ショーソン:交響曲 / フォーレ:ペレアスとメリザンド フルネ指揮オランダ放送po (1988) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

買ったCDはちゃんと聴こうシリーズ ⑮

【CDについて】

作曲:ショーソン

曲名:交響曲変ロ長調 op20 (35:10)

作曲:フォーレ

曲名:組曲「ペレアスとメリザンド」 op80 (16:25)

演奏:フルネ指揮、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

録音:1988年10月10-12日 ユトレヒト ムジクツェントルム・ヴレデンブルグ

CD:COCO-70503
   (レーベル:DENON、販売:コロムビアミュージックエンタテインメント)

 

【曲に関して】

ショーソン唯一の交響曲で、当時はサン=サーンス、ダンディ、フランクと立て続けにフランスで交響曲が作曲された時代でした。この交響曲は、師であるフランクとワーグナーの影響が大きいとされており、当時のフランス音楽の叙情性と、ドイツ・オーストリアの技法が組み合わさった作品となっています。フランクに代表される循環形式がと入れられていますが、それほど大きくは目立たないようです。

 

【演奏についての感想】

ショーソンの交響曲は聴く機会は少ないのですが、そもそもショーソン自体、録音が多いと思われるのは「詩曲」くらいでしょうか…。そんなショーソンの曲のCDを取り出してきました。曲自体は聴くのが初めてではありませんが、強く印象が残っている訳でもありませんでした。

 

全体を通して聴いた感じは、フランクの交響曲ニ短調をベースにするとイメージが湧きやすいかと思いますが、より循環形式がおとなしくなって、叙情性が強くなったという感じでしょうか。雰囲気としては、フランクのあくの強いドロドロした展開な無くなり、遥かに叙情的で、フランス的でもありました。明るいメロディと、哀愁のあるメロディが交差していく感じではないかと思います。フランクの指導を受けているということで、構成的にはしっかりしていますし、ワーグナーの影響が大きい分、管弦楽が分厚く聞こえて迫力があります。そして、フランスの叙情性という意味では、その先のドビュッシーの雰囲気を感じさせるところもあるかも知れません。何か聴きたい時、まだまだファーストチョイスにはなりにくい感じがしますが、ふと聴き返したいような雰囲気のいい交響曲かもしれませんね。また、別の演奏家でも聴いてみたい曲でもありました。

 

フォーレのペレアスとメリザンドも、時々聴きたくなる曲です。第3曲のシチリアーノが有名ですね。フルネの演奏は叙情性が豊かで、穏やかな表現だと思います。決して濃厚なタイプではありません。そして、細部をクリアに聴かせるという感じでは無くて、全体の雰囲気をうまく作って聴かせる演奏だと感じました。

 

【録音に関して】

オーケストラの全体の雰囲気がよく捉えられている録音だと思います。

 

【まとめ】

ショーソンの交響曲を聴くのはしばらくぶりでもありますが、改めて聴いてみると、叙情的なうえに、意外とダイナミックな音楽であることも感じました。また別の演奏でも聴いてみたいと思いますし、この時代のフランス音楽は、いろいろな要素が取り込まれていて、なかなか面白いと思いました。

 

購入:不明、鑑賞:2023/11/12