メンデルスゾーン:ピアノソナタ第1番、厳格な変奏曲 他、ペライア (1981-2) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:メンデルスゾーン

曲名:ピアノソナタ第1番 ホ長調 op6 (23:16)

   前奏曲とフーガ ホ短調 op35-1 (8:10)

   厳格な変奏曲 ニ短調 op54 (11:30)

   ロンド・カプリチオーソ ホ長調 op14 (6:30)

演奏:ペライア (p)

録音:1981年12月10,15日(ソナタ)、1982年11月24日,12月23日(ソナタ以外)

   ニューヨーク Vanguard Studios

CD:MK37838(レーベル:CBS、製作:CBS Records)

 

【曲に関して】

メンデルスゾーンのピアノ曲は、聴く機会は少ないのですが、無言歌集とかが有名ですね。このピアノ・ソナタは17歳の時の作品で、第一楽章はベートーヴェンの第28番のソナタを参考に書かれたと言われています。第三楽章と第四楽章が続けて演奏され、特に第三楽章はレチタティーヴォとされており、調号や拍子記号、小節線も無く、文字通り話すように奏され、そのまま活発な第四楽章に続いていくという一風変わったスタイルです。

 

【演奏についての感想】

CDラックの、未聴ブロックにこのCDがあることは時々気づいていましたが、深く内容を認識していませんでした。(なんともいい加減な話ですが…)今日は、なにかピアノ曲でも聴きたいなと思った時、このCDを取り出してみると、メンデルスゾーンのピアノ・ソナタとあります。はて、そういうCDがあったのか…。こういっては怒られるかもしれませんが、ジャケット、作曲家、演奏者すべて派手なタイプではありませんですよね。(そう思うのは私だけか…)

 

まずピアノ・ソナタですが、初期の作品です。メンデルスゾーンの初期の作品というと、ロマン派と言いながらも、古典派の雰囲気を感じるのですが、この曲もそうですね。あとで調べてみると、第一楽章はベートーヴェンのピアノ・ソナタを参考にしたものとのこと。なるほど…。第二楽章にメヌエットが入ります。飛び跳ねるような音と、トリオ部分の対称が印象的でした。さて、ここからロマン派の面目躍如で、モノローグの第三楽章と快速な第四楽章が続きます。これはいいですね…、新しい時代に変わったという感じ、そして第三楽章が緩徐楽章があるので、後半に向けて盛り上がる構成になっていると思います。

 

その他収録されているのは、メンデルスゾーンの比較的演奏頻度の高いピアノ作品(無言歌除く)です。どれも、しっかりロマン派の雰囲気ですが、メンデルスゾーンの曲は、深刻な作品という雰囲気にならず、基本的に哀愁を湛えた美しさとか、軽妙な楽しさなのですね。それは聴いていて大変気持ちのいいものと思います。ペライアは鋭い演奏で早いパッセージなど、軽やかで、かつクリアに演奏しています。なかなかいい演奏だと思います。

 

【録音について】

問題なく、クリアなピアノの音が収録されています。いい録音です。

 

【まとめ】

普段あまり聴かないメンデルスゾーンを、じっくり繰り返して聴いていました。いろいろ発見もあって、ちょっと楽しかったです。もっといろいろ聴いてみたいと思いました。

 

購入:不明、鑑賞:2023/08/03