見ればあの試合はノンタイトル戦ですから
IBFの最初の解釈自体が誤謬だという事が公正という観点からも理解できます。
だからタイトル保持を認めているIBF(誤謬を認めているので)と
亀田陣営には保持についての悶着は無く
「敗戦者がタイトル所持」については実は争点として存在していない。
なぜなら、タイトルに関してはあくまで認定団体に*2決定権があるので
それを決定するのもIBF次第というわけです、
その決定権を持つIBFが誤謬を犯したので混乱となったのですが
ところがJBCと、とりわけメディアは亀田側を問題視して、負けたのにタイトル保持が争点として
存在していないということが顕現した後も所持についての正しい情報を活用することもなく
「敗戦者のタイトル所持」が依然、問題として含有しているかのように
情報の見出し等に使用している。
IBFルール
(Challenger fails to appear for the second day weigh-in, the fight
may be staged with the understanding that the Champion shall retain
his title whether he wins or loses the bout.)
*1
(2015年4月のガルシア戦では143ポンドのキャッチウエイトでの試合でノンタイトル戦にもかかわらず認定団体のIBFは事前にピータソンが負けた場合はタイトルの剥奪を通告しており2-0の判定で敗れたピータソンはタイトルを剥奪されている。個人的見解としては認定団体に権限があって裁量しているんだろうがルールが転々と変わる自由裁量は権威という観点から見るとお粗末なものであると言える。)
*2(タイトルに関しては認定団体に決定権があるので
地元コミッションと相違した結論に達する例外もある。
WBCスーパーウエルター級チャンピオンだったテリーノリスは1994年と1995年の
2度のルイス・サンタナ戦で反則負けして(ダウン後の後頭部への一撃 レフリーの注意中の一撃)
タイトルを奪われているけども、2008年のWBC暫定スーパーフェザー級タイトル戦
ウンベルト・ソト×ロレンソではソトのダウン後の追撃による4回反則負けというのが
アスレチック委員会の公式な見解ですが、WBCはソトのタイトルを保持させている。
2011年バーナードホプキンス×ドーソンでも当初アスレチック委員会が下した決定は
ホプキンスの試合放棄でドーソンが勝利となってタイトルが移動した形になったが
WBCはテクニカルドローとしてホプキンスにタイトルを差し戻している。
後に協議の結果アスレチック委員会の見解も2回ノーコンテストに変更している。)
敗戦者がタイトル所持という大きな争点が立ち消えたので沈静化に向かうと思いましたが
あらかたのメディアが情報を誠実に伝えないという不条理なことをしている中で
今度は副次的な「事前に知っていた」事が混乱をもたらしたので処分するという。
伝達についての第一の責務もこの試合のルールを統括し
タイトルを管理、認定しているIBF(しかも誤謬を犯した)にあるなんて誰の目から見ても
明らかなのですが、ここでも亀田側の「知っていた」を問題視している。
しかし、「敗戦者がタイトル所持」については亀田陣営とIBFの問題ですが
「事前に知っていた」ということでJBCにも責任が
波及する可能性が出てきた。(メディアは問題視していないが)
認知については興毅も大毅も12月2日のブログに空位と書いているので
両人もこの時点では、まだ知らなかった可能性があるが
陣営の弁護士はルールミーティングの際には認知していたと
第三者である海外メディアの証言もあわせて応じた聴聞で主張している。
もしも、この話しが事実ならばずさんな試合管理をしたとして
JBCは責任を問われることになる。それから疑問に思うことがあと3つある
最初に疑惑が持ち上がっているコミッションが聴取(処分)する立場に居る是非で
公正を喫する為には第三者委員会で審議するのが順当なのではないのか?
次にルールミーティングの際に説明があったとする海外メディアの証言に対して
JBCは反証したのか?最後に世界戦の一般的なルールを認知していないのはルールを
統括する組織として問題があるのではないのか?
このことを指摘するメディアは私が見てる中では一つも見当たらなかったが
メディアが指摘しないからと自らの疑惑の払拭をしないで他者を処分するというのは
随分と都合の良い話で、当然の事ながら処分を下す権力を持つコミッションには
亀田陣営よりもアカウンタビリティーが求められる
周知を怠ったことが問題としているならばなおさらだ。
さらにこの問題とは直接関係しませんが混乱させたのが処分の対象となるならば
JBCも不正経理の問題、そこから端を発した分裂騒動
事務局長代行が国家公務員がレフリーをしていたことで
その問題となる人物の個人データの書き換えを部下に許可した問題
マッチメーカーの林氏がJBCのずさんな試合管理など
(負傷した選手の手当てをすぐにしなかったり
計量で実際と違う体重が記録されているなど)が続出しているとして
JBC幹部の更迭要望など告発した問題等、中には法律に触れる可能性があるものまであり
大いに混乱をもたらしたが、蜥蜴のしっぽ切り的な対処で組織としての
責任を取ったとはいえないのではないのか
林氏の話にしても、それが事実なら大問題で、これに対して全国のジムに秩序を乱す
行為だとして布令をだしているけど林氏の内部告発について公式見解を表明したのでしょうか
見覚えがないので布令と処分によってもみ消しを図っているのかなっと勘ぐってしまう。
今回の件についてもコミッションが全くの部外者ならまだしもルールを統括するコミッションの
不案内によって混乱をもたらした責任はあるでしょう。自らには甘く、他者にはきびしいとは
ルールを統括するものとして正しい姿勢とはいえない。
もしも、ルールを統括するコミッションというものが正しく機能しているのならば
人民裁判のような世論の空気(気に食わないから)が処分に傾いているからとして
処分するのではなく責任の根拠、また所在と、その順位を明確にしてもらいたいが
今のところ五里霧中の中で処分という言葉だけが浮き上がっているように私には見えます。
いずれにしても至要なのは第一の責任はIBFにあるということである。
そしてコミッションも処分するという権力を持っている=それは管理者としての
責任があるということ、不案内としての責任と事前に情報が認知されていたなら、
その責任もある、だから、それらを明確にして、その処遇を決めてから
亀田陣営に処分を下すというのが、至極当然な対応なのではないだろうか。
このあとに追記するかも
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20140205-OYT1T01362.htm?from=main5
読売に出ていたが会長らのライセンスが剥奪されるらしい。
知らせなかったのが処分理由らしいが、ルールミーティングの際には認知していたと
第三者である海外メディアの証言などあるが、これらはしっかりと調査されたのか?
釈然としません。読売の国内での開催は出来ないについては
いつからボクシングライセンスは車の免許のような法律に基づいた制度になったのでしょうか
不文律(クローズドショップ制、村八分、株仲間 座 ギルド )なのではありませんか
だから、そんなことはまったくないが
もうこれについてはいいでしょう、キャリア前半なら話は変わりますが
波風を立てるよりも3男の実力があれば海外でもやっていけるでしょうし
ボクシングは何時までもできる職業ではないから長男と次男はキャリアも十分なので
大きな花火を最後にあげて終わりにするのもいいのではと私は思いますけど
そして、これを機に使える馬鹿が消えうせるなら、それは大変素晴らしく有意義なことである!!。
(今頃になって気づいたが、公表もとのリリースに近いものの方がいいだろうと考えたが
プレスリリースなら偏っていても当たり前、でもさすがに事実関係ぐらいは探索するだろうという
淡い期待を持っていたから、この始末に落胆している。)