べートーヴェン:交響曲第7番,第8番 アントニーニ バーゼル室内管 (2010/12) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:ベートーヴェン

曲名:交響曲第7番 イ長調 op92 (37:55)

   交響曲第8番 ヘ長調 op93 (23:38)

演奏:アントニーニ指揮、バーゼル室内管弦楽団

録音:2010年7月5-7日(第7番)、2012年7月4-6日(第8番)

   ルツェルン Kultur und Kongresszentrum

CD:19439737032 (6CD)
   (レーベル:SONY CLASSICAL、販売:SONY MUSIC INTERNATIONAL)

 

【曲に関して】

交響曲第7番、第8番はともにリズム重視の交響曲。同時期に作曲され、まずは第7番が初演され、その2ヶ月ほど後に、第7番の再演と第8番の初演が併せて行われました。当日のプログラムは、2曲の他には、ウェリントンの勝利と、三重唱の「おののけ、背徳者」であったとの事。当時のベートーヴェン人気もあって、コンサートは大盛況だったようですが、第8番は人気の他の曲に隠れてしまい、評判は今ひとつであったようです。

 

【演奏についての感想】

今でもベートーヴェンの交響曲の中では人気度が低めの第8番ですが、第7番と第8版は、リズムの面白さが一つのポイントでもあり、アントニーニのメリハリの強いHIP演奏で聴くと、第8番は、また新たな魅力が出てくるかもと期待して聴いてみました。この2曲だけで見ると、録音に2年間の時間が開いているので、2つの録音が全く同じ状況で演奏された、ということはないと思いますが、どんな演奏なのか楽しみです。

 

さて、まずは第7番から、このCDは始まります。

第一楽章の冒頭のジャン!!が明るく強いので、衝撃的です。そして短く刻まれるフレーズは、アクセントがとても強く感じます。尤もこれはこの全集の特徴でもあるのですが…。そして、序奏から主部にふわっと入るところが面白く、逆に安心しました。緩急のメリハリもしっかりしています。走り出したと思ったら、いろいろ意表もつかれました。颯爽と進む中でプラスセクションがとても目立ちました。

第二楽章は、引きずらず力強さまで感じる演奏。第三楽章は快速。トリオの部分のアクセントがちょっと面白いと感じました。第四楽章はアントニーニの演奏の真骨頂ですね。お見事でした。やりたいことをいろいろやり通した感があります。かなり特異な演奏とは思いますが、これでもかと技を繰り出してくるところに、ケレン味のなさも感じ、圧倒されました。

 

続けて第8番です。これも早めのテンポで颯爽とスタートします。強弱の振幅も大きく感じます。第8番の名演奏とは?という命題がいつも解決しないのですが、これは一つの回答かも?なんて思いながら聴いていました。第二楽章のテンポの刻みも快速でした。ニュアンスもよくついています。第三楽章も同じく、楽章毎に発見がありますね。第四楽章も早いテンポで走っています。結局、この23分台というのは相当なテンポではないでしょうか。とはいってもメロディも充分歌われているので、ただ早いというだけではなくて、しっなり構築された、いい演奏だと思いました。

 

【録音に関して】

いつも通り、いい録音だと思います。強弱の幅が大変大きく、しっかり捉えられていると思います。

 

【まとめ】

アントニーニのベートーヴェン、期待の7番8番はなかなか楽しめました。次は9番。期せずして師走に聴くことになりそうです。

 

購入:2023/06/23、鑑賞:2023/11/06