政治の世界に戦いの場を移そうと
下院やら市長やら議員の選挙に立候補したボクサーを
これまでも取り上げてきました。
例えば、現在は管理される側から管理する側の
ニューヨーク・アスレチック委員会のメンバーとなった
元ホワイトホープでヘビー級のランカーであったジョー・メシー氏が
36勝29KO無敗という記録を残しニューヨーク州上院に出馬
また、ビタリ・クリチコ選手が一度引退後にキエフ市長選に立候補とか
当選され公人になったのは元WBCライトヘビー級チャンピオンのジェフ・ハーディング氏を指導し
自らもオーストラリア・ヘビー級チャンピオンとして活躍した
スティーブ・キャンスデル氏はニューサウスウェールズ議会の議員
そして、三階級制覇王者の故アルゲリョ氏はマナグアの市長に選出
現役の選手となればマニー・パッキャオ選手がフィリピン下院に当選したことは記憶に新しい所
最近では2010年10月3日(日本時間4日)
ブラジルの総選挙に元ブラジルサッカー代表でアメリカ大会優勝の立役者
ロマーリオ氏(リオデジャネイロ州から立候補)やアセリノ・フレイタス氏(バイーア州から立候補)
などなど元スポーツ選手が出馬、ロマーリオ氏は6位146・859票で当選
フレイタス氏は41位 60339票獲得
MMAの世界ではヒョードル選手がロシア連邦議会下院の予備選挙に
立候補するのではという話もあるようです。
日本でも古くはガッツ氏が衆院選で出馬
元日本ミドル級チャンピオンの寺地永氏は城陽市議会議員に当選
WBCフェザー級元チャンピオンの越本隆志氏も任期満了を迎えた
福岡県議選に立候補するという、頑張ってもらいたいですね。
海外でもこういった元スポーツ選手が議員になる事について是非もあるようですが
先の参院選挙、タレントさんやスポーツ選手らの出馬に対して
メディアの方々からは資質はどうなのよと言いたげな、
価値観の押し付け報道がいつものように展開
スポーツ選手に何が出来るんだ、票が獲得しやすい有名人なんてナンセンス
つまり国会議員をなめるな的なことでございます
なめているとは思いませんが、議員の資質とは何ぞや?
有名人に関しては今回のように損する事もあれば得することもあり、
それを持って非難するのは筋が違う。資質に関してはどうであろうか?
議員としての資質とは、有名企業の元社員に社長、学者に官僚・・・・
とどのつまり高学歴ということかな?
確かにそれも重要なファクターの一つ、一万円 福沢諭吉氏の学問のすすめではありませんが
知識はないよりあったほうが良いに決まっている。ただ、高学歴ならよいといった先入観が
一人歩きするのも間違いの元、なぜなら、公人にとって一番必要な資質は
昔、リゲインのCMで24時間戦えますか?ビジネスマン!ビジネスマンというのがありましたが
24時間、365日公人でいられるかということ、それは口で言うほど安易なものではなく
国会議員なら24時間、国を想い、その国民のために何を考えどんな行動ができるか
時として厳しい選択もしなければなりません。厳しい選択をするというのは
その人の人生においても厳しい経験がなければ説得力に欠ける。
それを考えると、まさしくそれに近い人生を歩んできたのが皮肉にも
今回、特に批判の矢先に立たされた柔道の柔らちゃんこと谷亮子女史が
TOPアスリートとして生きてきた道
365日、柔道の事を考え私人という感情を捨て練習に励む、プレッシャーという孤独と戦いながら
覚悟を持って試合に挑む、場合によっては大きな決断もしなければならない
彼女はその多くの中にいる選手達のTOPなのである。Topでいるということは
想像を絶するほど一つの事を追い求めてきた証拠。死に物狂いで学んで得た英知
というのは高学歴に劣るなんて事はございません。
職業を自由に選ぶことが困難な時代
世襲として家系を受け継いだ公人としての教えのいわゆる品性と、
柔道が追い求めている(自他共栄)(精力善用)理念は近い
つまり柔道家としておよそ30年間それを磨いてきた
谷女史に資質が無いなんて事は無い。
ただ確かに指摘された中の2足のわらじで歩むというのは甘さがあるかもしれない
そして何が出来るんだに関しては、無論、どんなに資質があっても
現時点では多くの中の一人の新人議員であり
能力は未知数である事には変わりはない。
当選した以上は他の議員の方と同じく知識を得、有権者の期待にこたえるような
政策を作っていかなければなりません。
谷議員が柔道を愛したように、公人というものを同じように愛すれば
資質も開花していく事でしょう、それではいけない?
立候補する時点でそうでなければならない
日本にそれだけの人がどれだけいるか、またそうであるなら
地盤 看板 鞄では無く品性を・・・
それならそもそも他が入る隙は無いはずであるが。
谷議員も公人として国家国民の為に飛耳長目して
活躍してもらいたいものです。
書いている最中に柔道引退の発表がありました、
納得した決断なら良いのですが、
長い間、柔道選手としての活躍、お疲れ様でした。