メンデルスゾーン:交響曲第3番/第4番 クレンペラー フィルハーモニアo (1960) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

買ったCDはちゃんと聴こうシリーズ ⑰

【CDについて】
作曲:メンデルスゾーン

曲名:交響曲第3番イ短調 op56 (41:53)

   交響曲第4番イ長調 op90 (27:18)

演奏:クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
録音:1960年1月22,25,27,28日(第3番)、1960年2月15,17,18日(第4番)
CD:TOCE-13346(レーベル:EMI、発売:EMIミュージックジャパン)

 

【曲について】

二つの交響曲とも、メンデルスゾーンが旅先で着想を得た作品です。交響曲第3番は、スコットランドという愛称でも呼ばれる曲で、メンデルスゾーンがエディンバラのメアリ女王ゆかりの宮殿を訪れ、この曲の序奏部分の楽想を書き留めました。その翌年イタリアを訪れたメンデルスゾーンは、新たな交響曲の着想を得て、交響曲第4番の作曲にかかります。一方で交響曲第3番の作曲の方は多忙のため進まず、最終的に完成したのは、スコットランドを訪れてから13年後のことでした。

 

【演奏について】

重厚な演奏のクレンペラーと軽快な音楽のメンデルスゾーン。この組み合わせは、にわかに想像しがたいところがあります。どんな演奏になるのだろうと、期待半分不安半分という感じでした。最初は、交響曲第3番の方からです。

 

ゆったりした序奏でスタート。哀愁の漂うゆったりとした音楽で始まります。これはなかなか感動的です。この曲は、メンデルスゾーンの曲の中でも哀感を漂わせる音楽ですので、さほど違和感なく入って行けます。第一主題がに入っても、重厚さと哀愁は変わりません。むしろ、クレンペラーの重厚さが、この曲にすごくマッチしていきます。全体的に暗めの色彩で、じっくりと歌われていました。第三楽章の緩徐楽章もなかなか重厚です。クレンペラーの演奏はこの曲を、堅固で壮大な交響曲の姿へと向けて追及した感じで、比較的軽めで華やかなメンデルスゾーンのイメージを払拭して、堂々とした音楽として見せてくれる素晴らしい演奏だと思いました。

 

第4番の方は、颯爽としたイメージの曲で、クレンペラーの演奏が不安でしたが、普通に颯爽と演奏されています。ただし、そこはクレンペラーですので、少々彫りの深い音楽になっている感じがしました。演奏の肌触りは第3番と同じだと思いますし、しっかりした音楽が出来上がっていると思います。そして第3番と同様、暗めの色彩を感じます。この曲は明るく感じる方が楽しいかとは思いますが、クレンペラーの演奏は、「イタリア」というイメージよりは、「交響曲第4番」という感じの演奏かもしれませんね。

 

【録音について】

全体的によくまとまっていて、いい録音だと思います。

 

【まとめ】

クレンペラーのメンデルスゾーンでした。この交響曲第3番は良かったです。私は、この曲はメンデルスゾーンの中でも苦手な曲の部類で、あまり数を聴いていないのですが、クレンペラーを聴いて見直しました。この重厚な哀感は何とも言えません。

 

購入:不明、鑑賞:2023/11/17