シューマン:クライスレリアーナ 他 バンフィールド (1998) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:シューマン

曲名:クライスレリアーナ op16 (31.31)

   アベッグ変奏曲 op1 (7:22)

   3つのロマンス op28 (14:38)

演奏:バンフィールド(p)

録音:1998年2月2-6日

   ベルリン Kleiner Sendesaal des SFB

CD:999 598-2 (レーベル:CPO、発売:CPO)

 

【曲に関して】

クライスレリアーナは、ホフマンの著作から着想を得て作曲された。シューマンのピアノ曲の中でも良く演奏される作品で、演奏会で聴くことも多い。私はCD初期の名盤であるアルゲリッチのCDをよく聞いていた。ほぼ同時期に、ポリーニの交響的練習曲も同じDGからリリースされた。この時代を象徴するピアニストの競演であった。

 

【演奏についての感想】

クライスレリアーナが聴きたくて、このCDを取り出してきた。バンフィールドはドイツのピアニストでハンブルク音楽演劇大学で教鞭をとり、副学長を務めたとのこと。クライスレリアーナはずっとアルゲリッチのCDを聴いてイメージが出来上がっていたが、この演奏を聴くとかなり違いを感じる。アルゲリッチはメインの旋律の浮かび上がらせ方が明確のように思う。

常に支持を受けているアルゲリッチの演奏であるけれども、実際このバンフィールドのような感じが普通に聴かれるタイプではなかろうか?冒頭の部分はいろいろ聴き比べてみると、演奏家によって個性があって面白い。実際かなり違うものもある。超絶的名盤にあまりに頭が支配されてしまうと、どうも世間の音楽から感覚が乖離していくな…と思った次第である。

 

【録音に関して】

演奏のニュアンスを良く捉え、程よい残響も持った録音である。

 

【まとめ】

このCDはきっちり弾きこまれた演奏で、きっとドイツのあちこちの演奏会で聴けるタイプではないかな?と思った。CDを聴くことや、演奏会で聴くこと。その時の接し方や、聴いてきたイメージなど、状況によっていろいろな感想が生まれる。感想自体は事実であるとすると、音楽評論って何だろうと思う次第。

 

購入:不明、鑑賞:2023/04/30(再聴)